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【麒麟がくるレビュー・2軍】その32 「反撃の二百挺」譲ってぇ

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』のゆるいドラマレビューのお時間だ。

この記事は82歳のじーちゃん、12歳のエル、一介のスペイン女のタマラの3人が勝手なことを喋って、賢明かつ聡明な私がそれを力技でまとめたものである。

早速行こうか。

■タマラの「戦国武将 お顔拝見5 ○○○○」


実は今回の「お顔拝見」は、戦国武将ではない。


人相見タマラを試してみたかった、この人で。




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東庵先生である。

どうだ。架空の人物なのだが、タマラは何と言うか。


「ぶっ」


タマラは、見た瞬間笑ってコーヒーを口からこぼしそうになった。


「なあに、この人。なんか笑っちゃう」

「全然シリアスじゃない。あー」


急にタマラの態度がぞんざいになり、半笑いで椅子に浅く腰掛け、ふんぞり返る。

「この人、サムライじゃないよねー」

武将と違って刀を持たず、手にはサイコロ持ってる東庵先生。


「実は、医者なんだよね」

ヒントを与える。

「え、医者なの?」

タマラは顔をしかめた。

「名医じゃないわー、この人」
と悲しそうに首を振る。

ドラマではギャンブル好きだが、腕はいいという触れ込みである。

東庵先生は多くの武将たちに請われ、人気の名医らしいよ。

だがタマラはふんぞり返ったまま意見を曲げない。

「この人は、所詮OKドクター(いないよりマシ程度のフツーの医者)よ」


そうか。人相見のプロ、タマラがそう言うならば・・・!

みんな。東庵先生にダマされてはいけない。


そういえば、織田信秀(信長の父)も太原雪斎(今川義元の軍師)も彼に治療された後に死んだじゃないか!

東庵先生は、妙な博打ネットワークを持ち、喋りでイライラさせるだけのOKドクターである。


■批評家・じーちゃん&マネージャー・ばーちゃん

じーちゃんとの連絡は、いつもばーちゃんのスマホを介して行われる。

ばーちゃんはじーちゃんのマネージャーだ。
彼の体調とスケジュール管理をしている

ばーちゃんは新しい物好きで、早くからスマホを導入していた。
文房具屋の娘で、昔はお店でも働いていたから、今でもステイショナリーに目がなく、新商品とかいつもチェックしている。
さらに、どこかの文具店や文房具売り場に行くと、店員でもないのに勝手に乱れた商品の陳列を直して帰ってくる。
自分でも止められないらしい。


じーちゃんにレビューをしてもらう時間について、ばーちゃんにメッセージを送る。

「日本時間夜8時に電話するよ」

返信が来た。

「だめです。8時をすぎてしばらくしてから電話してください。じーちゃんが言ってます」

「なんで?」

「じーちゃんは、考えをまとめる時間が必要だそうです」


偉そうに-。またあらすじだけ一方的に述べるやつか?

だいたい
「8時を過ぎてしばらくして」
とは8時何分だ?

嫌な予感しかしない。

■8時20分のじーちゃん

ところが、今回に限り私の心配は杞憂だったようだ。

彼の指示通り8時20分に電話したら、やる気満々のじーちゃんが登場。

「えー。今後のドラマ全体にかかわる重要事項に気づきましたので、それについて意見を述べたいと思いますっ」


先週2軍レビューを休んだ彼は、2週分の放送もちゃんと観て私のインタビューに臨んだ。よしよし。

いつもなら「思考の徘徊老人」なのにめずらしくテキパキしている。

せっかくだから、彼のバッテリーが切れぬうちに話を聞こう。

じーちゃんの意見はこうだ。

「光秀が信長に信頼されすぎている」

・一緒に働く秀吉と比べ、明らかに光秀が信長に信頼されている
・帰蝶への言い訳、将軍への報告、天皇への対応など全て光秀の指示に従う信長
・鉄砲の調達でも秀吉よりも光秀が活躍。信長も大喜び

これらが何を示しているのか。

その謎に82歳の男はこう答えた。

「今は秀吉が下っ端で、光秀のほうが数段上じゃ。だが、これから秀吉が伸びる。光秀の伸びしろはあとちょっとじゃが、秀吉は無限大じゃ。いつか信長は説教臭い光秀のことが癪に障るようになる。そしたら、信長は秀吉に乗り換えるぞ。それが光秀の未来を占う重要なポイントじゃ」


「じーちゃん。つまり光秀が信長に冷たくされるのが・・・」


じーちゃんは大きく頷いた(電話なのでホントは見えてないが書いてみた)。


「本能寺の変の動機じゃ!(きっぱり)」


うう。やはり・・・。


「今の光秀のノッてる感じは、全部落ちていく彼を描くための伏線!(再度きっぱり)」


これが、じーちゃんの提唱する
「明智光秀の本能寺の変実行の動機・信長に嫌われた腹いせ説」
である、みなさん。


■筒井順慶どうよ?

斎藤道三、覚慶(将軍義昭が出家していた時)に続き筒井順慶である。

おわかりだろうか、この3人の共通点。


全員禿げてる。


じーちゃんはかつて、モッくんが演じる斎藤道三の剃髪した頭部を見て

「被っておる!」

と、彼のハゲカツラ着用を看破した。


「耳の後ろから首にかけての肌に変なシワがあればカツラじゃ」


エルと私は、そのじーちゃんの鑑定方法を用い、既に覚慶がヅラであったことも検証済みだ。


で、筒井順慶である。


エルと私は食い入るように画面を見つめた。
何度も再生して確認した。

その時点で、すでに我々にとってストーリーはどうでもよい。
興味は順慶の頭部のみ。

だがこの順慶、後頭部や側頭部をなかなか見せない。
正面からのドヤ顔ばかりだ。

額の上あたりなど継ぎ目はない。
完璧だ。

「耳の後ろを見せてくれ・・・」

結局我々は、茶会に行ってしまった順慶に置き去りにされた。

エルが私をなぐさめる。


「仕方ないよ。だってこの人は本当にハゲてるんだから」


えっ。


「ボク見てそう思った。ああ、これは本物のハゲだなって」


おいおいおい。諦めるな、エル!

予告編では次回も順慶登場らしいから、リベンジマッチじゃ。

順慶よ。
首を洗って・・・もとい耳の後ろをよーく洗って待ってろよ。
絶対に見破ってやる。


私「で、じーちゃんのほうはどうだった、筒井順慶?」
じ「誰や? そんなヤツはわしのほうのドラマには出ておらん
私「いやいや。お坊さんの格好して、鉄砲譲ってくれた人おったやん」
じ「ああ、あの人は比叡山の坊さんじゃろう」
私「全然違うよ。あんな格好だけど、戦国武将だよ!」
じ「そっちは見たか知らんけど、わしは会ったこともない」

おいコラ、そこの82歳にお伝えします。

『麒麟がくる』は、スペインで観ても、日本で観てもストーリーも出演者も同じだ。さらに、エルも私も登場人物に誰一人会ったことはない。