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レシピが馴染むまでお菓子作りをしたい

お菓子作りはアートだ。
キッチンはアトリエだ。

自慢できるほどのお菓子を作れるわけでもない。
知り合いにあげられるものになっているかも微妙なところ。

だけど
自分や家族が、ほっと一息つく時間に
手作りのお菓子があるって豊かだなぁと思ってしまったのだ。

レシピは無限大で、微妙な配合の違いで
香りが変わり、甘さが変わり、食感が変わる。

いつかお菓子作りを趣味にできる、
そんな日が来るといいなと思いながら
パウンドケーキを焼いた。

バターを白くなるまでかき混ぜ
ふるった小麦粉を混ぜる。
お酒に漬けたフルーツも忘れずに。
その生地を型に流し込みオーブンで焼くと、
部屋いっぱいに甘い香りが立ちこめる。

お菓子作りは楽しい。
作業に分解してしまうと
「混ぜる」
「量る」
「焼く」
「片付ける」
決して大したことはしていない。
それでも、楽しいと思えるのはライブ感があるから。

何度も同じレシピを作ると馴染んでくる感覚がある。
「いつもの」が分かるようになる。

あ、今日はちょっとここが違う。
それが出来上がりの差となる。

昔、お菓子教室の先生にインタビューした時に
「私が作るチーズケーキよりも
 おばあちゃんが作るチーズケーキの方が
 ずっとおいしい。敵わない。」
と言われた。
それだけ、作り慣れたお菓子はおいしいのだ。

言語化してしまうと
取るに足りないちょっとした違い。
でもそれが面白い。

実はそのお菓子教室の先生のカップケーキを
お裾分けしていただいた。
鳴門オレンジのケーキ。

オレンジの苦味と爽やかさとを活かし切った
カップケーキだった。
うん、晩年の目標はこれだな。

時間がたっぷりできたら私もこんな風に
素材の特徴を魔法のように引き出せる料理を作る人になりたい。
友達をおもてなしできるスイーツを焼ける人になりたい。

そのためには、お気に入りのレシピを
私に馴染ませたい。

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