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おすそわけ日記 158「ケーキ様に失礼のなきよう」

早起きして、メイクをする。

早起きは、学びのため。

メイクは、ケーキのため。


私にとって、ラスボス級に緊張するのが、早起き。

土日二日連続で早起きした自分を、勇者として褒め称えたい。

その上、メイクのおかげで気持ちが上がり、学びも思いっきり楽しみながら参加。

ラスボスを倒したら、実はそれが呪いにかかった王子様で、いやはや求婚されちゃいましたよ位の一石二鳥感あり。


勇者、オンラインのクラスが終わった途端、いそいそと身支度を整えて、近所のケーキ屋へ。

お店が八月一杯お休みだったこともあり、実は、二ヶ月ぶり位なんだよね。

期待度が高すぎて、歩きながら鼓動が早くなる。


お店に着いたら、やはりお客さんが入っている。

あ、でも、ケーキの種類が多い!やったー!

人気のお店だから、特に土日は売り切れてないか、ドキドキもの。


いきなり目に飛び込んできた、鮮烈なオレンジ色のドーム。

アプリコットとレアチーズのムースのケーキらしい。

杏、ものすごく好きだ…。

ここのシェフはムースが得意と伺ったが、本当に美味しいんだよね。


でも、大好きな苺のタルトもいいなー。

後ろにモンブランもある!

アールグレイのパンナコッタとジュレ…いい感じだ。


ショーケースに張り付くようにして、ケーキの品定めをする私。

嗚呼!どうしていいか、わからない。

私が、今、一番食べたいのはどれ?

口の中で、想像力を総動員。


他のお客さんの迷惑にもなるので、もう決めなきゃと思い、

苺のタルトと、母の分のサバランを頼む。

注文しながら「でも、本当に?」という想いが浮かび、アプリコットのケーキも追加。

うおー!私の分、二個にしちゃったよ!と動揺しつつ、店を出る。


帰る道すがら、頭の中がぐるぐるする。

どうせ追加するなら、アールグレイの方にすればよかったかも。

いや、元々、モンブランが食べたかったんじゃなかったっけ?

そもそも、二つ買う必要って?

もし、明日の分に残すなら、明日また買いに行った方が断然いいよね。


家について、母にケーキ三つ買ったことを報告したら「じゃあ、私のサバランいらなかったね。」

え!?そんな軽い気持ちでサバランがいいって言ったの!?

じゃあ、先に、何でもいいって言ってくれよー!

思わず、母の首根っこを掴んでゆさゆさしそうになる。


「私、ケーキのショーケースの前で、本気でテンパるんだよね。

瞳孔開いてるかもしれない。

ケーキ様に失礼のないようにと思ってメイクして行ったんだけどさ。

マスクしてて、申し訳ないって思ったよ…。」

真剣に反省するのを母に聞いて貰う。


お昼を簡単に済ませ、さぁ、お待ちかねのケーキ様です。

アプリコットのケーキ、美味しすぎて、生きててよかったと思う。

苺のタルトも安定の美味しさ。

母のサバランも一口貰って、うふふ、たまりませんな。

こうやって書きながら、美味しさを全身で反芻している。


実は、苺のタルトを半分取ってあるんだー。

これ書き終わったら、食べるの。楽しみ。


今日の私の最終ミッション「ケーキ様に失礼のなきよう、全力で美味しく頂く」


【今日の一枚】おなじみ『un cinq』の苺のタルト、アプリコットとチーズのムースです。

【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿する企画をはじめました。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。

今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。