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口コミ書くもまた仕事なりて
長かった結婚式が、ようやく終わった。
結婚式を、何か月もずっとやっていたように思える。もちろんそれは結婚式の準備期間にほかならないのだけど、ずっと「結婚式」という言葉が頭の中をうろうろしていた。
式が終わると、ようやく完成したぞ、という達成感に似たものも感じる。新婚ふたり、あーだこーだいいながら約半年を過ごし、一つのものを作り上げてきた。結婚式の準備期間は「結婚前儀」といっても過言ではない。
式を挙げた世の花嫁さんもきっとそう思っていることだろう。
は~~っ!!終わったねぇ~……!!
わりと良い式になったようで、「ありがとう!」「ありがとう!」「終わったね!」「よかったね!」とランナーズハイな状態。ただしこれは心の中での話、控えめな我々夫婦はただ「…終わった、ね……」と繰り返すばかりだった。
重たい衣装を脱いで帰り支度をしてのんびりしていると、プランナーさんが部屋に入ってきた。もうお世話になることはないんだろう、なんだか物寂しい。
「よければ口コミを書いていただけないかと思い…!書いていただけるようであれば、こちら、差し上げておりますので…!書いていただいたサイトからもギフト券のプレゼントがありまして。」
ほうほう。
口コミOKしてくれた人に渡していたのはパスタセットのようだった。立派な取っ手付きの箱に入って、中に見えるパスタソースの箱も好みのパッケージ。モノをちらつかせられるとつい手に入れたくなってしまう。人間の性なのか、わたしの独占欲なのか。
考えているうちに夫がOKした。「書くよね?」みたいな顔してこっちを向く。ああ、いいよ、書いてあげましょう。
式後のバタバタが落ち着いてから取り掛かることにした口コミ。これを書くといくら、画像をあげるといくら、ともらえる金額が細かく示してある。結婚式関連のビジネスには驚かされるばかりだ。
「じゃあわたしはこのくらいもらえるかなぁ?」
かるく計算しながら投稿を進める。
書く仕事をしているわたしにとって、これは仕事じゃあないかと気づいた。そう思うと、400文字以上の条件でこの値段!??と単価を考えてしまうのであった。立派な職業病だ。
正直お金に困っている身でもあるため、なおさら仕事感が増した。400字以上書いてこの金額もらえるのならライターの仕事より単価高いし!とか思って、せっかくだからあらゆるウエディングサイトで口コミを書くことにした。
お金がないと、より一層現金になるものだ。しめしめ、これで4000円~♪
と忍たま乱太郎のきり丸よろしく目を輝かせて書いているところである。
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