マガジンのカバー画像

魔法仕掛けのルーナ

25
アカネが連載中の「魔法仕掛けのルーナ」シリーズをまとめるマガジンです。
運営しているクリエイター

#ハイファンタジー

【連載】 訪問者1(魔法仕掛けのルーナ19)

「とにかく魔法使いの協力を得る必要がある」  というのが、兄の親友を名乗った男——ジョー…

【連載】 魔法使いの街6(魔法仕掛けのルーナ18)

「ところで君、前にどこかで会ったかな?」  男が顔を近付けてきた。彼は顎に手をやり、目を…

【連載】 魔法使いの街5(魔法仕掛けのルーナ17)

 攻撃が止んだ。  ダランが手を下ろし、声がした方に訝しげな視線を送る。その顔がさも不快…

【連載】 魔法使いの街4(魔法仕掛けのルーナ16)

 声がした方を見ると、先ほどから何度も出くわしている男性客達が、ニヤニヤと無遠慮な視線を…

【連載】 魔法使いの街3(魔法仕掛けのルーナ15)

 走りに走って、ようやく目指していた場所に辿り着いた時、アレクは疲労困憊といった様子だっ…

【連載】 魔法使いの街2(魔法仕掛けのルーナ14)

 アレクは戸惑っていた。  黒髪を短く切り揃えた中肉中背の若者である。彼の深い緑色の瞳が…

【連載】 魔法使いの街1(魔法仕掛けのルーナ13)

 フリードは、辺境で羊飼いを営むシアン家の第一子として生まれた。  彼は純朴で優しい両親のもとですくすくと成長し、やがては家業を継ぐものと思われていた。しかし、三歳になる年に魔法使いの適正を見出されると、彼の慎ましやかな人生は一変する。  魔法を使う能力を有する者は例外なく『学園』に所属し、何年もかけて自らの力を制御する術を学び、我が物としなくてはならない。この規則に逆らうことはできない。なぜなら、正しい技術を身につけなければやがて自他に危険が及ぶからだ。そう言った悲劇の芽を

【連載】 ジョージ・ホーネット6(魔法仕掛けのルーナ12)

「あんたいい加減、私とフリード以外ともちゃんと付き合いなさい。いい歳なんだから」  フリ…

【連載】 ジョージ・ホーネット5(魔法仕掛けのルーナ11)

 結果だけ言うと、ミス・サリーはよくやった。あのような出鱈目な物体を歩行させることに成功…

【連載】 ジョージ・ホーネット4(魔法仕掛けのルーナ10)

「見ればわかるでしょう」 「わからないから聞いてるんだよ」  ヴィヴィアンはキョトンとして…

【連載】 ジョージ・ホーネット3(魔法仕掛けのルーナ9)

「オーケイ、今日も起動試験だね」  俺は手のひらの上の鉱石を——小石といった方がしっくり…

【連載】 ジョージ・ホーネット2(魔法仕掛けのルーナ8)

 陽が昇り賑わい始めた通りを一つ一つ、通り抜けて行く。  雑踏に包まれるのは嫌いではない…

【連載】 ジョージ・ホーネット1(魔法仕掛けのルーナ7)

 君の友人は何人いる?  俺は二人だ。  羨ましいだろ? 分けてあげないよ。  寝起きはい…

【連載】 フリード・シアン5(魔法仕掛けのルーナ6)

 研究所の小さな窓は、あっという間にてるてる坊主で埋め尽くされた。僕らは別の窓を求めて廊下に出た。 「おや?」  僕はすぐに異変に気付いた。  ルーナは立ち止まった僕にはお構いなしに、僕の脇をすり抜け、廊下の窓の前でいそいそとてるてる坊主を取り出している。  僕は別の窓の前に立ち、思い切ってそれを開け放ってみた。  冷たい、湿った空気が頬を撫でながら入ってくる。同時にしとしとと静かな音が聞こえてきた。  先ほどここを通った時はもっと大きな音を立てて、激しい雨が降っていた。それ