大学4年間でn回読書会をした記録:前編

ごあいさつ

 皆さんの地位は何ですか?私はギリギリでいつも学んでいる学生です。思えば恥の多い学生生活を送ってきたものです(←なんの衒いもなく『人間失格』のパロディをすることが1番恥ずべきことでは?(←こういう予防線を張ることが1番恥ずべきことでは?))。一例を挙げると、私は大学1年の春学期から大学4年生の秋学期まで計8期全てで単位を落としています。まぁ卒業できたからどうでもいいわけですが……

 そんな私でも他の大学生に唯一誇れることがあるとすれば、大学生活でn回読書会を行ったことです。何回読書会をしたかを全く思い出せておらず記事を書く過程で列挙すればいいだろうと上の文もn回と仮置きする形となってしまっているのですが、結構な数をやってきた自信があります。皆さんもこの記事を読んで、友人と読書会をしてくれたり、読書会をするときの参考にしてくれたらいいなと思います。

第一回:『日本の近代とは何であったか』

時期:1年夏
人数:3人

 もうな〜んも覚えてません。というかこの本で読書会をしたかすら定かではありません。3年くらい前だからしょうがないよね。学食で意欲旺盛な友人とご飯を食べていて「読書会をしよう!」となり、そのまま大学併設の書店で日本近代史の新書を買って読んだことだけ覚えています(なんか丸山眞男を読んだような気もするし読んでないような気もする)。
 そんな記憶の奥底にある読書会ですが、当時も少しはそのデザイン面で気をつけていたことがあります。それは「分厚すぎる本を選ばないこと」と「参加者の興味関心が被る本を選ぶこと」ですね。だからこの何とも言えない新書が初回になったのだと思います(読書ノートにそれっぽい時期につけられてるからこれかと思ったけど、授業で小レポート書くための課題本だったかも……)。

第二回:『近代世界システム』

時期:1年夏 or 冬の長期休み
人数:3人(前回と同じ)
 はい、この読書会は途中で頓挫しました。先程の節で書いた「分厚すぎる本を選ばないこと」を破っています。500頁の本が全4冊って、今思えば1年かけて読み切れるかどうかという感じですね。
 個人的に感じている読書会のメリットの一つとして、「怠惰な自分でも仲間がいることがプレッシャーになって分厚い本でも最後まで読み通せる」ということがあるのですが、ここまで長いとむしろペースを併せてチンタラ読んでいるのが億劫になってしまいそうです。本当に関心のある本なら頁数なんて関係なく一晩で読み通してしまうものですしね。ここで反省を得た私と友人は、上下巻に分かれている本を読書会で読むことは無くなりました。お金も場所もかさむしね。

第三回:『権力と支配』

時期:1年冬〜2年春
人数:3人
 選ぶ本のセンスがだいぶまともになってきています。そしていま行っている読書会システムの雛形もおそらくこの時期に完成したと思われます。私が参加する読書会は基本的に、「隔週ペースで100ページくらい読んできて、各々が面白いと思った箇所について話す」という形式で回していますが、読書ノートに話すための砕けた感想を付してるのでおそらくこの時期にこのフォーマットが現れ始めたのだと思います。
 あと副読本を読んでいる形跡があるのも面白いですね。同時期の読書ノートにマックス・ウェーヴァー『支配の社会学』の1と2があり、当時の自分は意欲に溢れていたなぁなんて懐かしくなります。

第四回:『危機の二十年』

E・H・カーの口元、チャーミングすぎ……
時期:2年秋〜2年冬
人数:6人(サークル)
 所属していたサークルでの初めての読書会です。というのもこの年の春から新型コロナウイルスが流行り始めて対面で会う機会が無くなってしまい、これまで読書会をしていた友人も相当初期に罹患してしまうなどでなかなか開く機会がなかったためです。この『危機の二十年』読書会はオンラインで7回に分けて行われましたが、あくまでサークル活動だからオンラインでもやる気が沸いたという側面は強いかもしれません(何が悲しくて終わった後の食事会・飲み会もないのに読書会なんてやらなくてはいけないのか……)。

 この読書会は私がこれまでやってきた読書会の中でおそらく最も実りあるものだったように思います。コロナ禍でずっと家にいて人間間のつながりに飢えていたおかげか参加率も高く、また各参加者はA4一枚程度のペーパーを提出し、書記は読書会の記録を取りまとめ、(主に私が)副読本を何冊も読んできて、先輩後輩のべつなく活発な議論が交わされました。主だった参加者が2年と1年だったので今思うとあの頃の議論は稚拙なものだったのかもしれませんが、だからこそ若さゆえの全能間に溢れており、このサークルでなら月にタッチして帰ってくるくらいわけないと思っていました。

 ただ今思うとそのように事前に資料を仕上げてくるであるとか、副読本を読むといった行為が活発に行われたのは、サークルでの初めての催しだったために掛かって行われたものであり、継続的に読書会をマネジメントしていくためには良くないものであったかもしれません。というのも大学生にとって、バイトや授業の間を縫って本を読み、さらに読書会に向けたタスクもこなすというのはかなりの負担がかかります。そもそも読書会を行う動機の一つに「怠惰な自分でも一冊を読み通す」ために行うというものがあるのですが、読書会そのものが負荷のかかるタスクとなってしまうことは本末転倒なわけですね。日常生活の中に無理なく読書会を溶け込ませるのが、長く続けるコツであると言えるかもしれません。

小括

 長くなっちゃったので後編に続きます(記事を書く過程で何回やったのかを確かめようと思ってたのに、途中でやめちゃったから何回やったのかわからないまま終わってしまった!)。
 グダグダのまま終わるのもどうかと思うので、最後にここまで4回分の読書会の反省点を挙げ連ねておこうと思います。皆さんも以下の内容に気をつけて健やかな読書会ライフを!

  • 参加者の興味の重なり合う本を選ぶこと

  • 分厚すぎる本を選ばないこと

  • 読書会そのものを負荷のかかるタスクとしないこと

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