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差別について考える① ー コスパの良い人を優遇する社会 ー

※古い太い桜の木の幹から直接花が咲いていました。

奇妙な夢を見ました。
大学の校舎のようなところで、私は階段を降りていました。
途中でトイレに行きたくなったのですが、その階段には、踊り場にトイレが一つずつ設置してあって、男女が交互になっています。
ちょうど降りていた階には男子トイレしか無く、私は女子トイレを探してさらに下に降りました。
すると細長い壁の向こうはドアも無く、便器がはみ出るように設置されています。階段を降りる人からお尻が丸見えです。
これでは使えないと、下に下に降りていくと、事務室の前に広くて綺麗なトイレがありました。中は女子学生がいっぱいいます。
私はその1人に話しかけました。
「階段のところのトイレ、あれでは使えないよね」 
すると女子学生が答えました。
「そうなの。5円であそこを使うのなら、100円でこちらを使ったほうがいいでしょう?」
え?と思って入り口を見ると、女子トイレ100円と書いてあります。
それから階段のほうに戻って見てみると、トイレの上の方に男子トイレ0円、女子トイレ5円と書いてあります。
私はびっくりしたのですが、「女子の方が紙を使うからかな?」とか「水なども多く使うからかな?」などと理由を考えて納得しようとしているところで夢から醒めました。

この夢で気づいたことが、たくさんあります。
単に私がトイレに行きたくなって目覚める前に、見た夢だったはずが、自分でこんなことを感じて日々生きていたのだなと気付かされました。
世の中の不条理とか、なぜ差別が解消されずにもっと酷い方向に向かってしまうのか?とか。

まずトイレの形態です。
細長い壁があって、その向こうに便器があります。壁のどちらからも入れるようになっている。つまり壁で隠せばトイレとして成り立つという構造です。
男性が小の用を出すのなら十分なのです。そして紙も要らず、流す水も少量で済む。
しかし、女性は身体の構造と、危険性から、それではトイレとして成り立たない。
用を足すにはしゃがむ必要がある。(和式便器なので)
紙が必要になる。
そして人の目につくところでお尻を出さなくてはいけない。それはそのまま性被害に遭う危険性を高めることになります。
しかしそれは、女性特有のこだわりだとか、感じ方の違いだとかで済まされない、生まれ持った差異なのです。
トイレの構造にしても、使う資源にしても、男性とは明らかに違う。
『同じ構造のトイレを使う』というのは、『平等社会』『機会均等』という言葉で表されるかもしれません。
平等に機会を与えておいて、それ以上に掛かったコストは掛けた側が負担する。
さらに付加価値を付けたい場合(女性だけが安心して使える広いトイレ)は、自己責任で掛かったコストを支払う。
そもそも男女では身体の作りが違うので、ただ生きているだけでも掛かるコストが違う。
男性は今偶然に男性であるだけで、もしかしたら女性だったかもしれない。
身体は男性だけど心は女性の場合、立って用を足すことに抵抗はないのか?
身体は女性だけど心は男性の場合、立って用を足すことがそもそもできない。紙も必要になる。
さて、これらのことは平等と言えるのでしょうか?
つまりこの学校のトイレは、身体が男性で心も男性の人だけが、無料で、心理的負担もなく使えるようになっており、それ以外の人は、何かしらの負担を負わなくてはいけない仕組みになっているわけです。
これはとても奇妙な夢の話ですが、世の中を見回すと、この夢と似た様な話があちこちにあります。
女性差別だけでなく、逆に男性差別もある。
障害のある人の排除もある。
動作がゆっくりしている高齢者を置いてけぼりにしている構造もある。
頭の回転の速い人がどんどん事を進め、ついていけない人を排除している構造もある。
器用な人が不器用な人を蔑む構図もある。

今の社会は、『お金が足りない』という理由で、夢の中に出てきた『無料男子トイレ』が、どんどん増えていっているように思います。

多くの人が、平等とは一律に同じ構造を作れば良いと勘違いしている。
そもそも社会構造は、さまざまな人に合わせて作り分けるのは不可能なのだけれども、それでも数種類の使い方ができるような構造にするべく努力するべきで、それらの負担は、1億人の社員を抱える国という親方がやるべきなのです。
だって国にお金を出資しているのは、親方ではなく1億人の社員なのですから!!
出資しているのに、さらに生まれ持った違いによって、自費負担しなくてはならないものがあるとは、いったいどういうこと?
明らかに親方の詐欺ですよね?

なんてことを今朝の夢で悟りました。

他にも気づいたことや、差別について日々思っていることを、シリーズで書いていきたいと思います。

つづく

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