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【麒麟がくるレビュー・2軍】その36 「訣別」やだぁ。

これは、私の単なる思いつきでNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の感想ぽいこと書いている2軍レビューである。
日本史知識がほぼゼロの以下3名の言ったことをまとめて記事にしている。

・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳になる息子・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・ビジネスウーマン・タマラ(スペイン人。マドリッド在住)

ドラマの正しい評価をしたい方には何ら役には立たないと思う。

とりあえず、今回もいくか。

■タマラの「麒麟がくる お顔拝見9 筒井順慶」

タマラは最近お疲れ気味だ。
仕事が忙しいらしい。
スペインではコロナで商売あがったりの人も大勢いる中、商売繁盛はいいことだ、もっと働いとけ。

そういうわけで、儲かってるタマラの奢りのコーヒーを飲みながら、1個のマフィンをスプーンでえぐり取りながらシェアする私たち。
この店のマフィンがこんなに美味いとは知らなかった。

さて、お仕事だ。

じゃーん。

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今回は筒井順慶の人相を見てもらうことにした。

タマラは、順慶の服装が僧侶のものであることを私に確認した上でこう言った。

「この人は、本当のお坊さんではないわ。とっても悪くてズルいヤツになりうる人よ

ギョギョッ。

さかなクンじゃないけど。
(スペインに住んでいるのにこういう余計な知識はある私)

もしかして、洞ヶ峠(ほらがとうげ)のアレ?

日和見(ひよりみ)するっていうアレ?

サイテーのやつじゃん!

(*「洞ヶ峠の日和見」とは、本能寺の変後に明智光秀と羽柴秀吉が激突した山崎の戦いで、順慶は光秀と秀吉の両者から加勢を依頼されたが、洞ヶ峠まで兵を進めたままどっちの軍が有利かを見るために日和ったという伝説のことだ)

やっぱりズルいやつだったのか、筒井順慶めー。

そゆこと? タマラ?

「でも基本はとても忠誠心にあふれる誠実な人物よ」

え-、それじゃハナシが違うじゃん。

「そして、明るい未来を進んで天寿を全うするのよ」

なんと!?

順慶はその後秀吉の家臣になるけど、病気のために36歳の若さで死んでしまうんですけど。

「うそやん! 順慶は若死にするよ!」

思わず口にした私。

するとタマラは薄く微笑みながらこう抜かしたのである。

「それが彼の天寿だったのよ。それを精一杯太く生きたの」

彼女は、まだ2/3くらい残っているマフィンの残り全部を私に食べろ、と勧めた。

ん? 彼女は私を懐柔しようとしている?

つまりこれは・・・賄賂か。

私はそっとその超おいしいマフィンに手を伸ばした。

■日和見将軍義昭

さて、こちらも「日和見」が話題である。

82歳のじーちゃんは半笑いで言う。

将軍義昭は、その時その時助けてくれた人のところへポッと行く。えらい変わってしもうたな。ありゃ、日和見将軍じゃ。
最初は織田信長、そして朝倉義景に頼り、今度は武田信玄じゃ!
男のくせに助けてくれる人があったら、見境なく頼ってばっかりじゃ!

でも、それを言う彼は、目薬が怖くて自分で入れられず、ばーちゃんを頼る男である。

毎回ギュッと目を閉じながらばーちゃんに「(目薬)差してくれ・・・」とにじり寄る。

「そんなに固く目をつぶったら、(目薬は)入らんわ!」と妻に叱られながらもお願いするしかない82歳の夫。

そんなじーちゃんなのに、将軍にはかなり上から目線。
私がそれを指摘すると開き直った彼は・・・。

そっちは別腹じゃ。

日本語おかしくないか?

彼はそれでも将軍義昭を演じる滝藤賢一の演技力を買っており、大好きなんだそうだ。

■大河ドラマを見流すだけ。スピードラーニングなら、歴史用語もペラペラ!


光秀はさぁ、公方様とは考え方が合わないからさ、幕府を出てついに信長軍に入るわけよ。まぁ、光秀は鳥だよ、鳥。自由なんだよ。公方様だけじゃなくて御所で鳥って言ってたよね。これで光秀も信長家臣だなぁ。
武田・・・あの横だけヘアーがある変な頭の・・・(信玄)は上洛してくるつもりなの? 信長はかなりキケンだよね。ま、本能寺の変まで死なないのは知ってるけどさ。

私は耳を疑った。

あんた誰?

エルの着ぐるみを着た何者だ?

特に教えてもないのに、スラスラ歴史用語を話すマドリッド在住の12歳少年。

一体いつの間にそんな単語覚えたの?

いくら我が家が上流家庭だとは言っても、普段の会話に「公方樣」も「帝」も「御所」も登場しない。

「家臣」もおらんし、京都旅行を「上洛」とは呼ばず、「本能寺の変」もカレンダーの予定に記入してはいない。

週に一度の『麒麟がくる』を視聴しているだけ。

ただ見流しているだけなのに。

え? オレ? そりゃ、ちゃんとドラマ見ていたらわかるよ、それくらい。オレ頑張ってもっとナチュラルな日本語覚えたい。
日本に行って「あれ? エルくんハーフ?」とか言われないよう頑張る!
(エルは目立ったり、珍しがられるのが大嫌いである)

どうですか、スピードラーニング。
大河ドラマをたった36回見流すだけで、話す言葉まで見違えるほどのナチュラルな戦国ぶり。

子供さんの日本語にちょっと「戦国」が足りないなと思ったら、ぜひ。

■「本能寺の変」動機の新説

エルは言う。

最後に将軍が涙を流しながら光秀のことを鳥だって言った時、昔の優しい将軍に戻っていたよね。
ちょっとセンチメンタルでいいシーンだった。
光秀が本当は将軍を嫌いじゃないことを、将軍もわかってるんだね。
公方様にはもうミチュブチ(三淵藤英)しか残っていないのが寂しいね。


ロボットみたいな朝倉義景や大入道って感じの武田信玄が、どれほど将軍の心を理解できるだろうか。

確かに光秀は、人間的な部分では信長よりも将軍のほうが合うと感じているのかもしれない。

突然エルが目を輝かせて言った。

わかった!
光秀は、将軍のために本能寺で信長を殺すんだよ。
将軍が好きだから。
将軍の代わりに光秀が信長を殺すんだよ・・・!

エルによる、信長暗殺の動機の新説である。

■おわりに

エルよ、意外と将軍が好きになっちゃったんじゃないの?

それともやっぱ三淵がカッコイイ?

光秀については「ウソ泣きだよあれは!」とボロクソだったよね。

今回、エルは誰が好きだった?

「煕子」

なんだ。

男じゃないのか。

煕子はキレイだしな。

お城から琵琶湖を見るシーンはよかったね。

でも帰蝶より煕子のほうがいい?

「当たり前だよ。帰蝶はこわいもん。オレ、煕子みたいにキレイでおとなしくて優しい人がいい!」

エルよ、理想を言うのは勝手だが、これからの長く険しい人生を心して生きていくがよい。



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明石白の「麒麟がくる」の1軍レビューはこちらです。
サイト主さんが(もちろん私も!)喜ぶので、お時間があればぜひ読んで見てくださいね。

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