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論文の要約

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アート系の論文の要約、学術的意義を自分でまとめています。
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#ゼンパー

【要約と学術的意義】阿部美由起「ゴーフリット・ゼンパーの素材概念」『美學』第51巻4号(204号)2001年3月31日刊行

(1)要約
本稿では、19世紀の建築家ゴーフリット・ゼンパー(1803-1879)の素材概念についての考察を行なっている。ゼンパーの建築思想において、素材は非常に重要な要素として位置を占めていている。例えば、「目的に応じた素材と技術」によってできる建築や芸術が彼にとって理想のものとしているのだ。

このゼンパーの素材を重要視する視点は、美術史家アロイス・リーグルらによって「唯物論的」であると言われ

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【要約と学術的意義】浅井麻帆「1890年代後半のウィーン分離派とゴーフリット・ゼンパー」

(1)要約

本稿では、1890年後半に建築家オットー・ヴァーグナーをはじめとしたウィーン分離派が、1850−70年代に活躍した建築家ゴーフリット・ゼンパーからどのように影響を受けていたか考察するものである。
筆者は、ヴァーグナーの名言「建築の唯一の主人は必要(芸術は必要のみに従う)」は、もともゼンパーからの発言だったということを指摘し、ヴァーグナが所属したグループの分離派がどのように影響を受けて

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【要約】山口恵理子「特集 装飾論の展開とその可能性」『文化交流研究』筑波大学文化交流研究会編 pp33-45(2013)

(1)要約

本稿は、紀要『文化交流研究』の特集「装飾論」におけて寄せられた装飾にまつわる先行研究を紹介しているものである。著者がゼミにおいて取り扱った、ゼンパー(1860−63)、リーグル(1893)、ヴェルド(1895)、ロース(1910)、ペヴスナー(1936)、ヴォリンガー、ブーエ(1979)、そしてゴンブリッチ(1979,2006)、ロジャーフライ(1910,1917)の思想から装飾論を

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