『希釈王』漫画感想文・ネタバレあり
須川佳さんの『希釈王』(KADOKAWA/ハルタコミックス)を読みました。
好き……! となったので感想を書いてしまいました。
ゴブリンやノームなど多様な種族が集中する都市と、街を護る仕事に就くエルフ・“署長”の物語。
オムニバス形式の一巻完結作品です。
署長は優しくて不器用だけど自分の中のルールに折れずに生きてる感じがする。完璧超人じゃない(どちらかと言えばツッコミどころが多い)けど、市民への思いやりがある。
そして逆説的に暴力のグロさをわかりやすく見させられた気がします。
(私が個人的に持つ)既存の記号を超えた世界観や人物造形にどきどきしました。自分の形成してきたイメージには何も根拠がないんだな、とも思いました。
ほわほわしたデフォルメ絵もかわいらしくて、それすらもひとつの仕掛けとして作用してる気がする。作家さん唯一無二の漫画、と感じます。
読後にタイトルの意味を空想してウワーッ……! となる漫画でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?