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歯磨き粉とコーヒー豆で友人を殺した日。夢だったはずが衝撃の真相物語

朝起きて、歯を磨いて、コーヒーを淹れて飲む。
これは毎日やっていることです。
この何もないここまでの日常を、なんとか無理矢理飛躍させて物語にならないか?
そんなことを思い、何か書いてみました。


『朝のルーティンが変わった日』

死ぬ間際ってどうなのだろうか?
走馬灯が浮かぶというが、そんなことはない。

僕は今、マンションから飛び降りてみたのだが何も浮かばない。
ただ落ちているだけだ。

なぜマンションから飛び降りたのか?

僕は朝起きて、歯を磨こうとした。
すると歯磨き粉がなかった。
ないというのは中身がなくなったのではない。
歯磨き粉自体がなかったのだ。
おかしいなと思ったが、寝起きで考えたくなかった。
取りあえずコーヒーを淹れようと思った。
するとコーヒー豆がなかった。
中身がなくなったのではない。
コーヒー豆の入っている入れ物自体がないのだ。

歯磨き粉もコーヒー豆の入れ物も見当たらなかった。
これは何かがおかしい。
どこに行ったのか考えなければならない。

昨日はどうだったのか?
寝る前に歯を磨いた時、歯磨き粉をどうしたのか思い出す必要がある。

そういえば、昨日の夜、友達が来て、屋上で酒を飲んだ。
そこで、酒のコーヒー割りを飲んだ。
その時、コーヒー豆の入れ物を屋上に持っていった。
そして気持ちよくなって、その場で寝てしまった。
しかし僕は歯を磨かないと寝られないタイプで、酔っぱらいながら屋上で歯だけは磨いたと思う。

ということは総合すると、歯磨き粉とコーヒー豆の入れ物は屋上にあるはずだ。

僕は屋上に行った。

すると友人が寝ていた。
やっぱりそうだ。
なら、歯磨き粉とコーヒー豆の入れ物も屋上にあるはずだ。
その前に友人を起こしてやろうと思った。
友人に近づくと僕の足は止まった。

…死んでる。

どういうことだろう。
僕は頭は朝からフル回転している。

よく見ると、友人の口の中にコーヒー豆と歯磨き粉が大量に入っている。

それによる窒息死が原因のようだった。
苦しい表情をしている。
友人が自分でやったと思えない。

ということは…僕しかいない。

僕が友人に歯磨き粉とコーヒー豆を無理矢理口の中に詰め込んだんだ。
犯人は僕だ。
どうしよう?
僕は殺人犯になるのか?

もしかしたら友人が殴ろうとしてきて、正当防衛で歯磨き粉とコーヒー豆を口の中に押し込んだんじゃ…ダメだ、行動があり得なさすぎる。
なぜ殴ってきた相手に、歯磨き粉とコーヒー豆で応戦するんだ。

僕の人生終わりだ。
殺人犯で捕まるなら一層のこと…。

で、今である。
僕はマンションから飛び降りたのだ。
そろそろ地面に叩きつけられる。

その時だった。

ポヨンとなった。

やわらかいクッションのような感触。
歯磨き粉だった。
大量の歯磨き粉が僕のクッションとなって、僕の命を救った。
全く意味がわからない。
これはおそらく夢だろうと思う。
夢でなければ成立しない。
よし、これは夢だ。起きよう。

すると、いつもの天井が見えた。
やはり夢だった。
コーヒーの良い香りもする。やはり夢を見ていたのだ。

…ん?…なんで淹れてないのにコーヒーの香りがするのだろう?

「おはよう」友人の声が聞こえた。
よかった。生きてる。

僕も友人に答えようとした。
しかし、声が出ない。
なぜだ?

僕の口の中には、コーヒー豆と歯磨き粉でいっぱいだった。
これはどういうこと?
自分でやったのだろうか?
しかし、手足が縛られて動けない。
友人は何事もなくコーヒーを飲んでいた。


どうでしょうか?無理矢理、僕の朝の日常を変えてみました。
こんなことは起きませんが、日常を無理矢理変えてみたら、何かは変わるかもしれません。

赤岡典明(@noriaki_akaoka) • Instagram写真と動画

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