競技経験から考えるスポーツの未来について


これは「#10年後にスポーツ業界を盛り上げる若者たち のAdvent Calendar 2023」の10日目の記事です。


スポーツの未来を真剣に考えて行動をしている皆さんの中で、記事を書かせていただくことはとても恐縮ですが、目を通していただければ幸いです。


早速ですが、簡単に自己紹介からさせていただきます。
名前:政岡航大 
年齢:22歳
出身:鹿児島県
大学:立命館大学 産業社会学部 現代社会学科 スポーツ社会専攻 4回生
スポーツ歴:剣道16年,水泳3年

今回記事を書く機会をいただいて、何を書くか迷いましたが、
私は、これまで大きくプロスポーツに関わってきた経験や、これから就職先としてプロスポーツや企業スポーツに関わるわけではありません。

そこで、私の競技経験を踏まえながら、未来のスポーツ界についての想いを書かせていただきたいと思います。

少しテイストが違うかと思いますが、ご了承ください。


上記の通り、私は剣道を16年、水泳を3年していました。
水泳は幼稚園年長から、剣道は小学校1年からです。

水泳はなぜ始めたのかは定かではないですが、剣道は父の影響もあり、自分からやりたいと言ったのを覚えています。

剣道を始めたのは、地域のスポーツ少年団でした。
監督や保護者がとても熱心な場所で、週に5,6日は練習・試合があるのは当たり前でした。
もちろん、試合に負けたり、ふがいない試合をしたりすると、怒られ、練習に行くのは好きではなかったです。
厳しい環境であった為、県内の大会ではたびたび入賞することもできました。

小学校4年生になると、親の転勤の影響で、県内の別な少年団に移動をすることになりました。
その少年団は週に3回の練習で、団員の意識も低く、「試合に勝つための練習」というよりは、「基礎を大切にする」という方針でした。
最初は戸惑いが多く、試合に勝てない時期も続き、もどかしい日々が続きました。
しかし、父が個別に練習をしてくれたり、休日は他の道場に行って練習をするなど、自主的に行動することが増えたと思います。
そのおかげもあって、小学校6年生時には県代表に選ばれ、全国大会に出場することができました。

中学生時代は栄光でした。
2年生の時に全く勝てない時期が続きました。
状況を変えなければと思い、1日に3部練習や朝6時起きてランニング、高校への出稽古等、人生を振り返っても、1番努力をしていました。
その甲斐もあって、県内のタイトルを独占し、全中の個人戦・都道府県対抗でベスト8に入賞できました。
努力をして、成功体験をすることができました。

高校では大きな挫折を経験しました。
中学での成功体験から、本気で日本一になることを目標に設定し、県内1の強豪校に入学しました。
しかし、体格の差を痛感し、1年半レギュラーに定着することができませんでした。
自分たちの代では、全国選抜に出場したり、西日本のほとんどの高校が集まる大会で優勝するなど、県内では敵なしでした。
しかし、最も目標としていたインターハイ予選で敗退してしまい、人生で1番悔しい経験をしたのをおぼえています。
今でもたまに夢に出てきます。(笑)
最後の国体では、一矢報いて5位入賞を果たしましたが、目標としていた日本一には届きませんでした。

大学では、スポーツ推薦で入学しました。
コロナウイルスにより、入学後はまともに練習もできず、大会も中止となり、モチベーションは下がる一方でした。
大学では、平日は学生のみで練習をするなど、学生主体で練習や組織運営を行います。これまでよりさらに「自主性」が求められました。
4年間で紆余曲折ありましたが、最後の1年は主将としてチームを運営し、京都府代表として都道府県対抗出場、全日本個出場、西日本大会3位、全日本大会ベスト8等、結果を残すことができました。

大学では、剣道ばかりしていてはだめだ!と思い立ち、友人の勧めから、京都ハンナリーズのインターンに少しだけ参加をしました。

少し長くなってしまいましたが、以上が私のスポーツ歴をまとめたものです。
少し、成績をひけらかすような形になってしまったことはご了承ください。

結果としては、各年代で全国大会に出場・県の代表に選ばれました。
決して順風満帆ではなかったですが、剣道を通じてたくさんの友人と知り合うことができ、良い経験もたくさんすることができたことはありがたい限りです。


これまでの私のスポーツ活動を客観的にみると、普通ではないなと感じます。

例えばですが、これまで私が経験してきた指導・行動は、「勝ちを求めたスポーツ」いわゆる「勝利至上主義」であったように感じる方も多いのではないでしょうか。
私もそのように思います。

決して監督に「勝つことがすべてだ」と言われた経験はありませんが、どこかそのような雰囲気の下で、剣道をしてきました。
特に高校時代は、剣道推薦で大学進学をすることを視野に入れたうえで、高校に入学したため、「結果を出さなければ、進学先がない」といった気持ちでした。

もちろん、剣道は(剣道に限らずだが)礼儀作法を大切にしており、理念では「剣道は剣の理法の修練による、人間形成の道である」と謳われています。

私自身も、試合で負けて不服な態度を取り、こっぴどく「勝ち負け以前の問題や、剣道やめなさい」と叱られたことはあるが、「試合に勝ちたい」と思うことが頭から消えることはありませんでした。

この経験から、私にとっての剣道のモチベーションは「勝つことの喜び」であったことが分かります。
試合に勝てているときは、剣道をすることも楽しいと感じていました。


以下の表は、モチベーションサイクルです。
目標に向かって努力をした結果、成果が出たとします。成果を生み出した結果、何らかの報酬(金銭・評価・成長・達成感など)が得られるはずです。すると満足感を得られ、更に努力をしようとする。ということを表しています。

日経新聞,https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20101108/353898/


私にとって、
「成果」は試合で勝つこと
「報酬」は褒めてもらえることの達成感や、ご褒美。
であったように思えます。

これらの「成果」「報酬」の捉え方には個人差があります。
試合に勝つことだけが、「成果」ではなく、
例)
練習していた戦術・技が試合で成功した。
試合には負けてしまったが、前回より成長を感じることができた。

スポーツを通じて少しでも成功体験や快感を得ることができると、
モチベーションの向上につながり、競技を好きになってくれることに繋がると思います。



少し話は戻りますが、わたしは決して体罰を受けたことはありません。
しかし、体罰を受けている現場を何度も見てきたことは事実です。

スポーツ界では勝利至上主義による、行き過ぎた指導がたびたび問題になっています。

ここで、子どもたち(ここでは小学生から高校生までとする)を取り巻くスポーツ環境について、目を向けてみたいと思います。
考えられるだけ、抱えている問題を挙げてみます。
(補足等ありましたら、コメントください。)
〇無くならない体罰問題
〇野球等の人気スポーツといえる競技人口の減少
〇ゲームの普及・公園等の遊び場の減少による遊ぶ機会の減少
〇部活動における地域移行
 →教員と外部指導員の指導の違い、引率・練習場所の問題など、
〇スポーツ少年団の全国大会の廃止
〇保護者と指導者との関わり

思いつくだけ挙げてみましたが、まだまだ課題は山積みだと思います。


今回のテーマが
10年後のスポーツ業界を盛り上げる
ということで、
私が実現したいことを考えた時に、
「子どもたちにスポーツを身近に感じてもらいたい」
ことだと考えました。

私は小さいころからスポーツを見ることもすることも好きで、
今でもプロ野球を見ることや、剣道をすることは
生活の一部になっています。

今の自分があるのは、間違いなく剣道に一生懸命取り組んできたおかげであり、
剣道を選択したことに後悔はありません。

これまではプレイヤーとして剣道に携わってきましたが、
大学卒業で一区切りします。
(剣道は続けますが、試合がメインではなくなる)

ですが、主に指導者として、剣道に関わっていけたらなと考えています。

先ほど、子どもを取り巻くスポーツ環境問題を挙げましたが、
これらの課題を解決することは簡単ではありません。

スポーツが楽しいと感じる瞬間は人それぞれだと思いますが、
私は「勝つ喜び」に勝るものはないと思っています。

競技をする上で、「負けたい」と思って、取り組んでいる方はいないように、やはり「勝ちたい」と思って取り組んでいるはずです。


ですが実際に「目標を達成する」のが大切ではなくて、
「目標を達成するための過程」が最も大切だと思います。

スポーツ以外でもそうですが、なにごとでも目標や目的を達成するためには、
計画、行動(努力)、反省、再挑戦、目標の再設定が必要です。

これらの人生で必要な思考・行動を、
スポーツに一生懸命取り組むことで、得られるものだと考えます。


スポーツを通じて、成功体験をしてほしい。
そして、あらゆることに挑戦、行動をすることができる
子どもたちを育てていきたいというのが、私の想いです。


おいおい、、そんな大きな目標を掲げるのはいいけど、
お前に何ができるんだいと思っている、そこのあなた。

来春から、子どものスポーツ関係に関わるとある場所に就職予定です。
スポーツを通じて豊かな社会を作れるように精進してまいります。


皆さまとは違うアプローチかもしれませんが、願う未来は一緒です。

一緒に仕事ができる日が来ればとてもうれしいです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



明日は笠原優人さんの記事です!
お楽しみに!



 






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?