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子どもたちに残すなら 裏切りの真理

悩みを抱える若者が、
絶対に知っておくべき裏切りの真理がある。

『噂と嘘』

友達だと思っていたやつに
裏切られたことはないだろうか。

お昼時、噂好きなムギが話し出す。
私ね、さっき見ちゃったの。
ソラは、なぁに?と後ろを振り返った。

さっき、リンちゃんが、
公園でこっそり
赤ちゃんのお菓子を取ろうとしてたよ。
私、びっくりしちゃって、でも声かけられなかった。
いくら赤ちゃんが、何も言えないからって
それはないわよね!
赤ちゃんのもの盗るなんて、どうなの!?

ソラは、へぇ、と言いながら、
目をこする。少し眠い。

ソラくん、全然聞いてない!

ごめんごめん、今日はポカポカしてるから、
ちょっと眠くて。
最近、ちょっと遠くまで出かけていて、
そのへん、知り合いもいないし、
ちょっと緊張して夜眠れなかったんだよ。
勘弁してよ。

でも、私が話してるでしょ!
なんでソラくんは、私の話聞いてくれないの?

ソラは、こいつとは話合わねぇな、
と思いながら、ぐっと背中を伸ばすと、
立ち上がり、のんびりと歩き出した。

それで諦めるかと思ったけど、
ムギは、まだぶつくさ言いながら、ついてくる。

大体、リンちゃんって、気がくわないのよね。
この前も、フク君にピッタリくっついちゃって、
やだやだ。
大体、リンちゃんって、ソラ君と付き合ってるよね?
違うの?

そうだと思ってるけど。
ソラは、少し聞き耳を立てた。

一言で返してきたソラを見て、
ムギは驚いた。
え!あなたそれでいいの!?
何も思わないの?と畳みかける。

その時、ちょうど広場にリンの姿が見えた。
あ!ムギちゃん!ソラくん!
と、嬉しそうな顔でこちらに走ってくる。

ムギは、いそいで、
ソラ君、今の話リンちゃんに言っちゃダメよ。
とささやく。

ソラは、え?どれだ?と思いながら、
よぉ、とリンに声をかけた。

ムギは、まるで親友であるかのようにリンと話をし始めた。

ソラはムギの変わり身の早さに呆れて、
リン、お前、今日公園行ってたか?
と尋ねる。

リンは、公園?と不思議そうにソラを見る。

ムギは、驚いてソラを睨むと、
私、行くから!と怒って、その場を立ち去った。

リンは突然ムギが怒って行ってしまったことに
驚いたが、ソラの話を聞いて、納得する。
薄々気がついてたけど、そんなひどい嘘言ってたんだ。
少し悲しい気持ちになる。

それはそうと、と、ソラが切り出す。
お前、フクと一緒に居ただろ。

リンの顔が真っ青になる。
え、、え、、と言いながら、
これまた、あとずさりしながら、逃げていった。

後に残されたソラは、
ほんと、自分勝手な奴らばっかりだな。
とつぶやいて、
ベランダの上に飛び乗った。

あなたは、ベランダを開けてあげながら、
ソラを捕まえる。
今日はまた汚れたね・・
ソラの大好きなおもちゃも手に取ると、
おもちゃで気をそらしつつ、
お風呂場へと連れて行く。

ソラがはっと気がついた頃には、
風呂場の中にいた。

この世の中、汚ねぇやつばっかりだ!
と言っているうちに、
ソラは、綺麗に洗われた。



残念だが、簡単に人を裏切る人間は、どこにでも居る。
裏切られる経験は、楽しいものではないが、
その痛みを知っている人は、
綺麗な心を育てることができるだろう。
あなた自身が、綺麗な心の持ち主になりますように。
そして、その心を持っている人に囲まれて、
幸せでありますように。

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