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【要約】ハイリンヒ・リュッツエラー(川上実訳)「装飾ーヨーロッパ美術とイスラム美術の比較ー」『芸術と装飾』(山本正男監修)pp6-19(1986)
【要約】 本稿ではヨーロッパとイスラムにおける聖堂などの建築に施された装飾を分析することによって、西洋や中東といった「装飾」の捉え方の違いを明らかにすることを目的としている。ヨーロッパにおいては「装飾」とは、ある物に対して付加的なものであるということが一般的な理解である。 しかしイスラム文様などにみられる装飾は、西洋的な概念に囚われず装飾が建築を覆い隠すように支配している。このような装飾に対する捉え方の相違を分析している。筆者はイスラム文様は幾何学的装飾、植物文、アラベスク
【要約】小田部胤久「ゴシックと表現主義の邂逅ーヴォリンガーによる「ヨーロッパ中心主義的」芸術史の批評とその行方」『美学藝術学研究』21(2003)pp.81-114.
(1)要約 本稿では、20世紀前半にスイス・ドイツで活躍した美術史学者ヴィルヘルム・ヴォリンガー(1881−1965)の理論的変遷を「ゴシック」と「表現主義」との関係に着目し考察するものである。特に1907年から320年代末までの、変遷について検討をし、彼が歴史を幾度にも重ね描きしたことへの理論的正当性を明らかにする。 第一節では、ヴォリンガーの有名な著作『抽象と感情移入』(1908)を主に取り上げ、ヴォリンガーの非西洋的な批判を解説する。本書において彼は心理学者テーオドー