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11月2日

小さな町のカラオケバーから、おじさんの「硝子の少年」が聞こえてきた。
完全に音がズレている。
あと半音くらいなのに、「が」らすの「しょ」うねん、の高い音が出てないな。
楽しそうだから、なんでもいい。カラオケは楽しむことこそいちばん大切なこと。

自転車を漕いだ。
明日は学祭だ。

家に着いた時、同じアパートに住む人が同じく後ろから自転車でついて来ていた。
自転車を停める時になって気づいたのだけれど、何か声をかけられた。
「〜〜〜ますっ」。
うん、?なんだろう。挨拶だと思うが、夜なのに「おはようございます」な訳が無いし、ここは会社とかそういうのじゃないから、出社時の挨拶は「おはようございます」ですとか決められている訳じゃないし。
と言ったところで、「こんにちは」、「こんばんは」に「ます」を付ける人がいるのかなと考えた。付けるとしても「こんばんはです」くらいしか思いつかない。
あ、そもそも私に話しかけている訳じゃないのかな。イヤホンをして誰かと電話していた可能性もある。それだったら納得がいくと思った。
とりあえず、何か他に話しかけられたら怖いから、さっさと家のドアの前まで歩く。


今日はお昼すぎから学校に行った。木曜の特権である。
お昼のニュースを見ていると今日は各地で「夏日」らしい。
あ、暑いのか、と思いながら自分の服装を見る。
遅いなぁ、もっと早く言ってくれれば重ね着なんてしないのに、ましてやセーター生地のものを上に着たりしないのに。
でも夜寒くなるかもしれないと思い、天気予報を見たが、帰る時間にはまだ20℃を超える予想だった。太陽が出ていない分寒く感じるだろうと、無理やり自分に言い聞かせ、というかたぶんそうだから、それを理由に着替えなかった。
面倒くさいというのが本当の理由だと気づくのは、私以外に、私をよく知る身近な数人(実家の家族を含む)だけだろう。
昔から着替えて、うーん違うな、となってまた着替えるのがあまり好きではなかった。
洋服にそこまで興味がなかったし、うーん違うなとなることがなんとなくマイナスな感じがして嫌だったから。
納得のいく洋服を着て家を出ないと、余計気分がさがるのではないかと思うのも、絶対に正解だと思うけれど。
でも私は、もうこれでいいや〜と鏡の前に立つことをすぐにやめていた。
最近は、回数を重ねる程着替えなくてもシンプルなものしか選ばないので、際立って失敗だと思うことも思われることもないのではと思っている。
明日は黒い洋服を着ていく必要があるらしい。
絶対条件ではないけれど、そのほうが良いらしい。
私は黒い服を全く持っていないので、暗い色の服でなんとか誤魔化そうと思う。
多分、鏡の前に立つのは1回だけで大丈夫だ。


11/2

11/1 いちごの新作は発売日に飲むと決めています🍓
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