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【麒麟がくるレビュー・2軍】その35 「義昭、まよいの中で」迷子?

私の単なる思いつきで、

・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳になる息子・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・ビジネスウーマン・タマラ(スペイン人。マドリッド在住)

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』にまあまあ関係する何か感想ぽいことを言ってもらい、それをまとめている。

恥ずかしながらこれを「レビュー」と呼ぶ我々を許してほしい。

■タマラの「麒麟がくる お顔拝見8 松永久秀」

今回、マドリッドの寒さに立ち向かうために、完全防備で登場した黒いロングコートのタマラ。

今日はセーターに穴が空いているかどうかは見えない。

サングラスをかけ、丸いマトリックスの人みたいである。

マスクもしていてかなり怪しい外見だ。


彼女には、我々の好きな戦国武将・松永久秀の顔から人柄を読み取っていただこう。


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「戦国最大の梟雄」というキャッチフレーズの松永久秀。
ドラマでは実力者でありながら、恐ろしさよりもどこか親しみの持てる武将である。


タマラは首を傾げるようにして写真を見ている。


逃げるなよ、タマラ。

今日は砂糖もスプーンもちゃんと揃ってコーヒー皿に置かれてるのだ。

立ち上がって取りに行く必要ナシだ。


やがて、写真をみつめたままタマラが呟いた。

「Depends(状況次第)なのよ」
「goodにもbadにもなる人よ」

うーん。


確かに、主人公の明智光秀を助けることもあるが、光秀が敬愛していた将軍・足利義輝を見殺しにした人物でもある。


そんなことを考えていると、ふとタマラにイメージが降臨したらしい。


「あ。この人、驚かせるような凄いことを見せてくれるわよ」


何?


「驚かせるような凄いこと」?


「誰もやったことないようなことをして、びっくりさせるの」


ええっ!



まさかそれは・・・!!
私が知ってるアレのことなんじゃ・・・。


松永久秀ファンがなんとなーく気になってるアノことなんじゃ・・・!


やっぱり久秀はやるんだね!


日本で最初の自爆を!


1577年、信長に謀反を起こした久秀は、信貴山城に籠城するが信長勢に屈した。その時に信長の欲しがっていた平蜘蛛という名の逸品の茶釜と自分の首だけは信長にみせてやるものか、と茶釜をたたき割り、鉄砲の薬で自分もろとも天守を爆破して自害したのだ。(俗説。かなり作り話。何ならウソかもと言われる)


タマラ、あんたはそのことを言っているんだろ!

俗説が何だ。

松永久秀は、やっぱり派手に爆死するんだね。

吉田鋼太郎の松永久秀の最期は、それで決まりだ。


■バカ殿の善行

エルは、ばかな将軍義昭が嫌いだそうだ。

友だちには絶対なれないタイプらしい。

泣き虫(答えに困ったら泣いて誤魔化す将軍)
嘘つき(頼り切っていた信長のことを最初から嫌いだったと言う将軍)
偉そう(人によっては態度がでかく、すぐに怒り出す将軍)

確かに、クラスメイトがこんな3拍子揃ったヤツなら嫌だな。

だが、今回将軍は一つだけ良いことをした。


「やったー。摂津が捕まった-! ははは」


明智光秀の命を狙った悪巧みがばれ、将軍の命令によって捕まった摂津晴門は、政所頭人の役職をクビになったのだ。

でかした、将軍。

■ありがとう。摂津。

光秀暗殺に失敗した摂津晴門は、将軍に命を受けた三淵藤英の指図によって待機していた部屋で取り押さえられた。

「摂津は逃げ方が遅い。さっと立ち上がって走らないから捕まるんだよ!」
「摂津が捕まったあと、ミチュブチ(三淵)が部屋に入ってきたところ、スゴイカッコ良かった! あの入り方が、いい!」

摂津が捕まった嬉しさと、予想もしなかった三淵藤英のカッコよさを喜ぶエルは、三淵が部屋に入ってきたところのマネを繰り返す始末。

うるさいので私の部屋に何度も出入りしないでください。

「でもまあ、これで摂津ともサヨナラやねぇ」

エルはその私のひと言で凍り付いた。

「もしかして、摂津もう戻ってこないの?」
「ええええー。せっつー! 大好きだったのにぃ・・・」

摂津。

今まで毎週楽しい顔芸ありがと。

■近江坂本城についての考察

光秀が城主となる近江の坂本城は、のちに安土城につぐ天下第二の城として壮大さを誇った、琵琶湖に面する美しい城となる。

湖が見える城っていいなー。

ドラマでは、光秀は城の図面を睨み、あれこれ思案していた。


それを見たエル曰く。

「こんなシンプルな絵でちゃんと作れるの? それに、お城が小さい」

身も蓋もない。


■正親町天皇についての考察

「あれっ。何か変。天皇の口が変!」

第一発見者はエルだった。

彼に促されるまま、正親町(おおぎまち)天皇が話をする顔のアップシーンを再生する。

「ほら見て! 天皇の歯が黒いよ」

おお。

確かに帝の歯が黒い。

お歯黒である。

みんな気が付いていた?

私はエルに言われるまで気づかなかった。

昔は高貴な人が、のちには庶民もしていたお歯黒。

帝もやってたのだ。


「お歯黒? わしは全然気づかんかったぞ。さすがエルじゃ」

当然、じーちゃんが気づいているはずはなかった。


「まあ、坂東玉三郎は女形やから、お歯黒をすることもあるんじゃな」


いやじーちゃん、それは何か話がズレている。


玉三郎は高貴な天皇役を演じているからお歯黒しているんだよ?

彼が歌舞伎の世界で女形であるのとは関係ない。

だが、じーちゃんはどんどん突き進む。

じ「あの玉三郎は、たしか人間国宝じゃ」
私「えっ。国宝?」
じ「すごい女形だからな」
私「人間国宝って、もっと年を取った人のイメージだけど」
じ「玉三郎は結構な年しとるよ」
私「そお? まだ若々しいきれいな顔だけど」
じ「それは女形だからじゃ」

「本当に国宝?」→「うん。女形で一番じゃからな」
「顔が若々しいのも・・・?」→「女形じゃからな」
「お歯黒は?」→「女形だからじゃろうが」

じーちゃん82歳による「女形、万能で最強説」である。


振り返れば、エルがニヤニヤしている。

なんだよぅ、何が言いたい?

エル「ヅラの代わりに、今度からオハグロのチェックしよう!」

我々2軍は次なるミッションを見つけたようである。


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話題のお歯黒について知りたい方は、明石白のこの記事をどうぞ。

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明石白は「麒麟がくる」の1軍レビューだってやってます。

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