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切腹と私とホルモン

孤独な私は自宅で切腹する事を決意した。

私は外科医の友人に下半身麻酔の適切量を分けて貰い接種した。

試しに刃物で腹を刺してみたが麻酔の力は偉大で全く痛みは無かった。

更に左右上下に腹を切り裂いた。生温かくてドス黒い血が大量に吹き出した。

続いて長い腸から肝臓、膵臓、腎臓まで全ての内蔵を引きずり出した。

ただ奇妙な事に既に内蔵は腐っていた。そして大量のゴキブリが吹き出し部屋に蔓延した。

不思議な光景に染まる頃、突然麻酔は切れた。友人は僅か5分しか保たない麻酔を用意したらしい。

私は血まみれに成りながら、この上ない激痛にノタ打ち回った。知恵を振り絞り心臓を止めれば良いと閃いた。

最後の力を振り絞り早い鼓動を打つ心臓を握り潰し息を絶えた。

しかし私の死体は奇妙に歪がみ、死後も私は死の苦痛が続き死の淵で自らの運命に絶望していた。

私は切腹した場所に永遠に留まり近づく者を全てに私と同じ死の苦痛を負わせた。

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