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行政のためのマイナンバーでいいじゃないか

マイナンバーにしろマイナンバーカードにしろ、全然メリット感じないぞと言う意見が結構ある。もっともである。

効率化・省力化

例えば、ワクチンの接種記録がきちんと管理され、スマホで簡単に接種証明が取れるって便利でしょと言えば、「まぁ確かにそうだけど」となるだろう。だか、日々恩恵を感じつつ生活してるかと言えばそんなことはない。

実際のところ、上記のワクチン接種記録もそうだけど、マイナンバーやマイナンバーカードによる効果、特に効率化・省力化についてはサービス利用側よりサービス提供側に大きい。言わば住民の側のメリットより行政側のメリットだ。

ワクチン接種記録を保険証の記号・番号でもっと泥臭くやれないかと言えば、頑張ればできるだろう。でも、住民のさまざまな移動がある中で、全国的に確実に記録を管理し、証明するとなるとマイナンバー使った方が管理する側としては楽だ。これはされる側の問題ではない。

それは生き残りのため

そうなると、行政が楽をするために国民にマイナンバーを強いるのかという意見になるだろう。それはわかる。
でも、決してサボりますと言ってるんじゃない。

行政職員数は激減であり、人口減少トレンドの中、この人手不足は解消することはない。
人手が足らない中で、なんとか行政サービスを維持しようと自治体システム標準化をはじめさまざまなDXに取り組んでいる。デジタルによる効率化・省力化なしにはサービス維持は困難な状況だ。
そう、やりたくないんではなくて、できないんである。生き残りのためなのである。

理解を求めること

このような状況にあって、マイナンバーやマイナンバーカードは国民のためだと言う説明に偏りすぎていないか。もっと正確には、行政の生き残りのためですご協力くださいと言う説明があまりに不足していないか。
国民のためですと言えば、何らかのミスが起これば当然強い批判を生むだろう。

そう言うとすぐに、「では、自治体の現場で住民に十分な説明を」となりそうだけど、それはいけない。
現場は今も頑張っている。「生き残りのために協力を」と言っても、現場の彼らがギブアップしたからではない。彼らは今も歯を食いしばって立っている。

これは政策的判断だ。よって説明責任は政府や政治の側にある。

もちろん、多くのDXは住民向けのサービスを高度化したり、今時な生活様式にマッチさせたりと様々な努力は成果を発揮している。
しかし、今必要なのは生き残りのためのDXへの理解だろう。
まずは「生き残りのためご協力ください」と頭を下げることからだろう。

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