見出し画像

影の子

「本当の自分」がわかる心理学

を読み進めています。
一部ネタバレになるかもしれませんが。

この本では、幼少期の親や養育者の接し方によって生まれた『影子』『日向子』が自分の心の中に居ることを意識して、不適切な行動や無邪気な気持ちなどが、どこから発生しているのかを見極め、『大人の自分』が『子どもの自分』をいたわり、導いていくというワークのやり方を解説しています。

アダルトチルドレンのワークでも、インナーチャイルドを癒すという方法があるのですが、私はインナーチャイルドが居ることはわかったものの、それを制する大人の自分が居なくて、インナーチャイルドの恨みつらみが暴走してしまい、余計に酷いことになってしまいました。
卑屈なインナーチャイルドが嫌いだから追い出したい。
一方で、インナーチャイルドの欲求不満がますます大きくなり、世の中全てを恨んでしまえ!というような破壊的な気持ちまで生まれそうになってしまいました。

冒頭に載せた本を読んで、改めて、丁寧な分析なしにインナーチャイルドを認めることはとても危険だし、意味が無いことだとよくわかりました。

この本では、『影子』が生まれた背景や、その気持ちを細かく分析していき、今現在自分が非常に不快に思ったり卑屈に感じたりするのは何故なのだろうか?と影子の気持ちになって考え、大人の目線から影子を慰め励ますことを勧めています。

ー 親から酷い言葉を浴びせられたり、冷たい態度を取られたりしたら、誰だって悲しいし悔しいし、時には「もう生きていけない!」と絶望するよね。あなたの気持ちはよく分かるし、それでも幼い頭で考えて、親から離れないでいられる方法を見つけ出して生き延びてきたんだよね。
本当に偉かったね。よく頑張ったね。
もう大丈夫。あなたは一人で生きられる力があるんだよ。 ー

そんな風に『対話』をするのです。
自分の中に、親や周りの人の温かい接し方で生まれた『日向子』が居れば、その良さをもっと引き出してあげることも効果的なのだということですが、残念ながら私の中には『日向子』が見つかりませんでした。
代わりに、勉強や仕事を頑張って頑張って、他人から褒めてもらうことを期待している『影子』が、生活のモチベーションになっていることがわかったのです。
私はこの『頑張る自分』を『日向子』だと勘違いしていました。そしてこの『影子』のパワーで生きてきたのです。
すると、自分の頑張りが評価されなかったり、無視されたりした時に、途端に自暴自棄になります。良い時は良い関係だと思っていた人に、一転恨みを持ってしまうのです。
それは、良い成績を出してアピールしないと親に振り向いてもらえなかった『幼い私』が生み出した『めいっぱい頑張る影子』のパワーだったわけです。

アダルトチルドレンのワークが失敗したのは、インナーチャイルドというものに、『常に元気が無く、膝を抱えて顔を埋めている暗い子供』という印象を持ってしまったからなのでしょう。
ところが『影子』というのは、私をここまで生かしてきた原動力ですから、実にパワフルで、時に羽目を外すくらいの明るさもある子供でもあったのです。
誰かに振り向いて欲しいという気持ちで、必死になって頑張ってきたのです。
影子のパワーが強すぎて、他人が怪訝な目を向けると、今度はそれに対して憤る。自分勝手で自分本位なワガママ娘。
しかし突然寂しさや悲しさが溢れてくると、何もかも投げ出して引きこもってしまうという、二面性を持った存在だったのです。
影子の『暗い部分』を、パワフルな影子で叱咤激励しようとしていたのですから、それは解決できるわけがありません。
どちらとも問題のある影子どうしで、「お前が悪い!」「いやお前が悪い!」とやり合っていたわけです。
すぐに叱咤激励する癖も、実は親の短絡的な行動から生まれた『影子』の特性だったのです。

この二人の影子をたしなめる『大人の私』は、常に冷静で中庸な立場でなければなりません。
ちょうどタイミング良く、別のところから私の二面生を見抜いてくれた人が居ました。
これまで暗くひきこもりがちな『私』が問題だと思っていたら、パワフルに動き回る『私』こそが問題だと言われたのです。
確かに、やる気に満ちている時は、何でも出来てしまいそうに思いやすいです。
しかしたいてい、その勢いで動いて失敗するのです。
そして失敗を活かそうとするのではなく、『自分はダメだ!』と自分を責める材料にしてしまい、突然引きこもりたくなってしまう。
これまで、そういうことが繰り返されてきたのです。

これまでこのnoteに、失敗してしまった自分への情けなさと、次に活かせない情けなさ。頭でわかっていても成長できない悔しさを書いてきました。その原因に母の冷たい仕打ちがあった。だから私は被害者なのだと悲しんでいることも書きました。
しかし原因分析をして自分に同情する、というところで止まっていました。
ここまで丁寧に分析してきたのなら、次に活かさなくては勿体無い。
でも、ようやく次のステージにステップアップすることが出来ます。

影子というのは、非常に自立した存在ではあるけれど、子どもなので大人のアドバイスを必要とする存在。
影子が生まれた背景は特殊で、なんでそんな行動をするのかを知るには、原因分析が欠かせない。
そのうえで、影子に同情を寄せ、「でももう大丈夫だよ」と慰め、同時に「これからどうしようかな?」と前向きに話し合っていく。
手順だけが分かったとしても、心から納得するには時間が必要!
noteを始めてからの時間があったからこそ、ようやくこの本の真意が心から理解できたんだなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?