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「人と同じ仕事はイヤ!」わたしが選んだTVの映像編集という職業のはなし #14

おはようございます!
フリーランスの映像クリエイター、あかさんと申します🍎

ここでは
実際にわたしが8年間いたテレビ業界から
TVの映像編集≫ についてを綴ります。

前回のはなしはコチラから


※はじめに

わたしがTVの映像編集をしていたのは数年前です。

現在は、労働環境が改善されている職場もあります。

また秘密保持の観点から、番組名を出すことはありません。
ご了承ください。


*忘れられない、ディレクターのひと言

もちろん、新人だから多めに見てほしい
というのは甘えです。

お金をいただいて、お仕事としてやっているのですから。

しかし、何度も否定されると
頭では分かっていても気持ちが追いつきません。

そして、しびれを切らしたディレクターは

ついに
わたしのフォローについている先輩に

「アシスタント変わってもらえない?」

と言ったのです。

その先輩をK先輩と呼ぶことにしますが
K先輩は前日が徹夜勤務でした。

わたしのフォローは朝~夜までついてもらう予定です。
つまり、丸1日半会社にいるわけです。

編集中も船をこいでいたので
(仕事中に寝るのはあるあるでした)
アシスタントを交代すると負担をかけてしまう、と思いました。

K先輩も戸惑っていましたが
クライアントの指示なので従うしかありません。

わたしは精一杯の強がりで
「すみません、お願いします」
とササっと交代しました。

すると、先ほどまで寝ていたK先輩が
ものすごいスピードでキーボードをたたきはじめ
あっという間にテロップを作りあげました。

K先輩「こんな感じですか?」
ディレクター「いいですね!そしたら、ほかのも同じようにしてもらって」
K先輩「わかりました」


普段はおっとりした優しい女性のK先輩ですが
編集の現場を1年半やってきたのですから
スキルも申し分なくて(K先輩は2年目だった)

そうそう、こういうデザインのものが作りたかったんだ
というテロップを次々に作っていきました。


*「これならできます?」と聞かれて

たまにあるディレクターからの要望にも
しっかり応えてテロップを作り出すK先輩。

すごいなと感心もしましたが

正直、泣きたいほど悔しかったです。
根性で泣きませんでした。


どのような色の組み合わせをするのか?
フォントはどう選んでいるのか?

とにかく先輩を観察し続けましたが

デザインセンスなんて
一朝一夕で身につくものではありません。

やがて、先輩の退勤時間になると
わたしはアシスタントに戻されました。

ディレクターは残念そうでした。

わたしにはこんなテロップ作れない。どうしよう。
と不安でたまらなかったです。

思案したあと、ディレクターは
こう提案しました。

「ボイステロップならできます?」

ボイステロップとは、出演者がしゃべっているテロップのことです。

そういえば今まで説明していませんでしたが
事前にディレクターから『テロップ原稿』というのを貰います。

編集アシは
そのテキストデータからコピー&ペーストをして
テロップを作っていきます。

いちいち、テロップ箇所を再生して
文章を打ち込んでいたらキリがないのです。

基本テロップ原稿はどの番組でも貰えますし
このときもありました。

きっとディレクターは
「この人(わたし)は、作りこみ系のテロップは作れない。
ボイステロップのほうが時間もかからないし、まだマシかなあ」
と考えたのでしょう。

できるかもなにも
それをやるっきゃない状況だったので

「できます!」
と元気よく答え、キーボードをビシバシと叩き始めました。


つづく


ここまでお読みくださり、ありがとうございます!

あかさん🍎


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