粗さゲームズ9本目:立ち止まる暇はないドリラー生活

ボタン一個あればいい

1999年、ノストラダムスの予言は外れて、私はKOF99を地元のレンタルビデオ店で熱心にプレイしていた。田舎である我が町にはネオジオ筐体くらいしか遊べるアーケード筐体はなく、ゲームセンターに行きたかったら少し遠くの市に行かねばならなかった。それでたまの休みの日、ゲームセンターにやってきた私は、やたらと地味な画面のゲームに出会う。それがミスタードリラー(ナムコ製)であった。

1000Mなんて簡単……じゃない

このゲームはパズルとアクションを混ぜたようなゲームで、4色のブロックをひたすら掘り進めながら、1000M、つまり1000マス下まで掘り進めればクリアーである。やってみればわかるが、ただレバーを下に向けてボタンをポチポチ押していけばどんどん主人公のホリ・ススムくんは落ちて行ってくれる。なんだ、これなら簡単じゃないか。

……そうして気が付いた時にはブロックに押しつぶされてしまうのであった。ただひたすらにブロックを掘り進めるだけではこのゲームはクリアできないのである。くっ付いたブロックは一マス掘るとすべて壊れる。そうして上からどんどんブロックが降ってくるのだ。ススムくんの上にブロックが落ちてこないように、うまく掘らねば……硬い✖ブロックもうまく避けていかねばならない。一応壊すこともできるが、酸素を大きく消費してしまう。下層まで行くに従い、酸素の消費スピードも早くなっていく。一ブロックだけなら乗り越えられるから、✖ブロックに挟まれないように……うまく移動して……とやってもブロックが思いがけない落ち方をして潰されてしまう。

カプセルの自転車操業

600Mを過ぎると酸素の消費スピードは目に見えて早くなる。急げ急げ、もはやレバーは下しか向かない……わけにはいかん! 酸素がない! 急いでカプセルをゲットしに行くのだ。ああ、✖ブロックに挟まれてやがる!

というわけで、ゲーム後半はレバーさばきと判断力の戦いである。前半のようにまったり掘り進める余裕などない。いつしか残りM数も見ることはない。そんなことしてたら窒息死してしまう。カプセルの数も少なくなるから、見つけたらすぐにカプセルへの道を判断し、上から落ちてくるブロックを避ける道を見極め、カプセルを取ったらまた下のカプセルを……当時のアルカディアでは自転車操業と表現してたっけなあ。ひたすらに掘り進め掘り進め……ついに1000M到達!

地下の王様を説教してゲームは終わる。エンディングは苦労の割にはかなり簡素である。まあ、壮大なストーリーを期待するゲームではないけどね。

現在はニンテンドーswitchでミスタードリラーアンコールが発売中。ぜひとも遊んでみてね。

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