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【詩】 胎児

口数の少ないあなたが泣いているのはどうしてだろう、
すべては砂のようなやさしさで、
包みこんでしまえば。
コーヒーカップの湯けむりを遠回りした、
みたこともない景色が燦々と、
わたしたちを、
部屋を覆い尽くしたカーテンのやわらかさを伝って。
(わからない視線の一部始終をもう、剥いだりはしないよ)

また、ここから始めればいい
何度でも。
ずっと、抱っこしたルールに切り貼りされて。
おなかの中から、
美しい鏡になることを
はじめから、
予感されていたのだろう。

胎児の声がする。

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