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【麒麟がくるレビュー・2軍】その29 「摂津晴門の計略」と帰蝶

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』のゆるいドラマレビューを続けている我々2軍。

メンバーは、82歳のじーちゃん、スペイン在住で12歳のエル、金持ちのくせに穴の空いた服を着ているスペイン女のタマラの3人+私だ。

ご覧ください。独自の視点かナニかでナニをナニします。

■タマラの「戦国武将 お顔拝見2 織田信長」

今日は早速タマラに織田信長の印象について尋ねてみよう。

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信長の写真をしばらく眺めたタマラは、やがて顔を上げてひとこと言った。


「グッド(Good)」


え。


それだけ?



「それ以上のコメントないの?」
私が尋ねると、タマラが菩薩のような微笑みをたたえながらこう言った。

「彼は全てに満たされていて良い感じよ。さすが主人公ね

うーん、満たされた人ではあるけど。


「タマラ、ドラマの主人公はミツヒデだよ。ノブナガは違うんだよ?」

するとタマラは、首を横に振りながらこう言ったのだ。

「主人公よ。ノブナガはこの時代の日本の主人公だったのよ」


ひいいー。

おみそれしました、タマラ。

あんたは、眼力がスゴイのか、取り繕うのがスゴイのかどっちかだわ

どちらにしろ、スゴイ。

■じーちゃんとエルの会話

日本に住むじーちゃんは、スペインにいるエルやエルのお姉ちゃんに会いたくてたまらない。
コロナのせいで夏に日本で会うこともできなかった。

「わし、つまらんかった」

とは本人の弁。

子供たちに芋掘りさせようと芋を育てても、掘ってくれる子供がいない。
庭の梨の木につく毛虫を毎日取り除いて世話しても、熟れた果実をエルたちに食べさせることもできない。

最近は自分の部屋の障子の格子1つ1つに、1枚ずつ孫たちの写真を差し込んで、20枚も飾っているというではないか。

そんなじーちゃんとエルが電話で話をした。

日常のこと、じーちゃんの体調のことなどのおしゃべりがひと段落したあと、エルが尋ねた。

「じーちゃん『麒麟』観てる?」

不意打ちの鋭い問いに、たじたじしながら弱々しげに答えるじーちゃん。

「観るのは観とるよ。でも、じーちゃんはすぐ何でも忘れるからのぅ」

エル「メモを取ったらいいと思うよ。忘れないように」

じーちゃん「そうやな。わしはメモも取るようにしとるよ」

エル「一緒に頑張ろうね」

じーちゃん「うん」

なんともけなげな会話が進行していたのであった。

■めずらしく、帰蝶が出てきたのう

弱々しくエルと喋った後、じーちゃんによる第29話の感想のひと言目は意外と厳しかった。

「今回は、話題になることがないのう」

摂津も光秀を出し抜くほどたいしたワルでもない。ワイロをもろとるだけじゃ」

ふんふん。私もそれには同感。

「駒ちゃんはどうだった?」
私がそう尋ねると、じーちゃんは嬉しそうに言った。

「ありゃ、とんでもないビジネスウーマンじゃ。秀吉が信長の家来になって出世したいうても、孤児の駒ちゃんが将軍のスポンサーになるほうがよっぽどの出世じゃのう」

将軍が構想する悲田院建設計画にお金をつぎ込もうとする駒ちゃんの躍進。それがいかに荒唐無稽かというのがじーちゃんにだってわかるのだ。

「それにしても、めずらしく帰蝶が出てきたのう。ははは」

調子に乗ってそんなことをいうじーちゃんだが、それは彼の勘違い。
じーちゃんが彼女を観たのは、本編のあとの次回予告編だよ!

少し前の記憶は、直近の記憶に塗り替えられてしまうから、じーちゃんへのインタビューは難しいのよ。

■せっつー!!

今、エルは信長がどんどん傲慢になってきて、寺社や他大名からの献物をかき集める(二条城築城という名目があるけれどね)ことで多くの人々から怨みを買うことを心配している。

「今はみんな言うこと聞いてるけど、いつか信長をアタックするんじゃないかなぁ」

その通り。
力を増していく信長を危険視する大名たちによって、のちに信長包囲網が構築されていくことになる。

エルは強烈な存在感のある信長が好き。
だからすぐに死んでは困ると心配しているのである。
大丈夫。1582年までは。

やっぱエルは子供だから、マンガみたいにわかりやすい「濃い」キャラがお好みだ。
信長以外に、キャラが立ってる役柄なのが秀吉(ドラマ内ではまだ木下藤吉郎と呼ばれている)。そして、ズルイ幕臣・摂津晴門である。

「摂津はね、『(悪事について)やってない』って言うんだけど、その言い方が絶対にやってる人の言い方なんだよ。もうバレちゃってるよ。笑」

で、エルにドラマで今一番好きなキャラはどれかと聞くと、

「せっつ-!」

だそうだ。

母も同じく。