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うつ×ADHD×東大受験 44 息子のマイペース受験記 空回り

高3の夏休みにうつ・ADHDと診断された息子。センター試験直前に親子で向き合って話をしたことをきっかけに症状が改善したが、勉強は間に合わず宅浪することに。そして共通テストは目標点達成。しかし慶應は数学で失敗。理科大の入学金を納めたものの息子は高まる緊張で散歩中も無口に。そこでいつも聞き役のわたしが心境の変化を語った。今回も日記から。

2月20日(土)

今日はタローが朝だいぶ眠そうで、8時半過ぎに昨日と同じ時間だよ、と声をかけると、つらそうに「起きなきゃね」と起きた。ベッドを出るまでに20分くらいかかった感じ。

散歩では「あと1週間たったら終ってるのかー、長いなー」と日に日につらそうに見えてくる。
でもやる気。食事も早いし、まったりせずさっさとテーブルから離れる。

「もう楽しみを作らないと乗り越えられないよ」
「じゃあ作ろうよ。何がしたい?」
「井ノ頭公園に行きたい。それと動物園も」
「私も行きたいから行こうよ」
「それと横国」
「いいねー」
「あ、でも横国は1人で行きたいかも」
「そうなんだ」
「うん。でも中に入れないんだっけ?そしたら意味ないからやめておく」

勝算は半々か。物理ができると化学が悪く、化学ができると物理が悪いらしい。平常心でできないような気がするから、横国いいぞって思って受けるつもりだという。

鳥がたくさん電線に止まっており、その下はふんがたくさんあるので歩くのがドキドキする。

夕方になって、「横国ひとついやだなーと思うことがあって…」といってくる。
「保育園の友だちと小学校の友だちが現役で入っているので、浪人してここなんだ、と思われるのがちょっとねえ」
わかるような気がする。わたしはそんな小さなこと気にしなくてもと思うけど、きっと本人の中ではまあまあ引っかかるのだろうな。
なんとか気持ちを前向きに持っていきたくて
「でも前期と後期では偏差値が違うよ」
というと、パッと表情が明るくなった。

「それに、東大は合格か不合格ではなくて、きちんと成績開示されるから、去年はあと40点だったのが、今年はあと5点になったとか、成長がわかるよ」
「そうだね」

ほぼ1日問題を解いているので静かに読書して過ごす。

タローを起こすときは笑顔で。わたしがこわい顔をしているとなかなか起きられない。 それに笑顔を見せていると、それを見たタローの口元がわずかに緩む。その表情の変化を見るのが幸せで、ついがんばって笑いかける。

工事けっこう進んだよう。

2月21日(日)

ジロー英検準2面接。タローは9時頃起床。ジローの起きる7時半に一緒に起きるといっていたがやはり難しい。

散歩はとても暖かく、ダウンを着たことを後悔。タローは東大試験前の自分を記録しておきたいのに、スマホの容量がいっぱいでできない。何とかして欲しいといってくる。お昼前にダーと近くの公園へウォーキング。そして洋菓子屋さんへ。今日はタローの好きなウィークエンドを買うことができた。

お昼はラーメンにすることにしてもやしを買ったが、帰りにお腹ペコペコになり、おやつを先にすることにして、みんなで(ジロー帰っていた)ウィークエンドを食べた。なかなかおいしい。その後ダーがラーメンを作ってくれた。

タローは今日から演習をやめ、いろんな資料の見返しをしている。ソワソワ感。あまり集中してはいない感じ。この1週間切ってからの長さ。自分の時の空回りを思い出す。感覚としては退職前の1週間だ。それまでなんていうことのなかった毎日だったが、辞めると決めた途端、1日が急に長く感じ、最後の1週間は時計が10分の1のスピードで回っているのではないかと思った。

夜はグリーンカレー。ナスと舞茸をたくさん入れすぎてタローには不評。

夜、タローのスマホ容量を開ける手段をいろいろ調べたが、iCloudやiTunesではなく、Googleフォトを使ってみることにした。これなら丸ごとバックアップでなく写真単位で保存でき、パソコンにも残せるのではないか。苦戦して0時半を過ぎてしまった。


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