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息をするように本を読む 1年目

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私にとって本を読むことは特別なことではなく、呼吸するのと同じことです。 今まで読んだ本の感想文を書いてみました。 よかったら読んでみてください。
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#読書感想文

息をするように本を読む 6 〜三島由紀夫「お嬢さん」〜

 今年は三島由紀夫が亡くなってから、50年になるそうだ。  私は小学生になったばかりだった…

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息をするように本を読む 7 〜ミッチェル「風とともに去りぬ」〜

 小学校高学年になった頃、父が1冊の文庫本を買ってきてくれた。表紙には薄い緑色のドレスを…

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息をするように本を読む 8 〜柳広司「新世界」〜

 柳広司の作品は「ジョーカーゲーム」のほうがよく知られているかもしれない。映画化されたし…

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息をするように本を読む 9 〜ディケンズ「二都物語」〜

 私は中学生のとき、親の仕事の都合でシンガポールに少しの間住んでいた。  学校の英語の授…

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息をするように本を読む 10 〜原田マハ「サロメ」〜

 この文庫本を書店で手に取ったのは、その表紙絵が目に留まったからだ。  19世紀末の画家オ…

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息をするように本を読む 11    太宰治「駈込み訴へ」

 太宰治の代表作品といえば「晩年」や「人間失格」や「斜陽」だろうか。  私が最初に読んだ…

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息をするように本を読む 12 〜和田竜「村上海賊の娘」

 海賊というと、古い地図を手に宝探しとか、肩にオウムを乗せて眼帯をした船長とか、帆柱にはためくドクロの黒旗とかが思い浮かぶだろうか。  それとも、長期連載中のあの大人気少年漫画を連想する人もいるかもしれない。    日本にもかつて海賊がいた。  島国日本では、漁業や船を使った輸送業など海で生きる者達が古くからたくさんいた。     人間が多く集まれば、お互い利害が生まれ、争いになる。生きるため悪事に走り、船や浜の村を襲う者もいる。  そんな中で、より強い者が次々に仲間を増

息をするように本を読む 13   〜マーク・トゥエイン〜  「トム・ソーヤの冒険」

 この小説はずっと以前に、あの有名な清涼飲料メーカー提供のテレビアニメになったのでご存知…

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息をするように本を読む 14 〜恩田陸「蜜蜂と遠雷」〜

 中学の頃、英語の授業中に先生からpresentとgiftの違いについて尋ねられた。  うーん、プ…

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息をするように本を読む 15 〜高田郁「みをつくし料理帖」〜

 私はラジオが好きだ。在宅しているときは、台所に置いたラジオがほぼ一日中ついたままである…

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息をするように本を読む16 〜上橋菜穂子「精霊の守り人」〜

 子どもたちが小さい頃、児童書の頒布会に入っていた。  私が幼い頃に両親にいろんな本を買…

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息をするように本を読む 17 〜伊坂幸太郎「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX…

 伊坂幸太郎作品にはいろんな職業の人たちが登場する。  中にはこんな職業、本当に存在する…

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息をするように本を読む18 〜カフカ「絶望名人カフカの人生論」頭木弘樹編訳〜

 世の中にはポジティブな言葉が溢れている。  ポジティブな言葉は人を元気にするし、背中を…

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息をするように本を読む19 〜モンゴメリ「アンの青春」〜

 「赤毛のアン」といえば、読んだことがある人はたくさんいらっしゃるだろうし、読んだことがなくてもタイトルは聞いたことがある人はもっとおられると思う。  実は、この「赤毛のアン」には続編がたくさんあるのをご存知だろうか。(えっ、知ってる? それは失礼しました)  アン自身が主人公ではない、いわゆるスピンオフ的な2冊を除いても、「赤毛のアン」を含めて全部で8冊ある。(と言っても最後の2冊はアンよりもアンの子どもたちが主たる登場人物になるのだが)  この8巻の間に、私たちのアンは