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本棚を見られるのは恥ずかしいか


最近、お世話になっている美術の先生と、このようなことを話した。

自分の本棚を人に見られるのは恥ずかしいか。

先生は、自分の心を覗かれているみたいで恥ずかしい、と言った。

同様に、聴いている音楽を知られることも嫌だと言う。

僕は驚いた。
自分の本棚を、人に見せたいタイプの人間だからだ。

僕の本棚には、読んでいることを人に自慢できるような高尚な学術書はほとんどない。

その代わり、今の僕を形作った小説と、趣味であるロックや映画関連の本が沢山詰まっている。

それらは、僕のアイデンティティだ。
それを、人に知ってもらいたい。

SNSのプロフィール欄に、好きな芸能人や趣味について色々書いている人がいるが、心理としてはあれと同じだ。

要は、好きなものを通して自分をアピールしたいのだ。

好きな本は何ですか?と聞かれても、1、2冊をピックアップすることはなかなか難しい。
それならば、本棚全体を見てもらった方が速い。

しかし、読書好きで知られるオードリーの若林さんも、自分の本棚を見られるのは恥ずかしいと言っていた。

もしかすると、そういう人の方が多いのだろうか。

僕は自分の本棚を見られるのと同様に、人の本棚を見せてもらうのも好きだ。

好きな◯◯について、誰かと話すことが好きなんだと思う。

好きな映画、好きなアルコール、好きな異性のタイプ、好きなスポーツチーム…

普段からそんなことばかり人と話している。

そういうことをあまり他人に教えたくない人も結構いるのだろうか。

そうだとしたら、僕は人の心にずかずかと土足で入り込もうとしていたデリカシーのない人間だったのだろうか。

なんだか、そっちの方が恥ずかしくなってきた。

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