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【ピアノ】ツェルニー100番練習曲から、左手の伴奏が自然に弾けるようになるコツ。

ツェルニーの100番練習曲全曲挑戦宣言してからだいぶ日が経つが、ノロノロ運転でやっと33番まで来ました。
(前記事https://note.com/aki0305/n/nb5552d2129dc )

その33番を練習していた際に、左手の伴奏について、思うところがあったので、書いてみたいと思います。

別に33番だけに限りませんが、33番を例にとると、3拍子で、1拍目を残して2拍目と3拍目を軽く弾く、典型的なズンチャッチャの3拍子のリズムです。

全音楽譜出版社・ツェルニー100番練習曲より


1拍目が強拍(=その拍の一番強い部分)、2、3拍目が弱拍(=強拍以外の部分)ということになります。

私はここを練習していて、多分初心者さんが陥ってしまいやすいんじゃないかと思ったのが、こういう音型の特に弱拍部分ですね、この場合2、3拍目が、弱くなって音が抜けるか、逆に鳴りすぎるか、ということが起こりやすいんじゃないかと思いました。

音抜けは単純に「音抜け」って感じですが、鳴り過ぎる、というのは、ともすればこういう伴奏部分では音自体の固さとなって現れることが多いので、バランスも悪く、あまりいい音とは言えないかもしれません。
(人のことは言えないです・・・)

じゃあ、音が安定するには、どうすればいいのか。

そして安定しているとは、
・強拍(一拍目)より主張せず、邪魔にならず、弱拍としての役割を果たせていて、かつ、粒のそろった音

ということになると思います。

具体的提案


上記のような安定した音を得るために、どういう心構えで弾けばもっと良くなるだろう・・と考えながら弾いていました。
そこで、初心者さんが陥りがちな感覚と、それについての方法を少し分解して見てみたいと思います。
(私自身も陥りやすいので・・・)


① 2拍と3拍、2つで一セットと捉えてみる

拍をひとつづつ、あまりにマジメに捉えすぎると、精神的にも身体的(手的?)にも大変です。ホントに、これは、大変なのです。

「一小節ひとかたまり」の感覚も作られづらくなります。

この曲は小品ですが、もっとレベルが上がっていくと、音が多くなるので、このクセがアダになって、弾くときの精神的負担はとても大きくなります。
経験者は語るです。笑

少しでも、「2つで一つ」と捉えながら弾いてみてください。
まず、精神的負担が少し軽くなるかと思います。



② 1拍目の音の中に、2、3拍目が入っているイメージを持つ。

①と似てますが、こちらの方が感覚的に分かりやすいかもです。
弾いているときに、強拍(1拍目)の伸びた響きの中に弱拍(2、3拍目)が入っていると感じてみてください。
1拍目に包まれたイメージです。

弾きすぎ注意!('◇')ゞ

自然と弱拍のヘンな強さが抜けると思います。



③ 1拍目の音に意識を集中してみる

「敢えて弱拍の部分を聴かない」ということです。

1拍目の音の伸びを聴くことに集中する、という練習をする。

余裕ができたら、右手のメロディーも同時に聴いてみる。

同時に聴けないよー、という人は、1拍目の音だけで十分です。
これを続けていると、「逆説的に、弱拍が弾けている」ということに氣付くかも知れません。

意識しない方が、逆に、いい方に作用する、という図式。
一生懸命になりすぎない。

「きちんと弾かなきゃ」「音抜けに氣を付けなきゃ」という思いで、神経質になり過ぎると、逆に硬くなったり弾きすぎたりして、うまくいかないなあ・・というのが、私が33番を練習していて感じたことです。手も疲れやすいですし。
初心者さんやお子さんの場合は、特に弱拍が強くなりやすいかもしれないですね。

何事もそうですが、あまり神経質になり過ぎるといい結果にはならないのかもしれないですね。

④弱拍のタッチは軽めに

2、3拍目は少しスタッカート氣味で、軽めに弾きます。弾むように。
(スタッカートではありませぬ。あくまでもスタッカート氣味で。)

それは先生にも言われてる、でもそうすると音が抜けるんですー!
という声が聞こえてきそうですが、確かにそれは分かってるんだけどどうすればいいのか・・ってことですよね・・・

そのために、上記で書いた「聴くべきところのフォーカスを変えてみる」
というところをやってみて、感覚の違いを感じてみてほしいのです。
指の筋肉を付けたり脱力感覚をつかむのはとても時間がかかりますが「フォーカスを変える」だけだとハードルは低いと思います。

これはいい意味で「忘れる」ということにつながり、じゃあ何を忘れるかといえば、弾くことを忘れるのではなくて、神経質になることを忘れさせる、ということなのです。

で、結果的に「安定してきた」というところにつなげるのが、狙いです。

結果として、軽くて弾んだ、「いい音」に仕上げたいのです。

最後に

書いていたら細かくなりすぎてしまいました・・

基本的には、ある程度集中して左手の練習をすることは前提ですが、それだけだとメカニックな練習だけになってしまうので、そうではない要素として挙げてみました。

メカテク的なことが書けなくて申し訳ないのですが、テクニック的にはもっと最適な練習方法というのがあるでしょうし、伴奏のもよく使われるこういった3度の音型は、必然的に指の強さというのも必要になってきますし、もっと複雑になるととてもデリケートな指運びも必要とされるので、安定させるにはとても労力が必要になってくるんですが、私の思ったアプローチも、ある意味有効なんじゃないかと思いました。

でもこれはツェルニーに限らず、ショパンのワルツとか、他のレベルの高い曲にも当てはまってくると思うので、耳の訓練、拍子感覚を養うという意味でも、役に立つのではないかと思います。

聴くことと、意識の持っていきかたという観点で、お伝えさせていただきました。

また氣が付いたことがあれば、書いていきたいと思います。

P.S
拍子感覚ということで、思い出しましたが、昔の私は、拍子感覚というものをほぼほぼ無視して弾いてきたように思います。ホントに、考えてなかった し、見てなかったし、拍子感を捉えていなかった。先生によく「この曲、何拍子?」と聞かれても「エッ・・・((+_+))」と答えられないことがしばしばでした。
どうりで、「棒読み」とよく言われていたわけですな(^^;









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