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今の仕事を選んだわけ①~発想の転換~

私は35年の間、美容の世界に身を置き
現在は素肌美容のカウンセリングという仕事をしています。

でも元々は美容が好きだったわけではなく
美容の仕事をするとも思っていませんでした

武蔵野美術大学を卒業するときには
3社ほど、東京の企業のデザイン室に教授からの推薦をもらい
どこに入ろうかと決める状況だったのですが
在学中にすでに長女がいた私は
相方の就職先が愛知の企業のデザイン室になってしまったことで

泣く泣く就職を諦め、愛知県に来ることになりました

専業主婦が決定した時点で
子育て期間は短いほうがいいと思い、卒業時には長男を身ごもり
私の専業主婦時代をスタートしました

長男を出産し、しばらくは自分も必死でしたが
ふと、気が付いてみると、これでいいんだろうか
私は社会の役に立っている人間なんだろうか?
友人たちは、東京や各地で、企業のデザイナーになって活躍している
私は何をやっているんだろうと
自暴自棄に近い気持ちになって行きました

そこで、私は大学の教授に手紙を書きました

「私は、皆がデザイナーとして活躍しているのに
毎日がいやでいやで仕方ない
自分は役に立てているのだろうか?
こんな気持ちで子育てをしていていいのだろうか?」

すると、すぐ教授から返事が返ってきました

「よかったじゃないですか
あなたはきっと今もデザイナーを目指しているとおもいます
いや、立派なデザイナーです。
デザインとは困ったをよかったに変えること。
世の中の専業主婦が、なにがいやで何に困っているかが
わかったことは素晴らしい。
我々には逆立ちしても出産、専業主婦という経験はできません
この経験は、大学の研究室に残るよりも
企業のデザイナーになることよりも
あなたにしかできない貴重な経験ですよ
発想の転換です
在学中にあなたが掲げて一緒に研究した、「人生をデザインする」
このテーマをこれからデザイナーとして進めていってください」

この返事を読みながら、涙で万年筆で書いてくださった教授の字が
にじみました

自分は間違っていたなと、自暴自棄になりかけていた自分を恥ずかしく思いました。
「発想の転換」はずっと4年間教授が言い続けてくれて
それを学んできたはずだったのに。

それから一週間もたたないうちに
私のお世話になっているミシンの営業の方に
「今度、うちの会社で美容を扱う事になったんだよね
来てみない?」
と言われ、いわゆるお顔のお手入れの体験チケットを
頂きました

以前なら、「美容なんて興味ないし、そんなお金もないし」と
聞きもしなかったのでしょうが
教授の手紙を読んだ後だったこともあり
世の中の女性が、みんな美容に興味を持っているのはなぜなのか
いったいどんな体験ができるのか確かめてみたくなりました

「いいですよ(^_-)-☆行きます」
と返事をしました

~つづく~





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