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「アートってどう見ればいいの?」と思っている人たちに

「アートとか美術とかって敷居が高そう」
「美術展に興味はあってもなかなか行けない」
「自分がアートに触れてもいいの?どう見ればいいの?」

私は学芸員の資格や専門家でもなく、ただのアート愛好家です。なので偉そうなことを言える立場の人間ではありませんが、どうやってアートを楽しんでいるのかを綴っていきます。

今回は印象派の画家であるアルフレッド・シスレーの作品を例に挙げます。印象派の作品の特徴は、描く対象の周りの光や空気感を表現しようとしていること。見たものをそのまま描く表現技法ではありません。

アルフレッド・シスレー『サン・マルタン運河』
1870年

上の作品、まず目に入ってくるのは大きな運河と雲が浮かんでいる空。
私が印象派の作品を見るときは水面と空に特に注目します。
水面は空に浮かんでいる雲や運河沿いの建物を反射しています。
空も水色や白一色で描かれているのではなく、濃い青やグレーが混ざった色や、雲に少し黄色が混ざっているようにも見えます。

あと、空と運河で筆づかいも違うように見えます。運河の方は水面のさざ波を表現するために細かいタッチになっています。一方で空は雲のやわらかい感じを丸っぽい筆の動きで表しています。

このように、ただ「あぁ、風景が描かれているなあ」と思うのではなく、
何をどのような筆づかいで、どのような色で表現しているのかを観察することを意識的に行っていることが多いです。

アルフレッド・シスレー『小川沿いでの休息』
1878年

それでは次にこちらの作品を見ていきましょう。
木々や草木が画面の大半を占めていますが、木々の葉と地面の草木を描いているときの筆づかいが違っています。右手前の木々は濃い緑色で点々が塗り重ねられて描かれており、奥の方のものは薄い緑色で表現されています。
そして、草木は空に向かって伸びているのが分かるように描写されています。

一番目に紹介した『サン・マルタン運河』は水面のキラキラした反射や明るい色の空が特徴的でしたが、こちらの作品は落ち着きのある緑色です。

このように、二つの作品を見比べて「それぞれの絵画は何が特徴なんだろう?」「どちらが自分の好みかな?」と考えることもあります。

今回書いたのはほんの一例です。
専門家やプロの方からすれば意見の一つも言いたくなってしまうような見方かもしれませんが…

これからアートに触れてみたい、展覧会に行ってみようかな、と考えている人たちのヒントになれば嬉しいです。

また、現在 (2023年12月10日) 開催中・開催予定の印象派関連の美術展インフォメーションを載せます。興味を持った方はぜひ足を運んでみてください!

以下の二つの展覧会は、印象派を代表する画家・モネに関連するものです。

こちらは印象派の画家のほかに、現代を代表するアーティストの方々の作品も見られます。

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アートを通して皆さんの人生がより豊かになりますように。

さくらあかり


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