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ナニワの錬金術

 先日テレビを観ていたら、なにやら訴えている女性の姿が映っていた。なんでも、大阪のあるところで、ピッカピカに磨いた10円玉を100円で売ってるおじさんがいて、無理やり売りつけられてしまったらしい。

 なんで逃げなかったんだろうね(笑)。露店のおじさんなら座っているから、走って逃げればそれで良かったんじゃないかと思うのだけど。まあ、詳しい状況はわからないから、勝手なことは言えないけどさ。

 そういやもう10年以上前の話だけど、件の「あるところ」界隈で、私も通貨を販売しているおじさんに遭遇したことがある。

 高架下で露店を営んでおられたのだが、壁面いっぱいに1000円札が貼り付けられていた。それだけでも相当驚きの光景なんだけど、そこに佇むおじさんの前に置かれた値札にはこう書かれていた。

1枚 980円


 ・・・いやいや!
 金券ショップちゃうねんから!
 回数券や図書券やあるまいし!

 つーかもう、金券ショップやのぉて、金ショップやがな!

 ・・・閑話休題。


 先述の「10円玉を売りつけられた女性」みたいに声をかけられることはなかったが、あれは一体何だったんだろう、と今でも気になっている。

 でも、当時は、おじさんにそれを尋ねる勇気がなかった。

 いや、今同じ状況に遭遇しても、絶対に声をかけることはできないと思う。

 というか、この事実をこのnoteに書いてしまうことすら、ちょっと憚られたりもする。書いちゃうけど(笑)。

 あれは本当に、一体何だったんだろう。気になって気になって、だけど、最近ようやく涼しくなってきたので、夜は爆睡している。

 1枚980円の夢を見ることもない。

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