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もはや詐欺商法ではないかと疑ってしまう美容業界

今回のかきあつめのテーマは「# 美容」だ。

しまったなー。書きたいことはあるのだが、調査するだけの時間と根気と発信した際の胆力が足りていない。
っというわけで、今回は「僕が美容業界にぼんやりと思っていること」をあまり調査もせずに発信しようと思う。結論からいうと「美容(特に予防美容関連)のメーカーに対して、あまりいい印象を持ち合わせていない」という内容なのだが。

まぁ、指摘・反論は受け付けますので、ありましたらコメント欄にお願いします。(まぁそんなこないんだと思うけどね。)

僕は美容科学があんまり好きでない

先に伝えたいこととしては、美容という考え方・嗜好性自体は好きである。特に化粧については女性・男性関係なく、その人がやりたいとする化粧はすべて肯定されるべきだとも思っている。なので化粧品についてあーだこうだ言うつもりはあまりない。個人がブランドや使用感をもって好きに判断するといいと思う。

僕が苦手意識をもっているのは、スキンケアなどの予防美容といわれる分野である。彼らの中には美容科学と称して市場価格の10倍高い美容液を売っていたりする。僕の疑問は「果たして10倍の値段をとるほど効果が検証されたものなのか?」というところであり、美容業界は全般的にその検証が足りていない印象をもっているのだ。

有効だと証明する際、科学には対照実験が必要である

美容科学に限らず科学の基本的な考え方として、事象の有効性を証明するには対照実験(コントロール実験)が必要となる。簡単に言えば「使用したときと使用しなかったときの差を、統計的な手法を用いて有効性を証明する」といった感じだ。

製薬業界では当たり前の考え方であり、食品関連でも機能の有効性を証明する際には行っている。でははたして、美容業界はどこまでこの対照実験を行っているだろうか。

また、「予防美容」に近い印象で「健康食品」という言葉もあるが、あっちは『特定保健用食品』のように消費者庁が有効性や安全性を審査し、通ったものは大手を振って機能を謳うことができる。では予防美容に同様の審査機関はあるだろうか。

僕の答えは「どちらも否」なのだが、それには美容マーケット特有の理由があると考えている。(ちなみに化粧品の中には厚生労働省が管轄している『医薬部外品』という分類があるが、こちらは後半に記述しよう。)

科学検証をするほどマーケットも大きくなければ、重要でもない

なぜ美容業界が製薬業界のように科学検証を行わないか。なぜ国は特定保健用食品のように機能を審査する制度を美容にまで広げないか。それは「そこまでするほど問題でないから」だ。

極端な例を出すが、抗がん剤の研究などは多くの製薬企業が超絶べらぼうな金額をはたいて研究し、徹底的に効果と安全性を検証する。それは「マーケットがデカい」からであり「人が死ぬ」からである。

また、ざっくりと健康食品とくくられる様々な製品があるなか、食品メーカーはけっこうな研究費と時間をかけて機能を検証し、国はその結果をもとに特定保健用食品と認める。それは過去に健康食品が「社会問題」になり、「健康に被害がでた」からである。

上記と比較すると医薬品と違い、そもそも予防美容は検証が行いづらい背景がわかるだろう。スキンケアを例にしても、何をもって「健康的な肌」とするか。何をもって「改善された」とするか。肌の状態は人それぞれであり、最終的な判断も主観に左右されやすい。

もっと具体的に言えば、怪我や病気は「治る」という分かりやすい事象で判断でき、医薬品として効果を示せるが、美容液を塗った場合とそうでない場合の検証を、どれだけ科学的に行っているかということである。

もちろん、徹底的に研究を行っているメーカーもある

ここまで書いておいてだが、研究面で僕が好きな化粧品メーカーも存在する。有名な例として、顔の片面に13年間リンクルショットを塗り続けているPOLAの研究員の話などは、全くもって否定される話でないと考えている。彼は自身をもってして対照実験を行い、使用あり・なしの有効性を証明しようとしているのだ。研究者の姿勢としてこれ以上脱帽する話はないし、POLAの研究力の底力を強く感じている。

だが、しかし。僕は「効果を証明するには、まだ足りていない」と考えている。POLAの研究も結局は1サンプルなのだ。
未来の話になるのかもしれないが、どうせならiPS細胞を使ってヒトの肌を形成し、条件を揃えて多サンプルで検証を行うのだ。そこまでやって初めて「美容液としての機能」を謳えるのではないだろうか。

それこそ科学的に正しく検証し、明確な効果が見いだされるのであるならば、医薬品と同じような扱いで製品を売り出すことができるかもしれない。POLAにはそこまでやる企業力があると思っている。

そして、医薬部外品に感じていること

この部分も個人的に思っていることなので、門外漢の僕がここまで言うのもちょっとやだなーというところだが、まぁそのつもりで聞いてもらいたい。

POLAのリンクルショットを含めて、これまで「効果を謳う化粧品」として書いてきたものは、分類的に『医薬部外品』という「厚生労働省が効果をみとめた有効成分を一定量含有させることで、効果を謳えることができる」というものである。

人によっては(というか一般的には)、「国が認めているならいいじゃーん」という感覚かもしれないが、僕が意見を言いたいのは「いやいゃ、建付けはそれでOKなのかもしれないが、効果を謳うなら本来は検証する必要があるのではないか」というところである。そして、大きな化粧品会社であっても、自社製品を用いて有効性を正しく検証できているところは少ないと思っているのである。

国が認めた有効成分をテキトーにまぜまぜして、ちょろっと安全性を検証した程度の製品が「医薬部外品」として効果を謳えるっていうのって、なんだかずるくないー? 
こんなことを言ったらいろんなところから怒られそうだが、製薬とかと比較すると治験が足りていない気がするよなぁ、なんて。まぁそう思っているのである。

あと、「自然由来」にどれだけ意味があるのか。

これは書いていて追加で書きたくなった内容だが、「自然由来」にどれだけ意味があるかどうか、こちらも個人的に疑問である。

化学成分を「混ぜ物」といった感覚で忌み嫌う人がいるが、万物のすべての素材はいってしまえば化学成分から複合的にできている。そして、人工的に精製された化学成分は中身が明確なのに対し、自然物は成分が複雑なので、ロットに左右されるという意味でもむしろ中身が正しく把握できていないことが多い。

「自然由来」のメリットといえば「長い歴史の中で、その安全性が保障されている」といったところぐらいで、自然由来=効果があることが証明されていると考えるのは誤りである。

で、この性質はもとより健康食品や美容に都合がいいのでよく利用される。食品メーカーも美容メーカーも最悪なのは「健康被害」なので、それが回避でき、且つ、印象のよい単語として「自然由来」を用いることが多いのだ。

【結論】僕が苦手なのは「雑な商売をしているメーカー」である

といったところで、結論に入っていく。

今回、僕が問題を提唱したいのは「たいして研究・検証もしていないメーカーが、ブランドとデザインだけでうまいことゴマカし、市場価格の10倍近い金額をとる商売が嫌いなんだけど、皆さんはどう考えている?」だ。

  • A製品とB製品、似たような成分に対して価格差があるのは適切か。

  • 効果は科学的に検証された「意味のある」ものなのか。

  • 「自然由来」というだけで機能と価格を吊り上げてないか。

  • ロゴやボトルのデザインは機能に差をもたらすものではない。

『適切な商品を、適切な価格で売る。それが正しい商売である。』
以前食品メーカーに勤めていた際に、よく聞いていた言葉であり、僕が常に意識していることだ。

デザインだけ変えて、チョロい商売やっていないか? 検証もできていないのに、それっぽいことを書いていないか? 不安を煽って金額を吊り上げようとしていないか?

個人的に、予防美容業界にはよく散見されると思い、ここまで書いてみた。さぁいかがでしょう。あなたの意見を聞いてみたいですー。


記事:アカ ヨシロウ
編集:otaki
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