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今の教育は親も子どもも疲弊して当然だと思う。

親も子どもも、とても頑張っている。いまの社会はとても「急かされる」社会だと思う。

〇歳までにこれができているのが普通とか、これができていなきゃとか、将来のためにはこういうことをしておいたほうがいいとか…それぞれの人が、それぞれの場所で、勝手なことを言っている。

ただ、バラバラなように見えて、そこには、なんとなく共通しているようなイメージがある。

「創造的な子」「頭のいい子」「コミュニケーションが上手な子」「自分で考えられる子」「優しい子」・・・etc。奥のほうにちらちら見え隠れするそうした「理想」のイメージ。
そりゃ、そういう子どもであるに越したことはない。だからそうしたイメージは、なんとなく親の心の中に取り込まれていく。

加えて、特に日本は「まともな子でないといけない」という感覚も強いように思う。(それは危機感や恐怖が近いような感じがしている)

多くの親の中に、うっすらとした「こういう子にしないと」がつくられていく。そして親は無意識のうちにそれに急かされるように、子どもと接してしまう。親の頭の中には、つねに「この子に必要な次のステップ」がある。

そして、さらに幼稚園や保育園があり、学校があり、タスクはもっと増えていく。

子どもからすると、次はこれ、次はこれ、と目の前に次々にタスクが置かれているようなものだ。

そして、実はそのメッセージから受け取るものは「足りない、足りない」という「あなたは足りない」というものだったりする。

ちなみに、私はこれ、親の責任ってことではないと思っている。だって、そもそもこれ、いまの「社会」が放っているメッセージそのものだから。そこから抜け出ていられることのほうが、けっこう奇跡だとと思うから。

急かされているのは子どもだけではない。大人もこの「足りない、足りない」にせかされ続けている。それが、今度は親が発信者となって、子育てや教育にも同じように表現されているだけだ。

誰も悪くないどころか、めちゃくちゃ頑張っている。大人はそもそも頑張っていて、しかも、子どものためにと思ってもっと頑張ろうとしている。
子どもも、親がうれしそうなのはうれしいから、できるだけ頑張ろうとする。

誰も悪くない。


悪くないけど、問題は、このままじゃ誰も幸せにならないこと。


目指すべきものが子どもの目の前にどんどん並べられていく。子どもはそれをやらなきゃいけない。OKが出るまでやり続ける。認められたり褒められたりするのは、よかったとき。そうじゃないときは周りの大人に注意される。ひとつ超えたらまた次の課題がやってくる。

大人(親、世間、社会)から与えられるものをこなすだけで、あっという間に時間なんて過ぎてしまう。

そうしていると、自分は何をしたいかなんて考えている暇なんてないし、なにか一つのことに熱中する時間なんてないわけで・・・

やりたいことがわからない子どもができて当たり前だし
やる気のない子どもだってできて当たり前。

何度も言うけど、誰のせいってわけでもない。みんな普通に生きているだけ。普通の世界で普通に生きたら幸せになりにくいっていうのが問題なだけ。


でも、じゃあどうしたらいいかというと、その解決策ってなにか「すること」ではなく、むしろ今までさんざんしてきたことを「やめる」に近いのだ。

子どもをそのままにしておく、っていう。

子どもはそもそも、好奇心を追い続けるような生きもの。
自分が好奇心を持ったものなら、いくらでも熱中するし、もっと知ろうとする。

そしてそれは、ひとりひとり違った個性をもつ。大人の予想は外れるし、予想を超えてもくるかもしれない。

大人がそれに対してやれることは「サポート」でしかないのだと思う。(そのサポートの幅は、それなりに多いだろうけど)

ただサポートをするだけで、子どもは前に進んでいくし、自分でその先を見つける。だって、タスクをこなすという仕事がなかったら、子どもはとにかく「自分の人生を生きる」という仕事をするから。

子どもにとって必要なのは、その過程で得られていくものだ。
自分の興味を突き進める力だったり
わからないときに答えを自分で探しに行ける力だったり。

それは幸せになるためのベースみたいなもので、それさえあればほぼ十分なんじゃないかって思う。

だってそのベースさえあれば、
子どもはあとは自分の力で生きていける。
自分でやりたいことを探し出すし、実現するための方法も探せる。

大人がやる必要のあるものはそんなにないわけで、むしろ「こんなに楽にやってよかったのか」と言いたくなることさえあるかもしれない。

教育って、やるべきことを教えてあげることではなくて、子どもが自分の可能性を広げていくための環境を整えてあげることだと、私は思っている。


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