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【麒麟がくるレビュー・2軍】その41 「月にのぼる者」募集中

これを読んで普通のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』レビューや感想じゃないじゃん、詐欺、とか言わないでほしい。

2軍レビューなんだから勘弁-。

さて今回もドラマの感想を述べるのは、

・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳になる息子・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・ビジネスウーマンのタマラ(スペイン人。マドリッド在住)

という3人。

彼らなりにドラマに関する何かは言っている。
何かは言ってると思うんだけど。

何かはね。

■タマラの「麒麟がくる お顔拝見14 近衛前久」

ここにこの人を登場させたのは、近衛前久好きとか、顔が好みとか(好きだけど)、カッコイイとか(いや、カッコイイと思うよ)だからじゃない。

近衛前久を演じた俳優、本郷奏多の「素の部分」が好きなのだ。

この人物、只者ではないのである。

タマラ、あんたはどう見る?

この近衛前久というお公家さん&演じている俳優・本郷奏多を!


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タマラは眉をひそめた。

シリアスな人ね-。
真面目に相手しなかったら怒りそう。

確かにドラマでもピリピリしてるよね。

史実では、京のお公家にしては行動的で気の強い人物だったらしいが、ドラマの中ではそうでもない。田舎に行って鼓を打っている程度の印象。

そんな時、タマラが不意にこう言った。

ひとつのことを忘れない人よ。それ一本っていうか・・・・・・こだわるの。

え、今なんつった?

嬉しさで声がうわずる私。

そうか、タマラは近衛前久のことではなく、すでに本郷奏多のことを言っているのだ!

こだわって、すごく集中する人。
凝り性・・・

そうだよ! その通りだよ!

おやおや、もう、なんで知っている?

実はこの俳優、私生活では完全にタダのオタク。
カードゲームやガンプラとかなんだかいろいろディープにハマっている。

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顔がキレイでも、俳優であろうとも、中身は普通のオタク。
聞くところによると、ドラマ撮影の休憩時間には他の共演者と話しもせずにずっとゲームをやっているとか。

いいねぇ。孤高なかんじ。

ネットが友だちな感じ。

他人事とは思えない。

今回、タマラはなかなかいい仕事をした。

ちなみに、エル姉が先日見てギョッとしたタマラの歯のブリッジはまだ取れていない。

■お月見 with 帝

なかなか見応えのあった第41話だが、注目場面の一つに明智光秀が内裏で帝に対面するシーンがあった。

エルが言った。

信長が会うときにはネット(網)の向こう(御簾越しの意味)からなのに、光秀には直接会ってあげるんだね。

確かに信長と光秀ではひいきの度合いがかなり違う。

そんなことが(光秀が参内するとか、天皇が顔をだしてくれるとか、喋るとかさ)現実的じゃない、ってことはともかくとして。

さらにエルは続ける。 

天皇ってスゴイね。スピーチがとってもパワフル。

いたく感動している様子・・・と思ったのだが。

ま、パワフルなんだけど、よーく聞いたら言ってることはフツーだね。
月のほうを向いてお喋りしているから、すごく聞こえるだけだよ。
帝は、信長が変なことしないように光秀にチェックをお願いしてるだけ。
いらないことばっかり言わずに、お願いする人の顔をちゃんと見て普通に喋ったほうがいいよ

「人にお願いするなら、ちゃんとコッチ見て言いなさいよっ!!」

とは、時々私がエルに言うセリフだった。

■その後が気になる

エルは菊丸を見直したらしい。

逃げ方がカッコイイ。
それと、薬のお仕事を辞めたくないって説明するところもすごくよかった。無事に逃げられてよかったな。

一方、じーちゃんは同じ場面を見てこう述べた。

ついに菊丸も、な。
光秀が「逃げろ」言うから逃げたら、家を出た途端にすぐに追いかけられたのぅ。運がない。
ありゃもう生きているか、死んでいるかもわからんような終わり方じゃ。

え-、じーちゃん。

菊丸、42話の予告編に無事登場してたよ。

え。予告編に? じゃ、生きとるのか? 
うーん、わしのほうのテレビには出てなかったと思うが・・・。

出とるわ。


だがじーちゃんは、まだ他に気になることがあり、それどころではない。

光秀の娘。たま、じゃ。
たまは嫁にいくことになるんかのぅ。困っておったのぅ。
さあ、いつ結婚するやら・・・。

嫁入りしたわ、じーちゃんの目の前で。41話の最後!

え? 結婚したか? わしのテレビには・・・。

怒!

・・・いや、わしが見落としてるんやろうなぁ。
わしの頭はどうなっちゃったね・・・。えへへ。

なんだか態度が急に可愛くなったじーちゃんだ。

だが彼の問題はここで終わらない。

わしも、次の最終回くらいは頑張って観るようにします・・・。

おいおい! 終わらさないでよ。

最終回じゃない? へー、まだ3回も残ってるんか。
そうやったか・・・。はぁ。

がっかりするなよぅ。

■薬剤師の姉ちゃん

じーちゃんが急に一方的に喋り出した。

こないだ将軍がテレビにでておった。すごいの見たぞ。

何のことだろうか。

NHKの昼の番組でな。

当然『麒麟がくる』じゃない。情報番組の類いだろうか。

例の薬剤師の姉ちゃんと一緒にでておったぞ。

薬剤師・・・あっ。

駒ちゃんのこと?

あ、そうそう。『麒麟がくる』の仲良しコンビじゃ。

ああ、それで?

それだけじゃ。
ドラマ以外でも2人は仲良さそう。目が離せんなぁ。ひっひっひ。

じーちゃんは実に嬉しそう。

ゴシップ好きだったのか(この件がゴシップとかはともかくとして)。

どういう風に育つのか、放置しておこう。

■アンチソーシャル女子高生

私はエルと2人で話していた。
最近駒ちゃんが、光秀の娘・たまちゃんとも仲良しになっていることを憂慮していたのだ。

駒ちゃんてドラマのimportant(重要な)人物とかなり仲良しになるよね。
ふんふん。そこが出来すぎているよね、確かに。

その時、我々は聞いた。

リビングルームの隅でケータイをいじっていた一人の背の高い女子高生が、呟くように、でも我々には聞こえる感じでこう言ったのを。

たまちゃんは、駒ちゃんがimportantなかんじで、やっぱり駒ちゃんもimportantなたまちゃんにくっついて、ね・・・。そうそう。

こちらも見ずに話すのは16歳のエル姉だ。

ん?

何が言いたい?

意味不明。

ちょっと、何なの・・・と聞きかけた私をエルが手を振って制止する。

(だめだめだめ、話しかけたら引っ掛かるよ。エル姉、意味分かってないのにわざと喋ってるから)

あーあ。駒ちゃん、問題だー。

そう言って立ち上がったエル姉は、ケータイをいじりながらゆっくりと自分の部屋へと去っていった。

うっわぁぁ。

目配せし合うエルと私。

何かアピールしてたよね、今。
うん。アピールしてた。

でもだめだ。

今回は事情があって彼女を仲間には入れられない。

意地悪だって?

違う。

これには正当な理由がある。


エル姉、観ずにはダメだ。
レビューしたかったら、ちょっとはドラマ観ろよ。


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明石白はこんなレビューもやってます。

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