天国を憐れむ歌（single ver.）

自己紹介しましょうか？　その必要はないと思いますが。
私とあなたの仲ではありませんか。
私はいつも見ていますよ。あなたのことを。
あなたもいつも私を想っているじゃないですか。

東欧では驚きましたよ。高尚な大義を掲げて大量虐殺。火薬の匂いが実に香ばしい。多大な戦果と略奪した戦利品。本当に上手くやりましたね。
私には幼稚な理由にしか聞こえなくても、言葉をかざして礼儀を尽くすのはきっと大切なことなのでしょう。あなたの威光が蘇るといいですね。

自己紹介しましょうか？　その必要はないと思いますが。
私とあなたの仲ではありませんか。
私はいつも見ていますよ。あなたのことを。
あなたもいつも私を想っているじゃないですか。

昔は欧州にあった教育施設ですが、今では亜細亜の中心にあるようですね。
間違った思想、間違った風習、間違った言い伝え……。正してあげるのは親である党としての義務。血と涙と白濁した体液で汚れた拳……。さぞかしお疲れだったでしょう。しかし、見事なお手並みです。違う色の者を自分の色に染める方法。地下のその向こうにいる友人に話したところ、「俺はそこまで残酷には出来ない」と悔しがっていましたよ。

自己紹介しましょうか？　その必要はないと思いますが。
私とあなたの仲ではありませんか。
私はいつも見ていますよ。あなたのことを。
あなたもいつも私を想っているじゃないですか。

一国の指導者がチープな武器で消え去る様は傑作でしたな。何でも私の名を語る者にひどい目にあったからだとか。初めて聞きましたよ。私はその方々を全く存じ上げませんでした。私とは無関係です。怒ってなんかいませんよ。むしろ笑ってしまいました。厚顔とはまさにこのことですね。全く持ってカオス。まあ、いままで何度も経験していることですからね。巻き込まれた方々は災難ですな。

自己紹介しましょうか？　その必要はないと思いますが。
私とあなたの仲ではありませんか。
私はいつも見ていますよ。あなたのことを。
あなたもいつも私を想っているじゃないですか。

そう、私はあんたたちをいつも見ている。
私も地下の親友もあんたたちが作り出したものだからだ。
議会制民主主義、独裁体制、そして信仰……。それらはみんな大衆の管理システムのラベルに過ぎない。弱者を弱者のままでいさせるシステムだ。
「人権」「反対」「権利がある」そう主張する輩は結局何もしない。〝権力に物申すかっこいい俺〟でいられればそれでいいのだ。
私がいつも上から見ているのは理由がある。私は他人を見下さないと生きていけない人間に利用されているからだ。
私はあんたらの発明品で、単なる消耗品に過ぎないのだろうよ。
祈りなどのご利用は計画的に。

自己紹介しましょうか？

※映画「天国を憐れむ歌」主題歌。

私は流行、あなたは世間。