記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【麒麟がくるレビュー・2軍】その31 「逃げよ信長」私も逃げる

ブエノスディアス(スペイン語で「おはよう」)、みなさん。

これは、自分がスペインにいるのに、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』のゆるいドラマレビューを続けるという無駄にインターナショナルな記事です。

このレビューは、2軍なので間違っていること、いい加減なこと、決めつけ、老人のたわ言、外人のざれ言などが混ざっています。

今日も賢明な読者の皆さんの寛容な心に甘え、あぐらをかき、ついでにお茶と菓子なども出してもらうつもりで書かせて頂きます。

■タマラの「戦国武将 お顔拝見4 足利義昭」

友人のスペイン女・タマラに私は言ったのだ。

「写真だけでドラマの武将の性格を見抜けるタマラはスゴイって、2軍の記事を読んだ人が言ってるよ」

と。

すると彼女はちょっと誇らしげに口を開いた。

「商談では、うちの旦那はエンジニアだから商品の良いところを熱っぽく、詳しく説明するのよ」

注釈:
タマラは建設業者が使う重機や高電圧を扱う時の防護服や手袋などを販売する会社を夫婦で経営している。
だから商談に夫婦で出かけることもある。
彼女の旦那はケンブリッジ大学を出たキレッキレのエンジニアだが、普段は私と冗談のレベルとタイミングが同じというただのおっさんである。

彼女は続けた。

「でも私は商談では商品については何も言わない。ただ、客の顔を観察するの。そして相手が買う人か買わない人かをジャッジするのが得意なのよ」

そうきたか。

つまり、彼女はこうアピールしているのである。


「人相見に自信アリ」と。


よっしゃ。

ではこの人はどうだろう?


画像2


タマラはしばらく写真を見つめてからこう言った。

「いい人ね・・・でもsuffered(サファード/苦しむ)している感じ。気の毒」

なるほど。

確かに、ドラマの将軍義昭は望んでもなかった将軍に引っ張り出され、今や織田信長との関係に悩んでいる。


それならば、と私はさらに尋ねた。


「タマラの会社の重機、この人なら買うと思う?」


タマラは厳しい顔をして即答した。


「買わないわよ。このカオじゃ!」


さすが人相見の達人・タマラである。


将軍は、お金があっても重機は買わない。


将軍に資金があるなら、貧しい人、身寄りの無い人のための悲田院建設が先だ。

タマラはお見通しである。

■まるで主人公のような光秀

「今までで一番面白かったよ!」
視聴後、エルが嬉しそうに言った。

知ってる。

信長が、撤退する口惜しさに吼えながら泣いていた時にケラケラ笑っていたこともね。

エル「光秀がいつもよりメインになって、たくさん出て、たくさん喋った」


私「だって、光秀が主人公のドラマなんだもんね」

エル「えっ!」
私「えっ?」

エル「主人公、信長じゃないの?


今まで31回も視聴しておいて、ドラマの基本前提をわかってないヤツがここにいました。

ただ、これはエルだけの罪だろうか。


光秀を地味に扱ってたNHKに罪はないのか。


きゃ、脚本とか、構成とか・・・?

■エルのお気に入り場面

エルの今回の一番のお気に入りは藤吉郎、つまり秀吉である。

いつもは明るく、そして抜け目なかった秀吉が、仲間にバカにされてボロボロになったところにほだされたらしい。

秀吉が、光秀に殿(しんがり)を務めさせて欲しいと願い出、彼の悲しい身の上話をしたときには、エルもじっとスクリーンに見入っていた。

目を潤ませて語り、額を地面に擦りつけて、武将としてのリスペクトを仲間から得るために、もっと出世して本物の武将となるために、最もキケンな任務を求める秀吉。

エル。もしかして泣いてる・・・?


すると、くるりと振り返って真顔のエルが言った。


「これ何のハナシ?」


は?


「秀吉、喋るの早くてわかんない」


時代がかった単語や、早口でぼそぼそ話す佐々木蔵之介の演技は、エルが理解するには難しかった。


「秀吉が死にかけの妹と留守番しててね・・・」
「妹にあげるはずの芋を食べちゃって」
「いや、秀吉もお腹が空いてるけど、そこはフツー妹に芋あげるでしょ」
「そりゃ芋で病気は治らないけどさ」
「芋を食べてたら、妹はまだ死ななかったかもしれないじゃん」
「秀吉が直接殺したわけじゃないけど、後悔してるんだよ・・・」
「貧しい暮らしがつらくて嫌なんだよ、秀吉は」


私は一から丁寧に感動ポイントまで指摘しながらエルに説明させられた。


エル「んー、それで?」


感動シーンも、分解して説明したら全く感動しません。


■鉄砲、ウサ耳、そしてワル&バカ

さて、エルの他のお気に入り場面はまだある。

【鉄砲の使い方】
エル「鉄砲を準備する人、鉄砲を撃つ光秀、使った鉄砲を受け取る人がチームになって働くところがいい」

のちに長篠の戦いで織田信長が用いた(と言われる)3つのチームが入れ替わって銃撃したのと似て、明智光秀が時間のかかる火縄銃を効率的に使ったところを気に入ったらしい。

【左馬助のウサ耳兜】
明智左馬助の兜にはウサ耳が付いていたの気づきました?
ウサギは縁起のよい動物として武将に好まれたので、そういう兜もあったらしい。

エル「(ウサ耳見て)可愛い-!」
私「(凜々しい左馬助の顔を見て)可愛いー!」

【せっつ&将軍】
相変わらずエルは摂津も好きだ。
摂津のモノマネは簡単らしく、
「レディオ体操みたいに、首をぐるっと回しながら喋ると摂津になるよ」
だそうです。
ぜひお試しを。

エルは今、ワルの摂津にコントロールされてる将軍が歯がゆくてたまらない。

「バカ。将軍のバカ。あんなに悪そうな摂津のことがどうしてわからないの? テレビを観ている人全員知ってるよ!

■おわりに

お気づきだろうが、今日はあの老兵がいない。

でも彼からのメッセージがある。

1時間かけて書いた渾身のメッセージだ。


じゃーん。


画像1


あちゃー。

これだけを書くのになんで1時間も?

変な文字も発見。



アディオス(スペイン語で「さよなら」)!

こんな時は「逃げよ私」だ。