見出し画像

葉月、よもやま話1(部活未亡人)

相変わらずさぼってたし、なんだかアウトプットができる気がしない日々の8月でした。
そんな8月ももう終わってしまう。
夜は少しずつ秋めいてきているよ。

ふと頭をよぎったこととか考えてたこととかうっかりしたことととか、時系列も脈絡もなく書き連ねます。


部活未亡人

夫である教員が部活動指導に時間を使うことで夫がいなくなったような状態に陥った妻を示す

出典:ウィキペディア

XのTLに流れてきたワード。
懐かしい。
初めて耳にしたのは確か高校生の頃だったと思う。

中学から大学まで陸上に明け暮れていた私は、当然ながら毎日のように部活に参加していたし土日は勿論夏休みは試合三昧だった。
加えて県選抜の選手にもなっていたので、長期休暇だけではなく連休なんかも合宿ばかりだった。ゆっくりする時間がないとか友達と遊べないとかは不満だったことはなかったと思う。
部活をすることが当然だったし、試合や合宿はむしろ楽しみで仕方なかった。
生徒側なんてそんなもんだろう。

部活動の顧問は当然のように学校の先生たち。
そして、当時の県選抜強化チームに携わっている方々もみな「学校の先生」ばかりだったし、ほぼご家庭がある方々だったと記憶している。

皆、熱心な先生たちだった。

当該のTLでは「害悪」「部活をなくせ」「部活なんて意味ない」というような言葉が9割くらい。
「残業代・休日手当をつけろ」「外部コーチに委託せよ」という改善策?は1割弱。
大半が部活と教員が部活指導をすることに否定的な反応だった。
まぁもともとの内容が「部活未亡人」というネガティブなワードだったから、批判がより集まるのだろうけども。

事実、世の中にはそう思っている教員は多くいらっしゃるのだろうし、そのご家族の思いたるや…当然だろうね。

でも…。
私は部活と先生方のおかげでそれなりに満足できる結果を出せたし大学進学してまで陸上を続けようと思えた。
感謝しているし、自分の人生の礎になっていると実感できている。
部活がなくなってしまうとか日数を減らすとかは少し寂しい。

私の高校の時の顧問は、選抜の強化コーチ就任の依頼は断っていたんだよね。
なんでなんだろうなーってずっと疑問に思っていた。
先生がコーチ陣として入ってくれたら、選抜合宿も遠征行くのもなにかと都合よいのになって。
そんな疑問をある日先生にぶつけたら、その回答に「部活未亡人」というワードが入ってた。
「自分の高校の陸上部の指導で土日含めた時間を使って、(奥さんを)部活未亡人にしてるからこれ以上家族の時間を削るわけにはいかん」とそんなようなことをおっしゃっていた。
奥さんも元陸上選手で一時は県記録も持っていたようなアスリートだったので当然理解もあったし反対をしたわけではなかったようだ。
先生のせめてもの…という想いを感じる。

時は経ち、大学4年の頃だったか、帰省した際に高校の部活に参加させてもらっていた時に先生と昨今の陸上のあれこれを話してて、その中でクラブチームの台頭や専任コーチを付ける学校のことに触れたんだよね。
先生はとっても不愉快そうだったし、現に「指導もろくにできない顧問になるのはごめんだ」的なことを言ってた。
自分でやり切りたいんだよね、先生たちも。
「生徒を強くしたい」「インターハイ/全日中に立たせたい」
無論、本業である「教師」としての仕事はきっちりされているうえで。

部活を反対したり、そもそもで部活の顧問を罰ゲームのように思う先生方がいる一方で、部活指導をしたくて教員を選んだような先生もいるし、強くするには量(工数)が必要であることをわかっていて実践している先生もいる。
私自身は先述のとおり、先生やご家族の犠牲(というものどうかと思いつつ)に甘んじつつその時間や経験があっての今と思っているので、部活というものには肯定的。
やり方や方法は変えればいいと思うことは多々あるけどもね。
そして、体育大というちょっと特殊な環境だったこともあって、周囲で教員になった友人たちのほとんどが部活バカ(←褒めてる)になっているし、その陰で部活未亡人が誕生していることも知っている。
限定的だけど、私の周りの部活未亡人の皆さんはみんな覚悟も度胸も持ち合わせてる。

簡単に答えが出ることもではないし、そもそもで正解などないことだろう。
それでも…。
今回のオリンピックでメダルを量産したレスリングなんてさ、親御さんは勿論のこと部活や先生の献身度合はかなり高いんじゃないかなと思う。
学校生活・部活でできることは大きいと思う。
東京とか首都圏はともかく、地方で「何か」をしようと思っても選択肢がないんだよね。
部活で初めて「何かをする」生徒は少なくないはず。
それはスポーツでも吹奏楽や演劇などでも。

効率化・合理化を求められる世の中で、部活動はやり玉にあげられやすいし、事実ご家族の負担が大きい。
だからこそ、適切な対価支払いや外部コーチとの連携を強めるなどしていく必要はあるなと思う。

結論などない話。
よもやま話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?