おすそわけ日記 44 「どっしりと旧暦大晦日」

旧暦では大晦日の今日、「色々済ませなくては」感あり。早起きする。

化粧水代わりのネロリの芳香蒸留水と、美容液代わりのラズベリーシードオイルが底を突く危機で、朝からMacに向きあって注文。

そう言えば、最近、精油を買っていない。と云うか、買えないんだねー、高いから。消費期限切れのは一杯あって、芳香浴は出来るのだけれど。アロマを忘れたアロマセラピスト、と心の中で呟き、悲しくなる。

「せめて、精油一本、どうだろう。セルフトリートメント用に。」自分に許可した途端、歓びが。

貴重な一本、何にしようかと迷った挙句、イランイランエクストラを選ぶ。私にしては珍しい。とろーり甘い沼、みたいなのが欲しかったのか。

今日のメインイベントは通院。私は、代替療法の先駆け的な心療内科に通っていて、そこの先生は本当に素晴らしい。とてもくだらない冗談を言うのだけれど。先生にそこを指摘すると「ちゃんと人を選んで言ってますからね!」と返されて、選ばれし我が身が微妙に悩ましい。

待合室でふと目をやると、キティの加湿器(新入り)が頭からモクモクと湯気を出している。見れば見る程、すごい存在感で、キティって、こんなにどっしりしてたっけ?短い足に重厚な腰回り。ちゃん付けでは呼べない貫禄だった。

このキティに出会えただけで、今日は得した感があったが、私には第二の目的がある。それは、新橋の小川軒で、皆さんお馴染みのレイズン・ウィッチを買うこと。

その前に、小川軒が入っているビルの前に佇む、狸の像にご挨拶せねば。なんとなく、慣習になってるんだよね、これが。狸の置物もとんとお目にかからなくなった昨今、ドーンと人間様と同じ位の大きさの像ってすごいなぁと感心する。

そして、彼はいつも艶やかだ。「あのツヤ、絶対、みんな撫でてる!」と私が鼻息荒く言うと、母に「酔っ払いくらいじゃない?」と冷たくあしらわれるが、今日、開運狸と書かれているのを確認した。やっぱり、みんな撫でている、そう確信して、私もお腹をポンポンと叩いて、頭を下げて来た。

帰りがけに、もう一度、狸の像を振り返って、ふと思う。

「狸のご利益で狸腹になるとかは、ないよね?」

絶対ないと、言って欲しい。

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狸のご利益のおすそわけです。決して、狸腹になるならもろとも、というわけではありません。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。