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第8回 村ちゃんの守護霊さんと僕のファーストコンタクト


僕が村ちゃんの守護霊さんと最初に喋った時のこと

めちゃくちゃはっきり覚えていて

なぜかと言うと、衝撃的な言葉をもらったから。


だからちょっと書き残しておくけど、
なんとも取り留めのない話なので、
あらかじめその心づもりで読んでください。



高校3年の夏。

万博公園でなんか大阪のグルメと文化のイベント的なのがあって

職場の障がい者作業所の人らが行ってるから
「行くけど、陽平も行く?」とオカンに連れてかれた。


その時僕は妙に不機嫌やった。


異様に暑い日
ステージでやってた大阪のエイサー的な踊りを見続けるオカン

めちゃくちゃ退屈やった。

僕が高校3年になってもオカンと出歩くことが恥ずかしくなかったのは、
何より僕は寂しがりで、
ひとりがとことん嫌だったから。
オカンとスーパーもよく行ってたし、風呂は兄貴と入ったり、
寝るときは必ず猫のキクちゃんが一緒だった。
修学旅行でキクちゃんがいないと寝れなかったほど。

だから、ひとりでウロウロする選択肢が無かったから余計
退屈すぎて不機嫌になってった。


あともうひとつ不機嫌の原因、


高校3年の夏なのに、進路が決まってなかったこと。


心の中では、高校卒業して放送作家になる
って決めてたけど

何をしたらいいか全くわかんないし、不安しかないし。


そんな僕を見かねて、オカンも誘ったんだと思う。


退屈な謎の大阪のエイサー的な踊りが終わった後、

「村ちゃん、守護霊さんと入れ替わってしゃべれるねんで。悩みとかあるやろ?せっかくやからなんか聞いてもらい!」

興味があった僕は「喋りたい」と答え、
オカンと一緒にパラソルがあるテーブルの方に行った。
車椅子の人と介助者で6人くらい座ってた。

介助者の方1人が席を譲ってくれて、
テーブル挟まず村ちゃんと向き合った。

「村ちゃん、なんか陽平が悩みがあって、守護霊さんに聞きたいことあるみたいやから聞いたってくれる?」

と、ストレートにオカンが言うた。
本当はもっとお節介感抜いて欲しかった。
いつもシリアスな空気を作って丸投げされる。


ただ、それを聞いた村ちゃんは何も言わず、
走っていった。ウィーンって。


戻る手にはビールがあって、それをストローで一気飲み。後から教えてもらったけど、酔わないと守護霊さんと替わらない。

そのためにわざわざ飲んでくれた。

空気を察して周りのみんなは、オカンと3人だけにしてくれて、

ビールを無言で飲み干して、

「なんや?」

明らかに喋り口調がいつもと違った。


別人のようだったから緊張した。


何を聞こう。。


進路のこと…頭によぎったけど、


それよりどうしても聞きたいことがあった。



結構時間かけて、考えて聞いたこと…



「キクちゃんを抱っこしたら嫌がるんです。
 どうしてですか?」



オカンは笑ってた。

今思うと、小学生かな?と思うような質問やけど
その時の僕は本気。

抱っこして嫌がられるのがものすっごく傷ついていた。いつもじゃなくてたまにだから尚更理解ができなくて。

それを聞いた村ちゃんは、


笑ってなかった。


真剣に答えてくれた。



「陽平もお母さんに抱っこされたら嫌やろ?」



その答えが衝撃的やった。


晴天の霹靂。

膝から崩れ落ちる感覚。

ぐうの音もでないとはこのことで。


「でも…」くらいは言うたかもしれない。


返す言葉が見つからず、

「おっしゃる通り」と「認めたくない」

が頭の中で格闘。


結局その場は何も言わなかったけど、

認めざるを得なくて、

心の中では白旗が上がっていた。

惨敗。



そのあと進路の話とかしたかもしれないけど、
全く覚えてない。



その後の僕の進路はというと、

高卒で放送作家になることを認めてくれてると思ってたけど、

冬の三者面談で、オカンに

「大学に行って欲しい」

と言われ、一瞬裏切られた気持ちになったけど、
勉強して大学に行った。

京都の大学で1K一人暮らし。

ペット不可のアパートに、

キクちゃんをこっそり連れて行った。





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