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脳裏整頓

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脳のアイデアをなんとなく形にしたものをこちらにまとめさせて頂いています。 相変わらず生産性はありません!
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2022年5月の記事一覧

脳裏整頓 小説 vol,08

脳裏整頓 小説 vol,08

約束

やばい、残り時間は20分だ。
それまでに終わらせないと更新が途切れてしまう。
SNSでファンに毎日更新を約束して、今日で4日目。
油断した。
『3日坊主になるだろ、どうせ。』
名前も顔すら知らない、僕なんかをフォローする稀有な50人のうちの1人に言われた。
それが腹立たしくてそれで、昨日までは頑張った。
何してんだ、どうしてちゃんと準備をしていないんだ、昨日の自分。
朝から社会人をして、夜

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脳裏整頓 小説 vol,07

脳裏整頓 小説 vol,07

大きな電波塔の下には

俺は近所の公園の机とベンチがある場所で俺を呼び出した本人を待っている。
今日は日曜日。
とても雨が降っている。
この机とベンチの上に簡易的な屋根がついていて助かったと思いながら、かれこれ10分は待っている。
「ごめん、お待たせ。」
俺を呼び出した張本人 佐藤満が2冊のノートを抱え走ってきた。
「遅いじゃないか。」
満は軽く謝ると、俺の隣に腰掛けた。
「実は普に見てもらいたい

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脳裏整頓 小説 vol,06

脳裏整頓 小説 vol,06

挨拶

「ねえ美樹さ、受験が終わって大学生になったらYouTuberになろうと思うんだけど。」
「え、いいじゃん。 面白そう。」
「でしょでしょ。」
「なに系なの?」
「まだ考えてない。」
「でさ、由美と美里にお願いがあるんだけどさ。」
「私やんないよ。」
「私も。」
「違う違う。」
「じゃあなに?」
「挨拶を考えてほしいんだよね。」
「挨拶?」
「そう、挨拶。 今時挨拶もわかりやすく覚えやすくな

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脳裏整頓 小説 vol,05

脳裏整頓 小説 vol,05

くうき

「ねえ、大海原ちゃんドーナツ半分こしよ。」
「その前に新くんに話があるの。」
「なに?」
「新くんって空気が読めないわよね。」
「どうしたのいきなり。」
「いきなりじゃないわ、日々少しずつ思っていたの。」
「ごめん、全く自覚が無いんだけど。」
「まあ、そうでしょうね。 じゃないとただの最悪な男よ。」
「具体的にどのあたりがそう思ったの。」
「まずさっきのドーナツよ。」
「ドーナツ?」

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脳裏整頓 小説 vol,04

脳裏整頓 小説 vol,04

愛の内側

*こちらは官能小説として書いたものです。暴力的な表現があるため、苦手な方はお控えくださいませ。

「ねえ、澪ちゃんは天気だと何が一番好き?」
「どうしたの俊君。」
「いや別に深い意味はないんだけどさ、ただの会話のきっかけ。」

俺たちは今キャンプに来ている。焚き火もBBQもその後のコーヒーも楽しんだ。
今日のノルマは終わり。
テントの中で寝袋に入ってあの質問をした。

「特に好きな天気

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