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ハリウッドゴジラ3作品を見返して感じたただの感想【ネタバレあり】

気兼ねなくネタバレしてます。
そのわりに順序立ててあらすじを語ってるわけでもないです。
以下の映画をまだ見ておらず、ネタバレまじやめて!!!という方は、今すぐ回れ右してください。
・GODZILLA(1998年)
・GODZILLA(2014年)
・GODZILLA KING OF THE MONSTERS(2019年)

GODZILLA(1998年)

ゴジラファンから酷評されまくったGODZILLA(1998年)。

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何が良くなかったって、この映画には『ゴジラ(1954)』をベースにしたコンセプトが全く感じられなかった。善も悪もないただのトカゲに対して、畏怖こそ感じれど、敬意は払えないもんね。

もうひとつ残念なのがチープすぎるCG。画質の問題ではなく、とにかく嘘っぽいのが気になった。街で暴れるシーンとか、上からペタっと貼った感じがすごいのなんのって。本作の5年も前に公開されているのに、スクリーンの中で完璧に人間と恐竜が共存していた『ジュラシック・パーク(1993)』から何も学ばなかったのだろうか?

SF映画に一番求められるのは、いかに没入できるかの臨場感がすべてなんだけどなー。

監督は『インデペンデンス・デイ(1996)』のローランド・エメリッヒ。
ローランドは、この記事で、公開から20年たった後、当時のことをこう振り返っていた。

「ゴジラの大ファンだった僕にとって、ゴジラのハリウッド・デビューに携わることは、とんでもないプレッシャーだった。最大の問題は、あの映画を『インデペンデンス・デイ』と同じくらい大スケールで、オリジナルで、激しい映画にしようとしていたことかもしれない。あれは、そういう機会ではなかったんです。」

ローランド監督も振り返って反省してる通り、はなからゴジラ映画にオリジナル性なんて求めてないんですよ。だってオリジナルの『ゴジラ(1954)』で、ゴジラの存在意義も、世界観も、確立しとるんやもの。

仮にゴジラの冠を被らせず、『ランペイジ 巨獣大乱闘(2018)』みたいな感じで公開してたらここまで酷評されなかったのでは?
実際、ゴジラファン以外からはそこまで評判悪くないよね。たぶん。

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虫の息のゴジラママには流石に胸痛みましたが。
ご冥福をお祈りします。。。どうか安らかに。。。😢


GODZILLA(2014年)

1998年の悪夢を踏み台にして生まれた、真の意味でのハリウッド版ゴジラ。
手掛けたのは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)』のギャレス・エドワーズ監督。この人がとにかくどんだけゴジラ好きやねんっていうぐらい、原作のオマージュを散りばめてくる。


ゴジラファンはもちろんのこと、基本コンセプト『ゴジラ=神、人間の罪が具現化された存在』というのをしっかり随所に示してくれてるので、事前知識が何も無いゴジラ初心者の人も親切な作品になってると思う。


ムートーがいい感じにキモきもいい(決して可愛くはない。なんだあの脚。とにかくキモい要素の詰め合わせなのでキモきもいい)けど、ムートー夫妻の存在感を前面に出してくることで、あえてオリジナル性を出してきたのは全然良かった。

この後に続く、『GODZILLA KING OF THE MONSTERS(2019年)』に比べて評価が低めなのは、ヒューマンドラマ尺があまりにも長過ぎたからじゃないかと個人的に感じている。やっぱ皆、怪獣が派手に戦ってるの見てスッキリしたいから、眠くなっちゃうんですよね。

実際、前半はゴジラはおろかムートーもしばらく出てこなかったのと、出てきてからも地味な絵面が続いたから、気持ちよく放射能吐いてくれた時には、うおおおおおおゴジラかっけええええええってなったよね。

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特にこのシーン、もんのすごい快感だったのは私だけじゃないはず。
気持ちよすぎて巻き戻して4回見た。


GODZILLA KING OF THE MONSTERS(2019年)

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これよ、求めていたのは!!!!!!!!
ゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラ…名だたる怪獣たちの総決戦!これこそ望んでいたハリウッド・ゴジラ。非常に見応えがありました👏
やっぱり怪獣映画はぶつかり稽古メインじゃないと。
『ドラゴンボール超 ブロリー』の評価があんだけ高いことからも、言えますよね。ホント気持ちいい映画でした。

監督は、前作『GODZILLA(2014年)』から交代となり、『X-MEN:アポカリプス』で知られる超ゴジラオタク、マイケル・ドハティ監督。
各怪獣のテーマ曲を絶妙なタイミングで挿入してくるセンス、さすがっす。

まず、今回の立役者と言ってもいい、キングギドラ様。
とにかく半端ない圧倒的強さで素晴らしかった。
注文をつけるなら、若干顔が可愛すぎたので(知らない人が家に来て吠えてるワンコみたいだった)もう少しイカつい方が好みだったかな。

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ビリビリビリ〜〜〜!!!!って雷光放つのタマランよ。
劇中では、ゴジラと3回バトって、3戦2勝1敗。つよ〜い!!



「ごますりクソバード」「イキリ翼竜」「チンピラドン」とネットの住民たちに散々ヤジられ、不名誉な命名を賜われたラドンさん。

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登場してすぐギドラパイセンに喧嘩ふっかけにいったものの、瞬殺で敵わないと悟ったらそっこー寝返ってモスラたんをひどい目に。その上、最後のアレは何よ。。。という人間味もとい鳥味にあふれるキャラクターだった。

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うん。ぜんぜん嫌いじゃないわ。



モスラたん。

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初登場時にエマ親子と心を通わせるシーン、滝の中に青白く光る神秘的なシルエット、ゴジラを助けに雲の中から現れるシーン。どれも神々しくて良かったです。
身を挺してゴジラを守り、瀕死のゴジラに呼びかけるシーンが泣けた。
ただ個人的に、もっとカイコガみたいな妖精的モフモフ感が欲しかった気もする。


映画の後半は怪獣同士のバトルメインとはいえ、二律背反の感情に苦しむヒューマンドラマ描写も、しっかりエッセンスとして配合されてました。


エマ博士(人間の声とゴジラの音声を合成して生成された周波数を発信する装置「オルカ」を操る人)の「人間の数を減らさなあかん。」と神立場の言い分に関して。
これ、どっかで聞いたことあるな、それもつい最近。。。(´ε`;)ウーン…と思い返してたら、アベンジャーズでもサノス親方も全く同じこと言うてたのを思い出した。

そういえば、ジョーカーでアカデミー賞 主演男優賞を獲ったホアキン・フェニックスも、近年の人間の振る舞いに苦言を呈してましたね。

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モナークの監視映像には17体もの怪獣が映ってたし、次作はコング VS ゴジラ か???とか言われてますが、個人的には本作でお腹いっぱいになったし、公開順を間違えたのでは?と思ったりも。。。(とか言ってて、公開されたら絶対見に行きますが)


コロナで中々新作を劇場へ観に行けない状況ですが、こんな時こそサブスクを活用して、過去の名作を観ましょ〜!


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