価値観の変容〜白黒の世界からカラフルな世界へ〜
はじめに
はじめまして、株式会社アカツキ人事部の石川諒太です。
今年の6月1日にアカツキに仲間入りし、半年がたった今、僕の現在地をお届けできたらと思います。
僕はきっと2023年を忘れることはないでしょう。
新卒からとてもお世話になった企業を卒業し、エンタメ業界に飛び込んだことで、以前からもっていた仮説が確信に変わり価値観が大きく変容した年でした。さらには、27歳にしてようやく人生をかけて成し遂げたいテーマが見つかりました。
そこで今回、価値観変容に至るまでの葛藤や気づきに触れながら、今後についてお話ししていきます。
幼い頃からの葛藤
幼い頃から得意なことが1つありました。
それは、他人の期待に応えること。両親や先生、友人が喜ぶことや理想とすることを実現するためになんの抵抗もなく努力ができました。
その時点で多少身の丈に合わないことでも、とにかく時間を投下することで解決しました。
例えば、テストで100点をとるために連日徹夜を続けたり、サッカーで先輩がした良いプレーをずっと反復したり、できないことに向き合うと頭から離れないくらいそればかり考え続けたりと時間を武器になんでも完璧な自分を追い求めました。
今振り返ると、途中からは誰からの期待がなくても自分の中で「あらゆる分野に優れた理想の虚像」を相手にずっと全力で挑み続ける生活をしていたように思います。時間投下という武器が自分を休めなくし、一定の出力はだせるがやる気がでないという状態がまさに高校時代。
自分の得意不得意や願望希望など、物事で結果を出すには当たり前に表面化してないといけない要素に意識が向かず、当然のごとく曖昧な進路選択をしてしまいました。
しかし、すこし風向きが変わったのは、大学の何かのテーマを専攻するという強制的になにかに絞る仕組みと研究やアルバイトで多くの社会人と出会うことで人生の進路を複数知る機会に出会った時です。
動機に基づく大きな意思決定をしたことがなかった僕が「マーケティングをやってみたい」「〇〇ゼミに必ず入りたい」と友人にはっきりと伝えられた時は何かを破った感覚がありました。また、アルバイト先でなぜその企業に就職したかを熱量もって話してくれる先輩から「やりたい」を優先する職業選択があることを学びました。
そんな経験を経て、大学生活後半は自分が熱量高く取り組めることを中心に過ごすことができ、就職活動においても最も心が躍った企業を選択します。
自分の価値観に固執した若手時代
ようやく動機に基づく意思決定に慣れ始めたころに社会人になり、お客様に対して意志ある提案ができたり、想いに全力乗っかることでビジネスチャンスが広がったりと、素晴らしい経験をすることができました。
どんなにハードな要望がきても、お客様の未来がよくなるためならと頑張れるんだ。次はもっといい提案を持っていって喜んでもらうんだ。自然と意志を明確に周りに示せるようになっていました。
一方で、自信がつくにつれて、自分が正しいと思うことを推し進める姿勢が強くでてしまい、仲間を置き去りにしたり、社内で失礼な発言をしてしまうことが増えました。自分の価値観が形成されたと同時に、それ以外を認めなくなってしまっていたのです。
当時はまったくそのことに気づかずに、何度も諸先輩方とぶつかりました。ただ、職種も経験も違う若手の言葉に腹は立っていたと思いますが、お客様への想いを汲んでぐっと我慢してくれていたのだと思います。
「前工程はお客様、後工程は神様」という言葉を反芻していたつもりでしたが、後工程のメンバーを自分の武器である「時間の投下」の世界に巻き込み、ないがしろにしてしまっていました。また、次第に自分自身もやりきれない葛藤を抱えながら、頼るところが自分の価値観だけの状態でひたすら突き進んでいました。
転機となった新たな挑戦
この課題を解決しきれずの状態でしたが、幸運なことに新たな挑戦の機会をいただきました。結果としてこの機会がまたの転機となりました。
地方拠点の立ち上げ責任者です。その拠点では学生インターン生を中心とした採用、組織開発がミッションでした。
想いを伝えて0から拠点を形作っていくことが必要だったため、自分自身の想いを整理する機会でもあり、メンバーの想いを汲み取る場でもありました。様々な採用候補者の方と面談させていただきながら、都度組織ビジョンをブラッシュアップする過程はとても貴重でした。
そして、1人目のメンバーを採用できたときや入ってきたメンバーが仕事で活躍する様子には、この上なく感動しましたし、想いが重なってうまくいっているように感じました。加えて、以前の課題が昇華されたようにも思っていました。
そんなある日、上司から呼び出され聞かされたのは「あるメンバーが石川の言動に対してとても不快に思っている」というものでした。具体的に誰がどんな言動で傷ついたのかを聞いていくなかで、いつもの価値観をもとになんの悪気もなく発言していたことがメンバーを幾度と落ち込ませていたことを知りました。
その時に初めて、価値観というものの正体に気づきました。
それまでは仕事だから当たり前であるというのが自分の柱でした。
会社に所属する以上はそれが正しいとまで思っていました。
しかし、学生メンバーは日々大事にしていることが変容します。学業の時もあれば、友人との旅行であるときもあります。この指摘によって様々な価値観があるなかで組織が成立していることを自覚しました。
また、それは学生メンバーだけでなく、会社の仲間すべてに言えることでした。
仕事の定義なんて人それぞれだし、ライフステージによっても変わる。
そんなことに当たり前のことに初めて気づいた時、なにかに殴られたような思いを抱きました。自分に100%非があり、変わらざるえないと気づくには十分でした。
その日から世の中にはありとあらゆる価値観があり、それぞれの幸せがあるからこそ仕事に向き合えるんだ、という前提仮説ができ、とても働くのが楽しくなりました。その日の気分や感情をアウトプットしあいながら支え合うことを当たり前にすることで、大きな壁を乗り越えられるようになったと思います。
だからこそ、一度リセットして、ありのままの自分で多様な価値観がある舞台へ飛び込んでみようと思うようになり、エンタメ業界への転職に踏み切りました。
世界はいろんな色にあふれていた
アカツキに仲間入りして半年、僕がもっていた前提仮説は確信に変わりました。
オフィスで目に飛び込んでくるのは、趣味について熱弁したり、休日に没頭するメンバーや、ゲームに人生が変わるきっかけをもらったから恩返しをするんだと語るメンバーの姿です。
みんな目を輝かせて語りながら、スッと仕事モードに戻り一生懸命働いています。それぞれ違うものですが、好きなものが原動力になり、結果としてお客様に喜ばれることにつながっています。
ありのままでいいんだと本当に笑ってしまいたくなるくらい素敵な環境です。
白か黒かでしか見てこなかった世界が、こんなにもいろんな色で溢れていたんだと。
そして、人生のテーマにも出会いました。
あらゆる価値観を前提とした「豊かさの拡張×ビジネス」としました。
これまでの経験を踏まえて、「豊かさ」という言葉の定義が変わったと考えたからです。
「豊かさ」という言葉の認識あわせをさせてください。
「豊かさ」という言葉はよく英語でRiches, Wealthなどと訳され、富に通ずるが故に、相対的な状態を意味する言葉のイメージが強い気がします。しかし、今はfullnessなどのように、充足に通ずる絶対的な状態を意味する言葉として捉えています。
価値観の変容によってこの転換がおき、エネルギーの源泉ががらっと変わりました。
前者の解釈をしていた時は、他人と自分を比べた際の「欠乏」がエネルギーの源泉になっており、どんなにフルパワーで頑張っていても無意識に目標が高まりつづけて成長実感も幸福感も感じることができてませんでした。過去を振り返った時にようやくほんのり感じる程度です。
一方で、後者の解釈となってからは「今」の自分に着目できるようになり、「可能性」がエネルギーの源泉になりました。「せねばならない、あらねばならない」から「今自分がもっているものはなんだ、どんなことで仲間や会社や世の中に貢献できるのか」という思考に自然と変わり、ありのままの自分で過ごせるようになった思います。
蛇足ですが、ワンピースでジンベエがルフィに向かって「お前にまだ残っておるものは何じゃ!!!」と問い、目線を変えさせたシーンを読んだ際にも重なるものがありました。漫画は人生の教材になるなぁと改めて感じる今日この頃です。
さて、「豊かさの拡張×ビジネス」についてまとめていきます。
「豊かさの拡張」とは、自分の可能性(今もっているもの)に耳を傾け、それをエネルギー源として瞬間瞬間を楽しめる人が一人でも多くいて欲しいという願いそのものです。
人生は一世紀ほど、振り返って楽しむだけには短く、今この瞬間を大切する素晴らしさを皆が感じ、ポテンシャルを発揮している状態が理想だと考えます。
そのため、年齢国籍問わず一人でも多くの人が「豊か」であるためにビジネスの力を用いて挑戦しようと思っています。
さいごに
アカツキには人事職としてやってきました。
様々な価値観を前提に、組織が成し遂げたいことに向けて、仲間と向き合っていくことが使命だと思っています。
自分で言いつつ、それではちょっと堅すぎるので、様々なライフステージにいる仲間が一人でも多く笑顔で働けるように、この組織にいたいなと思うように、ありのままの僕が全力で取り組みます、くらいにしておきます。
これまで様々な機会や気づきを与えてくださった方々に感謝しています。
そして、今一緒に働いている方々、これから出会う方、よろしくお願いします。