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KEI's Craftと短編ミステリの時間⑥

短編・長編問わず、小説は、タイトルにも魅力がありますよね。

題名を見て、面白そう!と思って読んでみたくなることもありますし、
内容が面白いのに、タイトルがちょっと・・・だと残念な感じです。
翻訳ものでも、正にぴったりハマった題名だったりすると嬉しいです。「KEI's Craftと短編ミステリの時間」展示作品より、
タイトルに惹かれた作品を2編、ご紹介します。

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「 オッソ・イラティをめぐる不和 」
( 近藤 史恵・著     
『タルト・タタンの夢』 (創元推理文庫)より )
 
仏訳タイトル: Une brouille autour d’un Ossau-Iraty
UN REVE DE TARTE TATIN
by Fumie Kondo, 2007,2014

◇ キャンドル作品名:「仲直り」

フレンチ・ビストロ「パ・マル」。
シェフの腕前はもちろん、スタッフも感じがよく、とても居心地のよさそうなお店です。
「パ・マル」へは、時折謎や疑問を抱えたお客がやってきます。
大きな犯罪などではなく、その人にとっての謎、心に刺さったトゲのような、そんな事件をシェフが解き明かしてくれます。

さて、タイトルですが、「オッソ・イラティ」って何だ??ということに尽きるでしょう。気になる~!読んでみたくなりますね。

キャンドルは、「不和」から→「仲直り」して、こんなバラのキャンドルなどを灯しつつ、また「パ・マル」でのディナーを楽しんでほしいな、と思って作りました。

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「 家屋周旋業者の珍種目 」
( G.K.チェスタトン/中村 保男 訳
『奇商クラブ』 (創元推理文庫)より )

原題: The Singular Speculation of The House Agent
from THE CLUB OF QUEER TRADES
by Gilbert Keith Chesterton, 1905

◇ キャンドル作品名:「Home Sweet Home」

「ブラウン神父」シリーズで有名な、チェスタトンが描く
「他の誰もがやっていない商売で生計を立てている」人しか入れない、
「奇商クラブ」のお話。
(”Queer”=”奇妙な”という意味ですが、同じく”奇妙な”という意味の"Strange”とはニュアンスが違ってQueerの方が、より「変人」とか「怪しい」というイメージなのでしょうか。)

中でも、タイトルが読みづらい(笑)けど、内容は一番好きなこの作品にしました。
パッと見、中国語?というようなすごいタイトルです。原題も、チェスタトンらしいというか?昔だからなのか?難しい単語でまわりくどい印象なのは私だけ?・・・(笑)
でも、なんだかんだで最終的にはほっこりできるお話ですよ。

よく考えたら、100年位前に書かれたこの小説。
「奇商」の数々は、21世紀の現在になってみれば、もう「奇商」ではなくなっているものもあり、チェスタトンが生きていたら、さぞ面白がったことだろうと思います。

さてキャンドルは、お家をモチーフにした 蜜蝋のキャンドルです。
木製のブックエンドにぴったり。やはり自然の物同士は相性が良いです♪

次回でこの作品紹介も最終回。
巨匠お二人の「クリスマスつながり」で締めたいと思います。

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