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おすそわけ日記 162「ナソナとイソニ劇場〜いつのまにやら最終回」

ナソナこと、母、七十七歳。生粋のおとぼけ。
イソニこと、私、五十二歳。ボケとツッコミの二刀流。
そんな二人が繰り広げる、愛と笑いとちょっぴり心配も詰まった日常。

毎度おなじみの書き出しで始まるナソナとイソ二劇場が、最終回を迎えていた。

書いている本人も気づかぬうちに。

何故ならば、ナソナこと、うちの母が、先日、七十八歳の誕生日を迎えたから。

「もう、ナソナじゃないの。ナソハチよ。」


この連載を書き始めたのが、去年の十二月。

一年はこれで大丈夫とのんびり構えていたら、早いわねぇ、一年って。

そんなわけで、今回から「ナソハチ イソ二劇場」に進化と言おうか、老化と言おうか。


しかし、この新しいタイトルも、二週間後にはさらに老化してしまうのである。

ご想像通り、今度は私が誕生日を迎えるから。

「ナソハチ イソミ劇場」

ちょっと語呂が悪い気がするんだよなぁ。

「ナソハチ イソミのオトボケ劇場」でもいいけど、そうすると、毎回必ずとぼけるんだな!?と縛りを感じるのよ、私。


母に相談して、もういっそ「ナソイソ劇場」がシンプルだし、長持ちするかなぁって。

二年後には「ヤソイソ劇場」、七年後には「ヤソムソ劇場」と壮大なヴィジョンを語ってみた。

母には大笑いされてしまったが、有機的なタイトルでいい、と自分を納得させている。


話を戻して、母の誕生日ネタ。

朝から、あつ森に手をつけた母、ゲームの中で、いきなり玄関までどうぶつさんが迎えに来てくれて、誕生日パーティーに突入。

前の日に着たままのレインコートとレインハット姿で着替える間も無くお祝いになり、大ショック。

「え〜!?昨日、ちゃんとドレス買っといたのに、着替えられないの!?」

まぁ、いいじゃん、ゲームの中だし。そう、母を慰める私は、こんなこともあろうかと訪問着を着ておいたのであった。

しかし、その甲斐虚しく、母の誕生日パーティーには呼ばれず。

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その後、二人でお洒落をして、ちょっと贅沢なお夕飯とケーキを買いに出かけた。

鴨大好きな私は、DEAN&DELUCAでお惣菜値段を超えたね感のある、鴨のロースを一塊買って貰い、大興奮。

母は鴨が苦手なので「私、ジャンバラヤがいい。」と言い、ちょっと待って、それって、主役が逆転してない!?

焦る私に「あなたが喜ぶのが、私にとって一番嬉しいのです。」と菩薩の様な母の台詞。

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家に帰り、腹ペコでむさぼるように鴨を喰らい、ケーキが出る頃には、すっかり終わった感ありあり。

折角、前の日に手作りのバースデーカードと所持金半分(注:二千円)と云う名のプレゼントをラッピングして用意していたのに。

二人とも一日の終わりで疲れた中、バースデーソングを歌う。

カードもプレゼントも喜んでもらって、よかった、よかった。


二人で過ごす、お祝いのかたちは、毎年違っても、

二人が居る、幸せのかたちは、毎年変わらない。


【今日の一枚】母に贈った手作りバースデーカード。私は子供の頃からスタンプが大好きで、コツコツ集めてしまうのです。丁度、プリントごっこに使っていたエンボスパウダーがみつかったので、使ってみました。ガスコンロで葉書を熱しながらパウダーが溶けるのを眺めて「特殊印刷!」とご満悦。スタンプ押すのが楽しすぎて、半日スタンプを押していました。スタンプを押す内職があったらいいのに。

【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿する企画をはじめました。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。

今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。
新しいタイトルに変わりましても、ご贔屓仕ります様、お願い申し上げます。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。