役割/分野に固執せず良いサービスを作る - nerd0geek1さん
エンジニアの生き様についてのインタビュー記事を載せていくマガジン、エンジニアの「歩き方」の第一弾です!今回はiOSエンジニア繋がりで知り合った(Facebook見たらそろそろ4年くらいの付き合いだった)、@nerd0geek1さんにお話を伺いました。ちょっと端折ってるものの1時間インタビューしたので長いですがお付き合いください。
インタビュー日:2020年1月18日
プロフィール
@nerd0geek1 / 田畑浩平 / 32歳 / 男性
現状
・音楽系ベンチャー企業→スタートアップ→スタートアップ→フリーランスと小さいところでiOSアプリを開発してきたiOSエンジニア
・個人アプリ開発とかもけっこうやってる人。社会人になった2012年から3本のアプリをリリース、累計ダウンロード数85万ちょっと。
広告収入でも300-400万くらい稼いでた。
・本業では、スタートアップ企業のiOSアプリの立ち上げお手伝いをやってる。
やりたいこと
・プロダクトで人を幸せにするために必要なことならなんでも。
・根っこが個人開発者なので、デザイン、マーケティング、サーバサイドとかやっていきたい。
・今までは1分野特化型(1分野で一人前になるために。)今年からはプロダクトのためになることなら、なんでもやる。
経歴
ーーまずは経済学部からエンジニアに興味を持ったきっかけを教えてください。
経済学部とは言っても高校は理系で、文転して経済学部に入りました。VBAで株売買のシミュレーションを組んだのをきっかけに、プログラミング楽しいって思うようになりました。
ーーとはいえそこから実際職にするかどうかは別では?
1回金融系で就活してみたんですが、つまんなさそうで。あとは楽しいかどうかとその分野での競争に勝てるかどうかが重要でした。
半年間休学しつつプログラミングのバイトしてた時に「あ、これ勝てそうだな」という感覚はありました。
ーーすごい…。ちなみに文系のベースがあるわけですが、それゆえに苦労したことはないですか?
特にないですね。経済学部はプログラミングこそしないけど半分理系みたいなもので、数学はよくやってましたし。
ーーなるほど。会社はわりと規模が小さめのところを選んでる気がしますが、その理由って何ですか?
当時はホリエモンとかが話題になっていたときで、「会社作ってみたい / けどすぐ立ち上げるのはハードル高い / 大企業にいると"ぬるま湯"に浸かってしまいそう」などが理由ですね。
ーーということはこれから会社立ち上げる可能性があるってことですか?
税金とか大人の事情で作ることもあるかもね、っていうくらいですね。
「これがやりたい!だから会社を立ち上げたい!」というわけではないので、やるとしても小さく始めると思います。特にアプリは小さく始めやすいので。
仕事
ーー今までどんな仕事をしてきたのかざっくり教えてください。
最初のうちは受託の会社でiOSアプリの新規/既存開発をしたり、CI環境を構築したりしてました。
ーー田畑さんはプログラミングというよりサービス開発がしたい人の印象を受けるんですが、受託の仕事嫌ではなかったんですか?
まあ会社で受託をやって、家では個人アプリの開発はやってましたからね。大学最後の1年は内定先でインターンしつつ個人アプリ開発をしてて、新卒の年の5月にはリリースしてました。
確かにサービス開発が好きなんだけど一定スキルは持ってないと話にならないから、ある程度鍛えてからサービス開発に本腰を入れようという戦略でした。
個人開発
ーーアプリマーケティング研究所の記事でも紹介されていますが、簡単にアプリの概要を教えてください。
quick zip plusというZipファイルを解凍するアプリです。SHIFT-JISに対応しているので、Windowsから来たファイルでも文字化けしないのが特徴です。
ーー「自分が欲しかったから」という理由で開発を始めてると思うんですが、その理由だったら自分の端末だけビルドすれば済むには済むじゃないですか。リリース、運用までやろうと思った理由はなんですか?
その発想はなかったですね笑。まあ一定までの労力だったらローカルビルドでもいいかなと思いますが、わりと時間をかけたのでそのコストを回収したかったというのはあります。それに、出した当初はそんなに深く考えてなかったです。ダウンロードされるようになってからリファクタのためにフルリプレイスしたりしてますし。
働き方
ーー去年の12月からフリーランスになったわけですが、その理由を教えてください。
一番は「作りたいものと会社の方向性がズレてきた」というところですかね。
ーー「時間の使い方を自由にしたい」みたいなことも書いてましたよね。
そうですね。時間とかお金とか自由にしたいなと。
ーーフリーランスになることに不安はなかったですか?
なかったですね。元々今までの経験から引き合いがあることが多かったり、税金はfreee使っておけばなんとかなるし。確定申告も受験勉強みたいに答えがあるわけだし。
ーー会社員に戻ることはないんですか?
なくはないかなーというくらいですね。
ーー私個人としては社員の方が上流から主体的にサービスを育てていける気がしているんですが、そこらへん不自由ないですか?
今まで関わってきた現場はそこに不自由は感じなかったですね。「それってユーザは嬉しいの?」と思うことがあればガンガン言えてましたし、上流から口出してましたし。
「自分の人生をかけてもいい」と思えるくらいの会社があれば社員として入るかもしれないですが。
ーーなるほど、田畑さんを社員に誘おうと思ったらそれくらい魅力のあるサービスを作らないといけないわけですね。
笑。スタートアップで、シニアエンジニアが入ってくるまでのつなぎの業務委託だったらお待ちしてます。
ーー話変わりまして。リモートワークし慣れてると思うんですが、東京の仕事取りつつ地方で働いて余裕のある生活、とかしないんですか?
地方移住の計画はないですね。妻が千葉出身なので地方に行きたくない、車の免許とか地方で暮らす準備が整ってない、別に自然が好きなわけでもないなどが理由です。固定案件があるんだったら地方でも悪くないかなとは思いますが。
あとは最近勉強会行ってないけど、東京は密度が高くて何かに出会える頻度が多いというメリットがあると思ってます。
副業
ーー副業を始めたのはいつ頃ですか?
がっつり副業始めたのはここ1年くらいです。それまではずっと個人開発やってたので。
ーー直近の副業って短期のものでしたっけ?
5ヶ月くらいですね。月60-80時間とか、求められるコミット量が多かったので途中から他の人に託しましたが。
ーー最初の副業はどうやって取ってきたんですか?
「PC買ったからお金がない!誰か副業紹介して!」ってTwitterで言ったら以前の職場の同僚が紹介してくれました。
ーー副業を選ぶ時の基準は何ですか?私は今本業でAndroidやっているので、副業でiOSをやって忘れないようにしようかな、みたいなこと思ってますが。
特にないですね。言うとしたら、お金が良くて、ビジネスが勝てそうか。勝てないビジネスに参加しても先につながらず意味がないので。もしくは新しい分野の立ち上げですね。
ーー新規立ち上げ案件の、最初の技術的な環境整備が好きでやってるんだと思ってました。
ああ、それは好きというより新規の方が高く取れるから笑。新規立ち上げって技術基盤チームなんていないから全部やることになるんですよ。自分はSwiftだけに特化しているわけではないので、SwiftコーディングだけでなくCI構築などもやって、その分も価値として感じてもらえてます。
ーーその幅広い知識はどこで身に付けたんですか?
楽がしたいという理由でCIやってたりしたら、ですかね。あとは個人開発やってると新規立ち上げとの親和性が高くていろいろ応用できてます。自分のGitHubリポジトリにCircle CIのテンプレートを上げておいて、それを新規案件で使うとか。
エンジニア的キャリア戦略
ーーiOS以外の勉強って何かやってます?
デザインの勉強はやってました。Sketchでアイコン作ったり、Udemy見て学んだり。
ーー「幅広くやっていきたい」とnoteに書いていたと思うんですが、その中でFlutterをやろうと思った理由は何ですか?
あまり積極的にやろうとしているわけではないです。iOSが廃れた時の一つの選択肢というイメージ。自分のキャリアと照らし合わせて、比較的コスト高くなく、かつ悪くなさそうな技術分野だと思ったからですね。
ーーエンジニアとして生き残っていく上で身に付けておきたい技術はあります?
特にないですね。自分は エンジニア:プロデューサー = 6 : 4 のようなイメージで、よろしく作ってくれる人がいるならその人に任せるし。
ーーということはもし優秀なエンジニアと一緒のチームになったら自分は開発しなくなるんですか?
その人より自分の方がサービスを作る側が得意だったらそうなりますね。適所適材ってことで。
ーー自分の作りたいサービスが作れれば役割にこだわりはないんですね。
ないですね。
ーーちょっと関連して、noteで「サバティカルをしてみたい」と書いていたと思うんですが、具体的にどんなこと考えてます?
11ヶ月働いて1ヶ月休むような形態で、技術を横に広げるとか、心理学 / 行動経済学を学ぶとかしてみたいと思ってます。自分は並列学習が苦手なので、働きながら学ぶより休み期間を取ってしまった方がいいと思って。
ーーもう具体的に休む期間の計画立ててるんですか?
立ててないです。仕事が途切れたら。
ーーゆうて仕事が途切れないんじゃないですか?
おいやめろ笑。途切れさせる、頑張る。
ーーでもそういう働き方いいですよね。私この前転職を機に2週間くらいニートしてましたけど、息抜きできたしAndroidの勉強に打ち込めたし。
いいですね。期間をぎゅっと詰めた方が記憶が薄れないうちに新しい知識を取り入れられて、「ああ、前やったことってこうゆうことなんだ」って繋がってくるし。
その他
ーー本業やったり、副業やったり、個人開発やったり、料理作ったりしてて、どうやって時間を作って生きてるのか不思議です。
特に何か工夫をしてるつもりはないです。物理出社してなかったり、趣味が限定的だったり、食事時間が短かったりするからですかね。
ーーとはいえ普通に生活してたら普通に時間足りなくないですか?
逆に何に時間使ってるのか知りたい。
ーーえー、ゴロゴロしてないんですか?
してますよ。1,2時間くらい。でも強迫観念というか、「無駄じゃん」「もったいない」という気持ちがあるのでそんなに長くないですが。あ、夫婦の時間は短すぎたなと反省してます笑。
ーーぜひ夫婦の時間取ってください笑。ではこのへんで終わりにしたいと思います。ありがとうございました!
インタビュー後記
経済学部出身らしい(?)合理的な判断が聞けたり、プログラミングに固執せず良いサービスを作っていきたいという思いを聞くことができ、いい対談だったなと思いました。
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前回の「マガジン始めます!」記事から時間が経ってしまい申し訳ないです!福岡への勉強会遠征があったりしてなかなか時間が取れず。
ひとまず1記事目を書いてみましたがどうでしたか?何か得られるものはあったでしょうか?「この部分がなるほどと思った」「もっとこうしたら読みやすい」などの感想やご意見、ぜひTwitterに流してください。
次回予告
次回はTECH PLAY女子部のLT大会でお会いした@EihireJapanさんです。
【これまで】
・大学は日本文学専攻。20まで役者志望でした。
・大学4年の時に、完全未経験でエンジニアがCTO1人の会社でインターン→入社
・エンジニアになった理由は、『ビジネスサイドに関わらなくていいから』
・ハイヒールとデパコスと服を買い漁る日々
【これから】
・カスタマーサクセスを極めたい
・仕組みを作ってお客さんをワクワクさせたい
・仲間がほしい
・学びを良質なものに消化する能力を高めたい
・やはりハイヒールとデパコスと服を買い漁りたい
ということでマシュマロで「聞いてほしいこと」を募集します。気軽に投げてください。
インタビュイー募集
前回の記事でインタビュイーを募集したところ、20件を超える自薦他薦をいただきました!ありがとうございます!「1年くらいインタビュイーに困らないのでは??」と思いました😇更新頻度頑張ります😂
こんなかんじなので応募してもらってもいつインタビューできるか不明なんですが、一応随時インタビュイー募集してます。こちらも気軽に応募してください。
サポートの扱い
サポートをいただいたら私とインタビュイーで半々に分けようと思います。Kyashとかでほいと渡すかんじ。便利な時代だ。
最後に
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おわり。
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