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「光る君へ」うろ覚えレビュー《第3話:謎の男》

「光る君へ」のオープニングのイメージカラーって「」でしょう?。
ちょっとうろ覚えだけど赤い花とか咲いててさ。

イメージカラーは絶対「」だって思い込んでいたよ。
やっぱ式部での上(『源氏物語』の光源氏の妻)で藤原のじゃん? 
色ってだしさ。
やっぱのイメージでしょうがぁ。
別にあたしがが好きとか、にしてほしいってわけじゃないけど、NHKはきっとで行くんだろうなって思ってたんよ。セオリー通りに。
でも「」だったよ。
あえてを避けたのかなぁ。

いいの? 染衛門。それでいいの?

実資、朝廷の正義。

実資の目に注目。

藤原実資がいい味だしてきていて、観察するのが楽しい。
ロバート秋山の顔がテラテラとしていて、落っこちそうな目玉とぽってりした口の存在感が気になって仕方ない。
今回実資は、平安朝名探偵よろしく藤原兼家と次男の道兼(つまり道長の兄)の画策で、円融天皇に毒が盛られていることをもう少しで見つけそうだったんだが。
やばいと思った道兼が毒を盛るのをストップさせたせいで天皇も健康を回復し始め、実資も毒が盛られた説は勘違いだったかと、案外あっさりと引き下がってしまった。ロバート秋山らしくもない。

その一方で、毒のことは知らぬままに自分が在位していることに不安を覚える円融天皇に、藤原兼家に差し向けられた安倍晴明が譲位を促した。どうやら天皇はその「アドバイス」を受け入れる様子。

カメラにだけわかるように不敵な表情を見せるユースケ安倍晴明のやらしいこと。晴明というキャラクターは、作品によって神秘的、正義の味方、超能力者などいろいろな側面が強調されるのだが、今ドラマではなかなか胡散臭さ+腹黒さが全面に出ている。
結局は何事も権力と財力のある兼家の思うがままということ。

もちろん政治的に成功するためには陰謀も必要である。
兼家サイドから見たら、自分の家である「藤原北家九条流」のために精一杯頑張ってるわけだ。当時のトップ公卿たちは、多かれ少なかれそういった画策をしながら宮廷での生き残りを賭けて戦っていた。

だが、ここはドラマの世界。
『光る君へ』ワールドでは、より話をシンプルにするためにわかりやすいワルグループが存在するのだ。
今のところはっきりしているメンバーは以下。

1.藤原兼家
2.藤原道兼
3.安倍晴明

ここには、ちょっと性格の悪い円融天皇や、やんちゃな花山天皇も入らない。むしろ彼らは被害者的存在かと。

さぁ、平安のワルたちは増えていくのか。
ワルたちの腐臭が香ばしい。

謎の男って誰を指してる?

さて、「謎の男」なんである。
第3話のタイトルの「謎の男」とは誰を意味するのか。盗賊として追われていた男がまひろにぶつかった。そいつのことか?
「身の丈6尺!」とか言ってたね。

まず、身の丈6尺というのは、センチメートルに直すと約181cmだ。
そんな大男、平安時代の日本にそう多くはないと思う。
いてへん、いてへん。

例の謎の男の役をしている俳優は、毎熊克哉まいぐま かつやというんだって。でも、日本の芸能界に全く疎いあたしには名前の読み方も知らず、ごめん。
エブリベア(毎熊)というその俳優さんについてウィキペディア先生に伺うと、なんと身長が180cmだと。
まひろって、すごいね。一瞬見ただけでわかるのね。

そして、まひろにとって「謎の男」はもう一人いた。
藤原道長である。
逃亡中の謎の男エブリベア(毎熊)にぶつかられた直後、彼女が放免(検非違使という警察組織の下っ端で働いた前科者)たちに男の行方を問い詰められたときに、いい加減に指で示した男こそ道長だった。
前回に似て再度のマンガ的偶然によって、まひろは道長と再再会を果たした。彼女にとって、放免たちに誤認逮捕されても平然としている道長だって十分に素性のよくわからない「謎の男」なのだ。
で、藤原道長の役をしている柄本佑えもとたすくという人も身長182cmなのだ。

謎の男のふたりとも平安の都には稀有な大男だったのである。
謎の男はどこへ行ったのか。
まひろは自分が描いた似顔絵を頼りに謎の男を探そうとする。
まひろ的には道長を探していたんだろうけど、あたし的にはエブリベア(毎熊)の行方のほうが気になる。
なんかちょっといい人そうだし。

まひろが描いた似顔絵。
うろ覚えだけど、たしかこんなかんじ。
こんな人相書きで見つかるかな。

似顔絵の似顔絵。

無理やろ。

優等生お局、赤染衛門

さぁ、前回の代筆に続いてまひろが少しずつ彼女の和歌や文章への才能をあらわにしていったのが赤染衛門あかぞめえもんとの出会いの場である。

高貴な女性たちが和歌で遊ぶ会に、下級貴族のまひろが参加なんて、なかなかの修羅場が始まるんじゃないかと心配したが、それは杞憂に終わった。
赤染衛門は嫌なお局さまではなかったし、源倫子みなもとのともこは性格がいいお金持ち。彼女以外の女性たちもかなりお気楽な人々だったので、意外にもイジメはなかった。

しっかし、まひろもたいがい子供である。「偏継へんつぎ」と呼ばれる漢字ゲームでは、カードを独り占めだ。
まるで、記憶をつかさどる海馬の能力が低下しているおじいちゃんおばあちゃんを相手に、小学生がトランプの神経衰弱のゲームでほとんどのカードをかっさらうがごとく。

のちに道長の娘の藤原彰子ふじわらのあきこのもとで女房として共に働くことになる、仕事仲間の赤染衛門と紫式部との初顔合わせ。
意外と平和なスタートだった。

大顔面すぎの赤染衛門。ラッキーカラーは赤。

おわりに。藤原行成

皆さん、お待たせ!
|藤原行成《ふじわらのゆきなり》登場である。
藤原行成の登場ですー。
藤原行成が現れましたー。藤原行成でございますー。
あたしは「コウゼイ」って呼んでますぅ。

ドラマの中で、貴族の青年たちが数人一緒にお勉強している(史実としては?だが、ドラマだからいいや)ときに、道長に手元を覗き込まれていた男性がかの行成なんである。
道長は何を見ていたのか。
それは、行成の描いた美しい文字なのだ。テレビには映ってませんけど。

彼はすばらしい能筆家(字が上手い人)。
いわゆる小野道風、藤原佐理とともに知られる優れた書家「三蹟」のひとりである。

どれくらいすごいかっていうとね。

道長や行成たちの時代に流行っていた仏教の本に『往生要集』というのがあるんだが、行成がその原本を道長に借りて書写したことがある。
行成が原本を道長に返却しようとすると、
「原本はあなたにあげるから、あなたの写本のほうが欲しい」
と言わしめたほど字が上手い男なのだ。

47歳のときの行成が書いた『白氏詩巻』は、現在国宝として東京国立博物館にある。

もっとわかりやすく言えば、フォントで知られる「モリサワ」の字体の種類には「行成」というフォントもあるし、書道に使う半紙にも「行成」っていう紙があるんだからね。
それくらい行成は今も書道界のトップに君臨しているのである。

あたしイメージの行成。ごめん、アゴが。

彼を演じる渡辺大知さんって、ミュージシャンで俳優なのか。
ちょっとイメージと違った。
表情が健康的過ぎる。
もっと人見知りして欲しい。
ミュージシャンなんだから、そこはちょっと病的な感じでお願いしたい。
今後の清少納言とのからみはどうなるのか気になるところだ。

行成くんについては、今後もしつこく話題にしようと思っている。

その予習に、と言ってはおこがましいが、あたしが行成についてまとめたウエブ記事がある。数年前のものでつたなくって恥ずかしいが、行成について描いた記事は今はこれしかないのだ。おヒマがあれば。

今回もありがとうでございます。
ではまた来週。(次の放映日の日曜日はもうすぐだけど)