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寝つきが悪いあなたへ内臓マッサージ紹介~Rさんの事例から学ぶ睡眠の大切さ~ 

今回は、
「寝つきが悪いんだよなぁ」と悩むRさんとの出会いを元に

  • なかなか眠ることができない。

  • 睡眠の質が悪いと感じている。

  • 睡眠薬にはできるだけ頼りたくないと思っている。

というあなたに向けて書いています。


はじめに 

Rさんは、右肩に痛みと、慢性的な睡眠不足に悩まされています

Rさんは初老の男性。
現役引退までのお仕事は
「力仕事ばっかりさ!」
をされていたそうです。
たしかになるほど・・・
とんでもない胸板の厚さです!

そんなRさんですが、ある病気をきっかけに、
自宅でゴロゴロ
する生活になってしまいます。

奥様のお話では、
もともと、物事を深く考えないタイプ。
奥さんが苦言を呈しても、
ゴロゴロ。
分厚い胸板レベルに迫る大きくなったお腹を見ても、
ゴロゴロ。
去年着れた服が着れなくなっても、
ゴロゴロ。

これでは、
病気が悪化してしまう!
と、週2回デイサービスを利用されます。

おおらかで、おとなしいRさんですが、
「実は最近右肩が痛い。それによく眠れない」
と看護師さんに訴えることが増えてきたそうです。

日によっては血圧が低いなどの体調の悪化もあり、デイサービスのベッドで半日横になっていることもあるそうです。

私がそのデイサービスに訪問した時に、
看護師さんよりRさんについて相談をしていただき、
一緒に問題解決に取り組むこととなりました。



Rさんの睡眠不足は悪循環に陥っていました…


最初は、
「右肩が痛いからよく寝れないのかな?」
と思い、右肩を手で治療を行いました。

「あんた、マッサージうまいねぇ」
と褒めていただいたり、
「すっごい立派な胸板ですねぇ~」
とこちらが称賛したりして、
関係を構築していきました。

幸い2週間ほどで、
「最近、俺、肩痛くないんだ」
と本人よりご報告があり、
予想以上の回復力だね!
と一緒に喜びました。

しかし、それも束の間。
「良く寝れない」
という訴えは消えることはありませんでした。

どうやら、右肩が痛かったのは、ベッドの右側にテレビがあり、
寝れない夜は右肩を下にしてテレビを観ていたから痛めたようです。

寝れない夜は、
「心配事ばかり考えちゃうんだよな・・・」
と。
だから、テレビを観て気を紛らわせようとしていたのですね。
わかります。
私も過去に同じような夜を何日も過ごしました。

お悩みは「お金」に関することで、ご家族にも相談していないと・・・

まずは、他者に相談することが第一歩と判断し、
デイサービスの管理者さんや相談員さんに、
できるところからの相談をすることを提案し、取り組んでいただきました。

さて、治療家である私が
Rさんの不眠
に対してできることは何でしょう?

まずは、運動。
Rさんの疾患にとって、適度な運動は治療効果あります。
人間の運動の基本中の基本である、
歩行
を一緒に行いました。

寡黙な雰囲気のRさんですが、お話し好きな一面もあるRさん。
指にパルスオキシメーターという計測器をつけながら、
軽く心拍数があがる程度で、会話をしながら一緒に歩きました。

そして、寝る前に行ってほしい
「内臓マッサージ」
を指導しました。

今回はこのRさんに指導した内臓マッサージをあなたにも共有したいと思います。


内臓マッサージ動画

「どんな方法かを早く知りたい!」という方もおられるはずです。どうぞどうぞ。

ポイント

  1. 触るお腹の部分を確認します。肋骨の下~脇腹~恥骨の上

  2. 肋骨側から下へゆっくり移動しながら、押して痛みを感じる場所を探します。

  3. 硬い部分・痛みを感じる部分を見つけたら、そこをゆっくりと優しく押してあげます。

  4. 押す方向は、まずは真っすぐ中に押していき、余裕があれば頭側へ少し押し上げるようにします。

  5. Rさんの様に脂肪が多い方は、全体的に下から上(足から頭の方向)へ上げるように手でマッサージでOK

厳密な手順ややり方にはあまりこだわらないでください。
大事なことは、

あなたが自分の手で、痛みを感じる場所をメンテナンスし、心地よい気持ちにさせることができること!

ですので。

ただし、以下の人は行わないでください。

  • 最近お腹の手術をした人など、お腹に力を入れてはいけないとお医者さんに止められている人

  • 途中で気分が悪くなる人(体内の水分循環のバランスが一時的に崩れた可能性。しばらく休めば治ります。)

え?これで寝れるの?と思った方は以下解説しております。
理由を理解したうえで、メンテナンスを行う方が効果が高いですよ。


「良い笑いと良い睡眠は、何でも治す最良の治療法である」

これはアイルランドのことわざだそうです。
昔から笑いと睡眠に健康効果があることは認識されていたのですね。

それでは、睡眠と健康について一緒に勉強していきましょう。

睡眠の役割あれこれ

私たちはなぜ寝る必要があるのでしょう?
それは、以下のような理由があるからです。

  • 心身の休養:睡眠は、私たちの心と体が休息を取り、エネルギーを回復するための重要な時間です。睡眠中には、体の修復と維持のプロセスが行われ、これが翌日の身体的および精神的な機能に影響を与えます。

  • 記憶と認知機能:睡眠は記憶と認知思考に役立つと考えられています。脳は睡眠中に非常に活発であり、新しい情報を学び、記憶を形成するための新しい神経接続を作るという多くの重要な機能を果たします。

  • 心の健康:良好な睡眠は心の健康にも寄与します。十分な睡眠があると気分が良くなり、逆に睡眠不足は精神的苦痛のリスクを高めます。

  • 免疫機能:睡眠は免疫系の機能を強化し、病気から身を守る能力を高めます。

  • 代謝と慢性疾患リスク:睡眠は私たちの代謝や慢性疾患リスクにも影響を与えます。

体の休息だけではなかったんですね。心の健康や、認知機能、免疫機能・・・。
なるほど、睡眠はやっぱり私たちの健康に欠かせない要素ですね。

もっと詳しく知りたいな、という方は以下のサイトが参考になるかもしれません。


睡眠は積極的に身体をメンテナンスしてくれます

睡眠は「休んでエネルギーを貯める」程度の働きだと思ったら大間違いでした。

  • 筋肉と組織の修復:睡眠中、体はプロテインとホルモンを放出し、これにより筋肉や他の組織が修復されます。

  • 心臓の健康:睡眠中、心拍数が減少し、血圧も下がります。これにより、心臓と血管系が休息を取ることができます。

  • 血糖調整:睡眠は体内のインスリンというホルモンとの関係に影響を与えます。このホルモンは血糖(または血液中のグルコース)を体の細胞に取り込む役割を果たします。

睡眠中に必要なホルモンを放出し、身体を修復し、日中働きづめの心血管を休ませる・・・。
私たちはただ文字通り
「寝ているだけ」
なのに、
体はこんなにも頑張ってくれていたのですね!

いや、本当にありがとう、私の体。

いつもお世話になっております(ペコリ)


良い睡眠のために必要な条件(一般的なガイドライン)

そうなると、
「良く寝れないんだ」
というRさんのような方こそ、何とか気持ちよく寝ていただきたい!

良い睡眠のためには、何が必要なのでしょうか?
一般的に言われていることは、以下の通りです。

  • 規則正しい生活リズム:毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが重要です。これは体の睡眠-覚醒サイクルを強化します。

  • 適切な飲食:寝る前に空腹や満腹状態を避け、特に寝る数時間前には大量の食事を避けることが推奨されます。また、カフェインやアルコールも睡眠に影響を及ぼすため、注意が必要です。

  • 快適な環境:寝室は暗く、静かで、涼しく保つことが理想的です。また、寝具も吸湿性や放湿性が良く、保温性の良いものを選ぶことが推奨されます。

  • 適度な昼寝:長時間の昼寝は夜間の睡眠を妨げる可能性があります。昼寝をする場合は、1時間以内に制限し、日中後半の昼寝は避けることが推奨されます。

  • 日常生活での適度な運動:定期的な身体活動は良い睡眠を促進します。ただし、寝る前すぐの運動は避けることが推奨されます。

  • 心配事の管理:寝る前に心配事や懸念事項を解決することも重要です。

すぐに取り組めるものもあれば、
すぐにはできそうもない
「心配事の管理」
なんかも含まれていますね・・・

私も若い頃は不眠に悩まされていましたが、漠然とした
「心配な気持ち」
があったと記憶しています。

そのころ心配していたことはひとつも起きず、
想像だにしていなかった大変なことが、たくさん起きたよ、
と当時の私に教えてあげたいものです(笑)

心配してもしょうがないとはいえ、
なかなか消せない気持ちであることはよくわかります。

Rさんのために考慮した自己メンテナンス方法は、そのような心理面にも配慮したつもりです。



内臓の健康が全身・精神の健康に

治療家として私が睡眠に非常に関連が深いととらえている体の部分は、

内臓

です。

ただし、これは私の個人的な意見です。
全く科学的な根拠が無いわけではありませんが、
実証されている考え方でもありません。

内臓を正しくメンテナンスを行えば、悪影響はありませんので、
試してみる価値はあると思います。
これであなたの睡眠の悩みが軽減できれば、私は幸福です。

内臓に着目する根拠をご説明します。

内臓と脳の間には双方向のコミュニケーションが存在することは実証されています。
これは、内臓からの信号が脳の機能を形成し、影響を与えることを意味します。
(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、繊維筋痛症、うつ病、不安、不眠、多発性硬化症などの退行性疾患は、内臓の細菌のバランスが欠けることにより早く始まることが確認されています。)

内臓からの信号は、私たちの心と行動に影響を与え、知覚、認知、感情、行動に影響を与えます。
これらの信号はホルモン、免疫応答、代謝反応、体温調節、痛み反応、内臓運動など、さまざまな種類の情報を含んでいます。

(以下の論文を参考にしています。)
https://www.cell.com/neuron/pdf/S0896-6273%2813%2900140-2.pdf


このような理由から、
私は、内臓の健康を維持することは、
全体的な健康と心身の調和を保つ上で非常に重要!
と考えています。

実は、内臓の状態が非常に良い方はほとんどおられません。

そもそも立っているだけで、重力の影響を受けて全体的に
下に落ち気味
です。

スマホ・PCに触れる機会が多いことで、
猫背姿勢
をとる時間が増え、
このことも内臓の位置を下げてしまったり、
内臓の癒着を引き起こしてしまったりします。

癒着とは、内臓と隣りの組織がくっついてしまうことです。
熱でくっついてしまったゴムとゴムのようなイメージでとりあえずOKです。

これらのことで、内臓が活躍するときのパフォーマンスが落ちてしまうのです。
これが、不眠の原因にもなっていると私は考えています。

内臓を手で治療することは、実は非常に高い技術を求められます。

ただ、自分自身のお腹に触れることは、
自分のお腹でありますので、
「痛み」
「違和感」
をダイレクトに感じることができるので、
大変精度高く
かつ安全に
メンテナンスを行うことができるのです。

私が実際に患者さんの内臓を治療すると、
最初は痛みを軽く感じておられた患者さんも、
いつの間にか寝てしまわれます。

腕や足の治療で寝てしまう方もおりますが、
内臓の方が、「寝落ち」する確率が高いと経験上思います。

また、同じ動画を掲載しますので、やってみてください。

自己メンテナンス方法動画をもう一度掲載

寝る前に行うことを想定していますから、難しいことを考えず、ゆっくりとお腹の中のハリ感を感じてほしいと思います。

以下にポイントと注意事項を再掲しますね。

ポイント

  1. 触る部分を確認します。肋骨の下~脇腹~恥骨の上

  2. 肋骨側から下へゆっくり移動しながら、押して痛みを感じる場所を探します。

  3. 硬い部分・痛みを感じる部分を見つけたら、そこをゆっくりと優しく押してあげます。

  4. 押す方向は、まずは真っすぐ中に押していき、余裕があれば頭側へ少し押し上げるようにします。

  5. Rさんの様に脂肪が多い方は、全体的に下から上(足から頭の方向)へ上げるように手でマッサージでOK

厳密な手順ややり方にはあまりこだわらないでください。
大事なことは、

あなたが自分の手で、痛みを感じる場所をメンテナンスし、心地よい気持ちにさせることができること!

ですので。

ただし、以下の人は行わないでください。

  • 最近お腹の手術をした人など、お腹に力を入れてはいけないとお医者さんに止められている人

  • 途中で気分が悪くなる人(体内の水分循環のバランスが一時的に崩れた可能性。しばらく休めば治ります。)


その後のRさん

睡眠の問題はすぐには解決できないものです。
原因が複雑であることが多いからです。

Rさんの心配事は、根本的な解決には至っていないようですが、他者と相談することができるようになったことは、大きな一歩だったと考えています。

寝る前の内臓マッサージは、
「脂肪のマッサージだな」
と自虐的に笑っておられましたが、それでも良いですよとお答えしています。
「これをやっていると、余計なことを考えなくていいんだ」
と嬉しいお言葉をいただけました。

日中、ベッドで休んでいることが最近ないと看護師さんが教えてくれました。
少しずつ良い方向へ向かっているのかな?
と思いながらRさんを皆で見守っています。


最後に

まとめです

  • 睡眠は、身体のみならず、脳機能、精神機能などに影響を与える重要なものです。

  • 良い睡眠のために必要なことを紹介しました。

  • Rさんにお願いした内臓メンテナンス方法を紹介させていただきました。


お話は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます

私は文章にするのが苦手ですが、
できるだけ伝えたいことを書いてみました。
もし間違いや不明な点がありましたら、
ぜひコメントやメールで教えてください。
喜んで加筆修正いたします。

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