おすそわけ日記 68 「不自由を切る」

ばっさりと髪を切る。

すっきりしたい。顔を隠したくない。

そんな衝動が身の内から湧き上がって。


鋏の音を聞きながら、抱えこんでいた思いに気づく。

少しでも髪が長い方が、男の人受けがいいとか。

仕事で着物を着るから、襟足が短いボブがいいとか。

知らず、自分に不自由をさせていた。


私は、私が望むことをすればいい。

足元に落ちる髪の分、心が軽くなっていく。


もし、何をしたいか、わからなくなっても

鏡を見れば、自由を選んだ私がいるから。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。