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東京から、西へ(2023-4-6)

4月2日に東京を出て、京都と大阪と兵庫を経由しながら、岡山に向かっている。約1週間、仕事をしながらぶらぶらしていたけど、これがとても良い時間だった。東京で心をすり減らしていた自分に、必要な時間だった



気仙沼から実家がある東京に帰ってきた2-3月、どことなく、息がうまくできなかった。どれだけ深呼吸をしても、体に酸素が入ってこない。人間の利便性や矜持でかたちづくられたまちがどうも、こう、体が受け付けていない。人とも正直、会いたい気分にはならなかった。

そんな調子だったので、とにかく東京から出たかった。育ったまちを受け入れられないというのは軽く食らったけど、7日から始まる岡山の生活を東京で待っていたら、たぶん頭が狂っていたと思う。


…ってことで、中学時代から付き合いで、今は京都に住んでいる友達の家に隠居させてもらった。彼女の顔を見た瞬間、胸がなで下ろされるようで、無意識にこわばっていた体の力が抜けた。既にきてよかった…と心から思わせられたし、同時に、ありがたく、不思議な存在だなぁと思った。

この流れでここ5日間のことを書くと、あしたになりそうなのでサクッと工程でも書いとこう。私が思い出を遡りたいだけだけど

◯京都-1日目


→惣菜買って鴨川で黄昏ランチ。ヌートリア泳いでたわ、そういえば



→京大の寮をイメージした感じのカラオケジャンジャン、ディスコみたいな内装でテンション上がったけど全時間寝た

→カフェ「進々堂」でホットケーキ。窓も机もあらゆるものが大きくて、余白のある空間が気持ちよかった



→祇園四条近辺の立ち飲み屋を二軒はしご。偶然となりにいた同い年の韓国人があどけなくて、素直でかわいかった。めっちゃ喋った。結局、今の日韓関係は政府関係者の意地の張り合いでしかねぇんだわなぁ〜とひしひし思った

◯京都-2日目

→今出川駅のスパイスカレー屋が臨時休業。すでに体はカレー以外を受け付けそうになかったので、喫茶店「珈琲 逃現郷」へ。タバコの匂いが充満していて、客が思い思いの過ごし方をしている空間がもう、もう、ユートピアだった。The 日本のカレーが体に染み渡ったし、ブレンドコーヒーが衝撃だった。年の功に敵わず、表現できない複雑な味わい。たぶんあれは人生。恥の多い人生を送りたいと思いながら豆を買った


→マジで仕事に追われていたので、”仕事するために”と口実をつけて、岡崎公園の蔦屋書店にいった。もちろんやらない

→さすがに締め切りがあったので帰宅して、めっちゃ仕事した。帰る途中の東山近辺の街並みめっちゃよかったな



→仕事がひと段落したので近くの銭湯へ。ほぼ毎日来てるであろう住民たちが無言で背中を流し合ってた。誰かにとっては、唯一の人との交流の場でもあるのだろうなと、サウナの熱気に汗を流しながら思った

→友達が帰ってくるタイミングでトリキへ。だいぶ深い夜だった。絡まった糸を進んで絡ませていく私に対して「シンプルでよくね?」と言ってくれた。物事を真っ直ぐ捉えるって、あらゆる迷いや悩みの壁を乗り越えた先にあるパライソ的な感じの域にだと思ってるから、「その思考に達するまでに何があったの…?」と聞いたわけですな。友達が言うには、結局みんな自分のことが大好きで一生自分のことを考えているから、他人のことなんて見ていない、どうせ翌日には忘れてるやんけ、だったら他人なんか気にせず生きたらええやん、という話だった。2倍速で人生悟ってる。美容師時代にいろいろな客と接する中でそう思ったらしい。はぁ、そらそうよな。分かってるつもりだけど、まだ自分の中に落とし込めていなかったんだなぁ〜とおもった夜でした

◯大阪-3日目

→大阪の京橋で留学時代の年齢不詳の友達と落ちあって昼飲み。立ち飲み屋に入ろうとしたら密どころの話じゃなくなってたんだけど、「あけたれあけたれ!入り入り!」と言われ、入れさせてもらった。気仙沼にいたって言ったら、はるばるサンキュー!的なノリで最遠客からタラバガニをもらったり、江戸っ子は好かん!とかいいながら一緒に競馬行くぞって連れ出されそうになったり、ほんまに愉快な人たちだった

→飛田新地にいった。舐めたマネしたら暴力団来てヤられるよって各所から言われてちょっとビビってたけど、拍子抜けした。確かに、暴力団っぽい人らの荒々しい声は聞こえた(笑)。ま。行ってみる価値あり。

→アベノハルカスの最上階から、みんなチッチェーなー、と大阪を見下ろした。

→梅田駅近くの「亀寿司」。前に11人組の中国人いて死ぬほど待ったけど、あれは行ってよかった…。「安くて、うまい!」がモットー(らしい)の大阪人が生んだ寿司屋で、ネタが通常の1.5倍くらいあった上に、味がしっかりおいしかった。なんでだあれ。気仙沼にいた時は今朝獲れ魚が舞い込んでくる日々だったので、海鮮には厳しいっすよスタンスで食べたけど、うめぇうめえ言いながら食べた

→天満駅で日本酒バーと、ゲイバーに行った。ゲイバーのオーナーが人を安心させる喋り方をする人で、すごく居心地がよかった。たまにいるけどほんと不思議。なんだろう、聞かれてもないのに卑近な悩みを喋っちゃう、的な。初対面なのにあの包容力はすごい。それなりに辛酸をなめてきた経験をした人にしか出せない空気感で、誰でもああなれるわけじゃないだろうなぁ。好きな映画の趣味が一緒で、盛り上がった。

→帰宅。オロナイン軟膏で歯磨きをしてた。相当酔っていたみたいだ


◯城崎温泉-4日目

→京都の友達と一緒に城崎温泉へ!チェックインしたホテルがオーナー含め不気味だった。部屋に入ろうと思ったら、なぜか後ろにいて、怖すぎて「こんにちは…」って言ったら「はい」って言われた。

→喫茶店「ノヴァ」へ。薄暗くてジャズが流れてて心地よい空間だった。注文したプリンが、私史上一番だったサイゼリアのプリンを超えてきた。

→雨模様だったけど、温泉を三軒はしご。平日で空いているようでよかったー。

→突然髪の毛を切りたくなって、ホテルで友達に切ってもらった。すっきり、理想通り。ホタルイカをたべながら、ちょっと飲んで、お昼寝。

→バーに行って、土産屋を巡り、締めにお風呂。入浴してる半分くらい外国人でテルマエロマエみたいだった。熱すぎて苦行そうな顔をしていたのが印象的。全裸であれば国籍も地位も名誉も年収も人間性も恥も外見も関係ないなと思った。帰って、就寝

◯城崎温泉・姫路-5日目

→晴れた!雨予報だったのに、やったー。朝風呂に入って、喫茶店でモーニング

→ゴンドラで山へ。海と山。その隙間に城崎温泉の街並み。地球を感じた。人間社会を生き抜くためのキャリアプランとか老後資金とか、その思想、全部キモって思っちゃう景色だった

→海鮮丼ランチ

→昨日行った喫茶店「ノヴァ」が忘れられず、再び。

→京都に帰る友達とバイバイ!まじさんきゅー。私は姫路へ〜〜〜〜

→姫路のまちを歩きながら、心新たに、私を解放して、新生活を始めよう…と小さく誓った。それにしても姫路城の迫力すごいな。



今日から岡山での生活がスタートする。これから私はどうなっていくだろう。楽しみだ。

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