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【麒麟がくるレビュー・2軍】その39 「本願寺を叩け」家来を蹴るな

これはNHK大河ドラマ『麒麟がくる』のレビューのフリをした何かである。
やってるのはこんなメンバーだ。

・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳になる息子・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・ビジネスウーマンのタマラ(スペイン人。マドリッド在住)

3人とも日本史知識はほぼゼロ。
そんな彼らの「思い思いの思い」を私がまとめている。

今回もお付き合い願いたい。

■タマラの「麒麟がくる お顔拝見12 帰蝶」

クリスマス休暇の前、タマラの会社は結構忙しそうだった。

待ち合わせの場所に到着したタマラは、携帯電話で誰かと話しながら私に眼で挨拶する。

ま、仕方ない。

我々が一緒にコーヒーを飲むのは、平日のタマラの昼休み中なのだ。

たまに緊急の連絡とか、気の利かない客からの連絡などが彼女のケータイに入ることくらいある。

電話を終え、彼女がようやくこちらを向いた。

さて、「お顔拝見」に女性キャラクターが連続しているが、この人を外すわけにはいかない。

今日はこの女性をタマラに見てもらう。


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織田信長の妻で明智光秀のイトコの帰蝶である。

このキャストビジュアルにプラスして最近の帰蝶の写真2点を見せながら、タマラによる帰蝶の第一印象を聞くことにした。


機敏なイメージね。自分で自分を守れる人よ。


ふむふむ。

ま、上のキャストビジュアルの写真ならそんな感じか。

タマラは続ける。


いい人よ。洗練された女性らしさがあるわね。


その後、ちょっと考えたタマラがきっぱり言った。


この人にはすごく影響力がある。
誰かの大きな決定に影響を与える人みたい。


ほー。

やっぱりわかる?

最近ちょっとドラマでは見かけない帰蝶だが、以前はよく明智光秀に命令して手助けさせたり、信長を手のひらで転がすようにコントロールすることがあった。


彼女は自分の影響力に自覚があるわよ。なかなかの人ね。


そう言った時、またタマラのケータイに連絡が入った。

彼女は「ごめん」の顔を私に向けながら電話を受ける。

一緒に働くダンナからだ。

仕事の件で、問い合わせか相談みたいだ。


それはね。いったん無理だって言って、相手の様子を見た方がいいわよ!


彼女は言いながらカフェテーブルの上に残された最後の一切れのケーキを指さし、私に「食べてしまえ」と眼で指示をする。

私は最後のチーズケーキを頬ばった・・・。


ビジネス&ケーキの最後の一切れ。

一瞬で難しいアドバイス&判断するとか見事じゃん。

タマラだってなかなか影響力のある女なのだ。

■願いごとが叶うなら、お百度参りくらい超簡単

エルは、今回煕子がやっていたお百度参りに興味津々だった。

じゃ、ボクが100回お参りしたら、何でもお願い聞いてもらえる?
ボクのお願いはね、金持ちになるか、テストの結果が良くなることかな。

短絡的で頭が悪そうなお願いである。

しかも彼は、煕子のお百度参りのやり方にダメ出しした。

わざわざ雨が降ってる時にやったらダメじゃん。濡れるし、寒いよ。
ボクがするのは晴れたときだけね。

エルよ。

福岡旅行のおり、太宰府天満宮で母が購入した菅原道真並みに頭が良くなるお守り、5年待っても一向に効かないのは、キミのそういうラクしたい性格のせいじゃないだろうか。

■エル、日本語勉強しよう


第39話は煕子と光秀の美しくも悲しいシーンで終了した。

「死んじゃったね、煕子」

しんみり私が言うと、エルが非常に驚いた。

えっ! 煕子死んじゃったの? 
これ、死んだってこと? 寝てるんじゃないの?

だからキミ。

ちゃあんとナレーションを聞け。

以前、摂津晴門が捕まって追放されたのにも、運ばれる駕篭の中で武田信玄が遺体となっているのを見ても、状況を理解しなかったエル。

そういうのが苦手なのか。

このドラマは光秀のライフストーリーなんだから、ワイフのこともちゃんと全部ドラマで観たいんだよ。
煕子の死ぬところやお葬式もボクはちゃんと見たい。

なあにを言い訳がましい。

エル。

ちょっとこっち来なさい。

お母さんがっかりだよ。

もうちょっと日本語の勉強しよう。

じゃ、歴史モノ『鬼滅の刃』くらいから始めるか。

■じーちゃんにはご内密に

はーい、皆さん。

ここでクイズ。

以下の単語の中で、仲間外れを一つ選んでください。
   a.消防隊    b.親衛隊    c.蘭奢待    d.音楽隊

あえて正解は書かないが、どうしても答えがわからない方は、コメント欄でご連絡を。私が説教する。

賢明な2軍読者の方ならば、上記の問題に引っ掛かりそうな2軍メンバーが誰かもうおわかりだろう。

はい、じーちゃんです。

彼は、最近の織田信長の横暴さ加減にワクワクしている。

いや、ヘキエキではない。

ワクワクなのだ。

信長が憎まれて本能寺の変で殺されるのを楽しみにしているのだ。

人が殺されるのを楽しみ、とかロクなもんじゃないが、『麒麟がくる』の視聴者の多くはそれを期待してるでしょ?

信長は帝にも態度がデカイのぅ。ふふ。

ほらね、じーちゃん嬉しそうである。

ま、毛利に・・・・・・タイをやってしまった帝を怒っているわけじゃ。

はい?

今なんと?

こないだ信長が切り取ったニンジャタイの欠片の一つを帝にやったじゃろ? あれを帝が信長の敵の毛利にやってしまったんじゃ。

じーちゃん、よく聞こえない。

もう一回。

毛利は何をもらったんだっけ?

ほれ。ええ香りがするというニンジャタイじゃ。

間違いない。

じーちゃんは迷宮に入り込んだ。

蘭奢待がいつのまにかニンジャタイ(忍者隊?)である。

いや、菊丸は関係ないと思う、そこは。

では、私はそんなじーちゃんをどーするか。



黙って見守るのだー。

ナイショ、ナイショ。

ささやかな私の楽しみである。


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明石 白のもう一つの『麒麟がくる』レビューはこちらで見ることができます。2軍よりレビューすることにフォーカスしているハズです・・・。