粗さゲームズ5本目:タイムが本当にクライシスな頃

俺は無敵のガンマンだ!

ガンシューティングというゲームは大型筐体を扱うゲームセンターならではのゲームであった。もちろんファミコンの時代からガンタイプのコントローラーは出ていて、赤外線通信でカモを撃つダックハントというゲームはスマブラに参戦したこともあってとても有名である。

しかしゲーセンの方が画面も大きい。音楽も良く聞こえるし、ガンの精度も高い。やっぱりガンシューはゲーセンで遊ぶのが面白いのだ。ゲーセンで初めて遊んだガンシューは確か……リーサルエンフォーサーズだったと思う。

真っ赤な銃で実写取り込みの敵をバンバン撃ちまくるゲームであった。まあ、撃っちゃいけない人質もいっぱいいてこいつらがウザイのなんの…その後はジュラシックパークの奴とか、西部劇の奴とか、色々なゲームにちょこちょこと手を出し……圧倒的な進化を感じたのはもちろんバーチャコップである。なんせ3Dだ。3Dポリゴンの敵をバンバン撃つのだ。演出もダイナミックになったし、撃たれる前に撃つというゲーム性も面白かった。

そして本格的にこれは面白い! と確信できるゲームに出会った。それがタイムクライシス(ナムコ製)であった。

隠れるという面白さ

このタイムクライシスというガンシューの最大の特徴、それは足元にあるペダルを使用して、物陰に隠れることが出来るということである。物陰に隠れていれば、主人公のエージェント・リチャードは完全無敵。敵の攻撃は一切通らない。これが本当に当時は斬新なアイディアだったのである。これまでは撃たれる前に撃つのがガンシューティングだったのだから、一種のパラダイムシフトと言えよう。隠れていてもいいのだ。

が、当然ゲーセンのゲームである以上、永遠に隠れられるわけではない。このゲームには制限時間があるのだ。タイムが0になれば問答無用でゲームオーバーである…ちゃんとこれはストーリー上の必然性もある。リチャードは悪の組織に捕らえられた首相だか大統領だかの娘、レイチェルを救出するために戦っている。リチャードは彼女の命を奪うと予告されている時間までにボスのところまでたどり着かなければならないのだ。おお、ゲーム的な事情を見事にストーリーに反映させている!

というわけで、基本的な戦術は敵の激しい攻撃が行われている間は隠れるということ。ゲームスタート後の一番最初のポイントですぐにそれを知ることになる。リチャードが敵のアジトに侵入して操作可能になった瞬間、敵の激しい銃撃に見舞われるのだ。乾いたような銃声がパンパンとアジトに響き渡る! プレイヤーの方もこれで頭を出したら撃ち抜かれると直感的に分かる(バーチャコップでは敵が連続してパンパン撃つことはまずない)。そして弾が尽きたのか、一度は銃声が止む……今がチャンスだ! すぐさまペダルを踏んで物陰から出て、敵を撃ちまくるのだ! 大量の敵を一気に撃ちまくる爽快感はバーチャコップには無かった楽しさであった。しかもこのゲームには基本的に撃ってはいけないものは存在しないのだ。

キツイ時間制限……

初めの頃は時間を気にすることはあまりない。むしろいきなり来る敵の攻撃の方が怖い。一作目では命中弾の赤発光がなかったこともあって、赤敵が現れたらすぐに隠れるのが基本である。そうして次々と敵を倒して進んでいく。エリア1の鍵爪野郎を倒し、エリア2のボス・シェル―ドを倒し……ここら辺りまで来ると段々気になってくる。時間がない! リチャードもことある事に時計塔を見ているが、プレイヤーは右下の時間が気になってくるのだ。後のシリーズ作と違って、一作目ではポイント移動中も容赦なく時間が進む。早く敵を全滅させないと、移動中に時間切れ……ということも珍しくないのだ。だからといって焦って敵を撃つことを優先していると、今度は命中弾が……一筋縄では行かないゲームなのだ。

ワイルドドッグとの死闘!

そうして100円をいくらか投入し、最終エリアのボスへ。ああ! ワイルドドッグの野郎、レイチェルを撃ちやがった! 負傷したレイチェルを後にして、ワイルドドッグを追うリチャード。奴を倒さねば爆発するアジトからの脱出は出来ない。というわけで残った雑魚敵と共に攻撃してくるワイルドドッグと戦うのだが……こいつの物を爆発させてからの白煙に紛れての攻撃が本当にウザイ! どこから撃ってくるのか分かりにくいし、命中弾はめっちゃ多いし…いくら隠れられるとはいえ、難易度は非常に高いのだ。

それでも何とかワイルドドッグを追い詰めて、最終ポイントへ……今度は手りゅう弾を投げてくる! だが隠れていれば大丈夫だ。それにこのポイントに来れば動きは単調だし、雑魚敵も出なくなる。後はひたすらにワイルドドッグに向けて撃ちまくるのみ……うおおお、倒した!

こうしてワイルドドッグは爆破スイッチを偶然に押してしまい、アジトと運命を共にするのであった。まあ、後のシリーズに皆勤賞で出るんだけどね。

そしてリチャードはレイチェル救出に成功し、燃えるアジトから脱出するのであった……いやぁ、夕日の中をヘリコプターで飛んでいく光景が本当に素晴らしかった。今見るとかなり粗いポリゴンだが、音楽の美しさもあって本当に感動的なエンディングであった。

初代PSとPS2に移植されているが、どちらのガンコンも液晶テレビでは使用不可能である。ブラウン管テレビをまだ保有している人は、ぜひともソフトを購入して遊んでみてほしい。というか、家庭用にまた出してほしいなあ。ガンタイプのコントローラーは海外との兼ね合いで出しにくいのかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?